住みよい街をめざして
めくられたカードの数字を書き込んで、住みよい街を作るフランスの紙ペンゲーム。『ストリームス』のような同時プレイスタイルで、プレイ人数を問わず何人でも遊ぶことができる。1950年台のアメリカのレトロな雰囲気が、単なる数字合わせ以上の没入感を生み出している。
場には3つの山札があり、それぞれカードをめくって数字とジャンルの組み合わせが3つ作られる。各プレイヤーはこれを見て、3つの中からどれかを選んで自分のシートに書き込む。数字は3列ある家のいずれかに昇順に記入し、さらにジャンルに応じてチェックを付ける。
ジャンルは測量技師、不動産業者、造園業者、プール製造者、派遣業者、「2ヶ所」の6種類。測量技師は家と家の間にフェンスを作って団地を作る。不動産業者は団地の得点を上げ、造園業者は公園、プール製造者はプールを作って得点を増やす。派遣業者は数字を調整でき、「2ヶ所」は2マスに同じ数字を書ける。
昇順に数字を記入していくと後半はだんだん書き込めなくなってくるが、3択あるところが手詰まりを緩和させている。数字をどのあたりに書き込むかという悩ましさに加え、この3択の悩ましさがゲームに熱中させる要素だ。「この数字を書きたいけど、測量技師も取りたいところ。どうしよう!」
悩ましい分、インスト時間・プレイ時間も紙ペンゲームとしては長め。『ガンツシュンクレバー』と比肩しうる、遊びごたえのある作品だ。
Welcome To…
ゲームデザイン・B.チューパン/イラスト・A.エーズィック
ブルークッカーゲームズ(2018年)
1~100人用/10歳以上/25分