ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日10時30分(日本時間の17時30分)、ベルリン市内のホテルにて今年度大賞の発表と授賞式を行った。5月18日に発表されていた(TGiWニュース)各3タイトルのノミネート作品から、大賞には『コルト・エクスプレス』、エキスパートゲーム大賞には『ブルームサービス』が選ばれた。
審査員は授賞式の前夜に投票して大賞を決定する。当日はノミネート作品のデザイナー、イラストレーター、出版社の代表が招かれ、それぞれ3タイトルのノミネート作品を順番に紹介した後、大賞が発表された。
大賞には『コルト・エクスプレス』(ルドノート)が選ばれた。西部劇をテーマにしたフランスの出版社のボードゲームで、審査委員会は「西部劇のパロディーのようなゲーム。ドタバタの中で盗賊たちは確実だと思っていた獲物を殴られて失ったり、誰もいないところに銃を撃ったりする。ほかのプレイヤーが失敗したのを笑っていると、今度は自分がハチの巣になる。このような計画性とカオスの混合が魅力と機知を生み出す。立体のボードになった機関車と客車がさらに目を引く」とコメントしている。フランスの作品が受賞するのは一昨年の『花火』以来2年ぶり4回目。フランスの躍進を印象付ける結果となった。
今年の大賞には日本ゲームの『街コロ』がノミネートされた。このためデザイナーの菅沼正夫氏と、ドイツ市場に紹介したヤポンブランドの健部伸明氏らも授賞式に出席している。日本ゲーム初の大賞受賞はならなかったが、壇上で賞状を受け取った。
エキスパートゲーム大賞に選ばれたのは『ブルームサービス』。2008年に年間大賞にノミネートされた『魔法にかかったみたい』のボードゲーム版が5年目となる同賞を受賞することになった。リメイクで大賞を受賞するのは『ズーロレット』などの先例があるが珍しい。審査委員会は「強気か弱気か。この問題は赤い糸のように『ブルームサービス』にもある。ハイリスクのアクションで強力な効果を狙うか、慎重に確実にいくかという選択に常に迫られるのがエキサイティング。臨機応変の戦術で相手を煙に巻けば、本当に魔法の瞬間を経験できる。特に素晴らしいのは追加可能な上級バリアントルールによってリプレイ性を高めていることだ」という。
ドイツ年間キッズゲーム大賞の発表は先月10日に発表され『スピンデレラ』が選ばれている(TGiWニュース)。
『コルト・エクスプレス』は日本語版が発売されているが、『ブルームサービス』の流通はまだ始まっていない。
・Spiel des Jahres e.V.
・TGiWレビュー:コルト・エクスプレス
・TGiWレビュー:ブルームサービス
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