都内ゲーム会(-KUFU-、Nation building、まーちゃんだいず・まーけっとほか)

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都内某所でゲームマーケット2017春の新作を遊ぶ会。同人・創作ゲームの魅力は、作者のスピリットにあると思う。市販のボードゲームでは、マーケティングやバランス調整で遊びやすくなっている分、失われてしまっているプリミティブな何か。本質的で、ときには狂気的な、その人の個性そのもの。ルールやコンポーネントの端々からそんなスピリットが感じられるとぞくぞくしてくる。
ー KUFU ー(るりるりゲームズ)
「これ、ひとつひとつ手作りで作ったの?!」たくさんの立体コンポーネントに、戦慄を覚えた作品。
-KUFU-
古文書を頼りにピラミッドを探検し、王の墓などを探し出す協力ゲーム。古文書は手帳にファイルになっており、前のページからめくっていく。めくるたびに紋章を手に入れたり、部屋や通路や階段を見つけたり、罠にかかったりする。また付箋を挟むことにより、途中からめくることも可能になる。
探検隊コマは立体のピラミッドの中におり、部屋や通路や階段を見つけるたび、つなげて置いていく。置く方向が指定されているものもあり、すでに置かれたものとぶつかるときは置くことができない。また部屋によっては、見つかる階層や条件が指定されていて、以前に見た情報をもとに、探検隊コマを移動させることになる。「あの紋章のページ、どこにあった?」「確か2枚目の付箋の次あたりだったかと……」
規定ラウンド内に見つけるべきものを見つけて脱出できれば成功。そうでなければ失敗。それ以外にも、罠から逃げられなかったり、付箋がなくなって失敗になることもある。
古文書のページはゲームごとにシャッフルするので、同じ展開にならない。立体コンポーネントと、付箋を挟むコンポーネントという新しさを兼ね備えた意欲的な作品。どこかで製品化して一般発売されないだろうか。
2~4人用/10歳以上/70~90分


Nation building(なまはむ)
手番の進行が独特なダイスゲーム。たくさん振らないと、自分の補充分が減ってしまう。
Nation Building
ダイスを振って資源を集め、集めた資源で施設を作り、施設の特殊能力でさらに効率よく資源を集める……という拡大再生産系ゲーム。ダイスは自分の前にいくつかあり、1の目を使うと麦、2の目なら木というように出目によって得られる資源が異なる。資源は既定のセットを作ると、また出目を使って施設に変換できる。施設は得点になるだけでなく、ダイス目を変えたり、資源を増やしたりできる。
施設の数は限りがあり、早い者勝ちなので、ほかのプレイヤーがどの資源を集めているかはよく注目しておかなければならない。
面白いのは、使ったダイスは中央に戻され、次のプレイヤーが振ってドラフトするところ。使わなかったダイスとよい組み合わせができるよう、どのダイスを残し、どのダイスを振るか、かなり考える。また、施設はゲームごとに効果が変わり、繰り返し遊べるようになっているところもよい。
2~4人用/12歳以上/30~60分


まーちゃんだいず・まーけっと(Open Circle)
昨年秋、『ペーパーワーク』でいぶし銀の出来栄えを発揮したOpenCircleのダイスゲーム。大豆を作って売るゲームで、マーチャンダイズと大豆(とダイス)をかけているらしい。
まーちゃんだいず・まーけっと
手元のダイスを順番に、5つの市場に出荷していく。市場は出目で分かれており、1の市場に1個、2の市場に1個、4の市場に1個というように、合計が7以下ならばいくつでも出せる。手持ちのダイスがなくなったら補充でき、また置いていって、いずれかの市場のダイスが定数を超えたら得点計算。ここでダイスが少ない市場ほど、希少価値が高く得点が大きいというところがポイントである。ダイスは自分の色と中立の色があり、自分がダイスを多めに置いた市場は温存して、ほかのプレイヤーの市場には中立のダイスを置いて希少価値を下げていく。得点にならなかった市場では、最も多くダイスを置いた人が市場カードを取り、以降のラウンドで特典を得られる(が、ゲーム終了時に失点となる)。
ままならないダイス目を、うまく振り分けることで得点を最大化するには、ほかのプレイヤーの出目も見ておく必要がある。そこにタナボタや漁夫の利が生まれる余地もある。
2~5人用/9歳以上/30~45分


カサネテカエル(PhantomLab)
マウンティング競争ばかりしている間に、ほかの人は悠々とゴール。
カサネテカエル
カエルを自分の陣地から向かい側に脱出させるアブストラクトゲーム。カエル同士が重なると、リーダーのカエルは、下にいるカエルを連れていけるが、ここで「ドーン歩き」が起こり、一番下のカエルを1マス前に、二番目に下のカエルを2マス目に……として遠くまで移動できる。
斜めにしか移動できないカエルが、ほかのプレイヤーのカエルに翻弄されてなかなかゴールできない。縦横に誘導できる騎士のカエルの使い道がポイントになるようだ。
4人用/6歳以上/20~40分


ゆびリンピック(スタジオくるくる)
分かるわけがないと思ったが、意外と分かるのが不思議。
ゆびリンピック
指定された指で、スポーツの種目を表現して当ててもらうジェスチャーゲーム。指はときに1本も使えない(握りこぶしだけ)ということもあるが、2人チームで表現できるので、以心伝心で工夫すれば結構な確率で当ててもらえる。
3~8人用/8歳以上/10~20分


俺の会社が労働裁判で潰れるわけがない!!(鳴海製作所 娯楽部)
ひらがなで書かれたカード裏面のインパクトがやばい。
俺の会社が労働裁判でつぶれるわけがない
ブラック企業ががむしゃらに利益を増やすことを目指すカードゲーム。手元にある労働力の数だけ利益カードを引き、その中から1枚だけ手札に入れる。次に手札から1枚出してアクションを行い、最後に労働者を1枚めくってイベントに従う。
アクションは労働力を増やす「雇用」など、イベントは「転職」や「労基の査察」などで、労働力が奪われたり、利益を減らされたりする。利益が0になったら倒産で脱落、10になったら勝利。
利益が10を超えるたびにマイナスのイベントが続き、倒産も続出。ブラックな企業は長期的に見て損をするということを学べる作品。
2~5人用/7歳以上/1~20分
ふうかのボードゲーム日記:ゲムマ新作を遊ぶ平日会

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