ウンコして子ども助け
オーストラリアに住んでいるカンガルーの仲間ウォンバット。小柄でおなかに育児嚢があり、日本の動物園でも飼育されている。視力が弱く、嗅覚が発達したウォンバットが主人公となり、自分の糞を頼りにして、活動範囲を広げていくウンコゲー。アメリカのゲームで、グループSNEの安田さんが面白いと仰るので個人輸入してみた。
六角形のマスでできたボードのスタート地点にウォンバットのお母さん、奥の方にウォンバットの子どもたちがいる。道に迷った子どもたちを、自分の巣まで連れ帰ることがゲームの目的だ。でも途中にはディンゴがうろうろしており……。
自分の番にはまず、ウォンバットを移動する。それぞれのウォンバットには自分の「匂いエリア」があり、その中ならば直線上に何マスでも移動できる。「匂いエリア」は、自分の糞1つから周囲2マスまで。糞をすればするほど「匂いエリア」も広がり、移動が容易になる。
「匂いエリア」の外にいても食料や子どもウォンバットがとなりにいれば、その匂いを頼りに1マスだけ移動できる。それもなければ闇雲。カードをめくって指示された地形(のいずれか)に移動する。
匂いエリア内の通常移動、匂いエリア外のとなり移動、カードを使ったランダム移動を自由に組み合わせて3回まで移動でき、食料のあるマスに入ればそれを食べ、子どものいるマスに入れば子どもをお腹の袋に入れる。
食べた食料はウォンバットボードの口のところへ置く。そして消化フェイズで、食料はお腹の中を進み、数ラウンドかけて糞になる。どこで糞をするか考えて計画的に移動しておこう。「ちょ、こんなところでクソすんじゃねーよ!」
その後に、ディンゴを担当していればダイスを振って、ディンゴが一番近いお母さんウォンバットのところに近づく。もし追いつかれたら子どもを置いて振り出しに戻らなければならなくなってしまう。ほかのウォンバットをおとりにして、うまく巣に帰ろう。
子どもを巣に置いたらまた出発。盤上に自分の糞が増えていくので、移動はどんどん早くなる。計画的に糞をできたかが勝敗を分けるだろう。先に4匹の子どもを巣まで連れ帰ったプレイヤーが勝利。
3人プレイで45分ほど。ディンゴを恐れるあまり、匂いエリアが分断されてしまって移動に手間がかかった。最初に匂いエリアを奥までつなげた鴉さんが救助をどんどん進める。最後は押し合いへし合い(移動先にほかのウォンバットがいれば押し出せる)で、ディンゴまで近づいてきて大混戦。千日手のようになり、先に3匹目を助けた鴉さんの優勝とした。
ウンコの匂いを移動に使うというアイデアの面白さが際立つだけでなく、運の要素が低めで、どこを通り、どこで糞をするか、考えどころの多い作品。ボードは可変式で、さまざまなパターンを楽しむことができる。
Wombat Rescue
M.ウルフ/イーグルグリフォンゲームズ(2015年)
1~4人用/10歳以上/60分
ゲームストア・バネスト:ウォンバットレスキュー