もうクリスマス前の話なのでニュースにできないが、ドイツでトイざラスが価格ダンピングで訴えられ、裁判所から値下げ禁止の仮処分を受けていたという。
訴えたのはデイズ・オブ・ワンダー(DoW)と、ドイツでDoWの販売を請け負っているプロ・ルード。大賞受賞作の乗車券(Ticket to Ride/Zug um Zug)が卸値よりも安い価格で販売されていた。直接仕入れたのではなくて、どこかから流れたものらしい。
日本でもトイざラスでは、ちょっと前のボードゲームが捨て値で売られることがある。このような行為に対して「定価への信用を失う」として異を唱えるのは勇気のいることだ。
エッセンでインタビューをしていて感じたことは、ドイツの中小ボードゲームメーカーは、はなからトイざラスなど相手にしていないということだった。セレクタなどは決して卸さないという。マンモス経営の危うさを知っているのだろう。それよりも、各街にある小さなおもちゃ屋さんと信頼関係を保ちながら販売しようとしている。
長いものに巻かれるのは楽かもしれない。しかしそれをあえて選ばず地道に行く。それこそが、ドイツのボードゲームが商業ではなくて文化の証なのかもしれない。
(ソース:Spielbox-online)