微妙に分かるところが悩ましく
「マルコ・ポーロの旅行」「トマトの起源」「コルコバードのキリスト像」などの問題について、エリアや年などを当てるクイズゲーム。動物の体長や体重を当てる『ファウナ』の続編で、先ごろ日本語版が発売された。勘と口からでまかせで答える『ファウナ』と違って、ある程度は分かるところが面白い。
例えば「マルコ・ポーロの旅行」だったら、エリア、出発年、所要年数というように3つ問題が出される。スタートプレイヤーから順に、ゲームボードに自分の色のキューブを置いて回答していく。何周かするので、いくつかの場所に回答できる。全員がパスしたらカードをボックスから引き出すと、下に答えが書いてあるので答え合わせをする。正解すれば7点、正解に隣接していれば3点。外れたコマは没収されるが、毎ラウンド1個ずつ帰ってくる(3個は保障)。
「マルコ・ポーロの旅行」のエリア数は13。おそらくイタリアから出発して中国まで行ってきたのは多くの人が知っていると思うが、どこを通っていったのか、何年に出発して何年かかったのかなど覚えている人はほとんどいないだろう。そこでいろいろな推測が生まれ、会話が盛り上がる。そのあたりに詳しそうな人が置いたコマに追従しても、写真を見てもっともらしいことを考えてもよいだろう。
「コルコバードのキリスト像」や「ギザのピラミッド」など、エリアが1つしかなくて、結構皆が知っているものもあるが、そういうときは隣接ポイントを狙おう。でも、肝心の正解エリアがずれていて大崩れすることも。写真の「古代バビロニア文化」は、最初の人が自信をもって置いたところが1エリア隣で、それにつられて大量の不正解者が出た。
中にはひっかけ問題もあり、知っているからといって油断はできない。また、全く知らない問題に対しては、すでに知っていることから推測する地頭力がものをいうこともある。例えば「コルコバードのキリスト像」は、コロンブスのアメリカ大陸到達より後で、造形からいってだいぶ新しいものだと考えられる。知識だけが勝敗を決めるのではない。
6人プレイで45分ほど。『ファウナ』でもあった「この写真から見て深さはこれくらいだ!」「この名前の響きはきっとこっちだ!」という適当理論が笑いを誘う。答え合わせのわくわく感、適当に答えたのが正解だったときの嬉しさ、もっともらしい理論がどハズレだったときの笑いなど、ものすごく盛り上がった。なお、問題は300問あり、1回のゲームでは数問しか使わないので何度でも遊べる。
Terra
F.フリーゼ作/フッフ&フレンズ(2014年)+ホビージャパン(2015年)
2~6人用/10歳以上/45~60分
テラ(Terra / Friese / Huch+Hobby Japan, 2014-15)
ファウナの世界史地理版。問題に沿ってボードにビッドし、正解・隣接で得点になる。得意不得意は出るが知ったかぶりも面白い。写真は「エスキモーの居住エリア(9つ)」「エスキモーと呼ばれるようになったのはいつから」「世界のエスキモー人口」 pic.twitter.com/7lMV8dDa89— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) June 26, 2023