ゲームマーケット2009体験記

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(今年はプレイベントのみ)

2008年5月30日(土)浅草区民会館

毎年恒例のゲームマーケットに、今年初めてプレイベントが開かれた。前日に会場を開放し、販売予定のゲームのデモプレイや小ゲーム大会などを行うものである。ゲームマーケットの規模は毎年大きくなっており、出典者も100を超え、1日では遊びきれないくらいになっている。そこでとりあえず確保するために購入しなければならなくなり、いよいよ遊んでいる暇がなくなる。そんな中、買わずにゆっくり遊べる1日が新たに設けられたことは福音であった。入場者は約300人くらい。混雑もなく、じっくりと説明を聞いて注目作品を遊ぶことができた。

Mine Outごい夢中ぎおん祭りドレダ?Ocean TradeナナホシよくばりキングダムNo!Smoking!

Mine Out(常時次人 / 操られ人形館)

Mine Out恐怖の枯渇をめぐる駆け引き

主にカードゲームを手がけてきた操られ人形館(今回は「クロックワイズ」で出展)、初めて本格的なボードゲームを発表した。勝ち筋と考えどころが多く、また独特のゲーム感をもった作品で、注目度は今年のゲームマーケット1といってよいだろう。
手番は5APのアクションポイント制。ボード上を移動し、それぞれの建物で場にある人物カードを獲得し、カードを使って発掘し、発掘した鉱物を売却して収入を得、収入で人物カードの特殊能力を得る。鉱物を売らずに集めるか、人物カードを全体に出すことで勝利点が入り、規定点をめざす。
人物カードの特殊能力には発掘力アップや収入アップなどがあり、4種類ある鉱物のうちどれを発掘するかという作戦と深く関わっている。金を掘りたければ金の発掘力を上げ、金を売ると収入や得点が上がるカードを出すことになるだろう。
人物カードの特殊能力は自分だけのものにしてもよいし、全体に出してみんなのものにしてもよい。みんなのものにするのは一見不利に見えるが、勝利点が入る上に、場の流れを誘導できるから損はしない。例えば銅を集めて勝利点をもらおうとしている人がいるとき、銅の発掘能力をみんなで上げれば独占しにくくなる。
そしてゲームのタイトルにもなっているMine Out(枯渇)。これがゲームの肝である。場にある鉱物やお金が全部取られるとバーストして全部返さなければならなくなってしまうというルールだ。実は今年ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた『フィンカ』に奇しくも同じルールがあったが、こちらはバーストさせると得点が入るという特殊能力を生かして、積極的にバーストさせるという戦略がある分だけ深い。隙あらばバーストを狙うプレイヤーと、できるだけ倹約してバーストを起こさせないプレイヤーのせめぎあいが楽しい。
序盤から金を狙いにいった私が、バーストに襲われずに着々と得点を集めることができた。その間に黄金を稼いでは全体に向けてカードを出し、銅を掘りに行かせるなど誘導も忘れない。そのうちバーストプレイヤーがどんどん追い上げてきたが、序盤に貯めた分のリードで逃げきり。プレイ時間100分。序盤に得点が全く動かなかったので心配になったが、得点がぼんぼん入り始めるので終盤は一気だった。
今回誰も掘らなかった宝石を使ったプレイも面白そうで、重いけれども繰り返し遊びたいと思わせる魅力があるゲームだった。

ごい夢中、ぎおん祭り(居椿善久 / 日本学習ゲーム協会)

ごい夢中

意外とある同音の熟語

「えん」「のう」「きゅう」などひらがなのカードで熟語をつなげるカードゲーム。出せなかったり、出したのが間違っているとお手つきで3回おてつきをしたら負け。
そんな言葉あったっけ?と思ったときは電子辞書で確認することにした。でたらめに「じんのう」と出して調べたら「人皇」。勉強になるなあ。

ぎおん祭り日本語であそぼ!

オノマトペと絵を合わせるカルタ。山札から1枚引き、場に出す。ペアを作ればゲット。5ペアできたら勝ち。
「チューチュー」にはネズミ、「ちょきちょき」にはハサミ、「すやすや」には眠っている絵。日本語の美しさを再確認できた。

ドレダ?(居椿善久 / 日本学習ゲーム協会)

ドレダ?2つ回したら混乱の始まり

『ドメモ』を遊んでいるうちに思いついたというこのゲーム。パズルの要素が加わっていてはるかに手強い。
子供向けは「アニマル編」。牌には動物と、棒が1~4面についている。これを5枚、みんなからだけ見えるように置いてスタート。自分の番にはまず、棒がテーブル側にある牌の数を教えてもらう。そして好きな牌を回して(!)、その後いくつになったかを教えてもらう。目標は5つの棒を全て下にすること。『マスターマインド』のような推理が必要になるが、一辺だけ棒がついているタイル、四辺全てに棒がついているタイルなどがあって紛らわしい。どちらに回転したかも忘れる弱さで負け。
「アニマル編」の次は、大人向けの「アルファベット編」が待っていた。こちらはアルファベットの牌を全て読める向きにするのが目標。「M」や「H」や「I」など、上下反転してもOKなものと、「Z」や「O」や「X」など、どの向きでもよいものがある。こちらも悲しくなるくらいの弱さで負け。どちらに回したかを覚えておかないといけないので、集中力が研ぎすまされた。

Ocean Trade(Hammer / Hammer Works)

Ocean Tradeあと1枚多ければ!

毎年大人気のブースで、すぐ並ばないと買えないHammer Works。買えずじまいが続いていたので、プレイベントに出展があったのはありがたかった。
金、宝石、象牙、陶磁器、香木、コショウ、茶、絹織物、木綿という9つの交易品を集めて得点するというライトなカードゲームである。得点方法は共通で、カードの集め方にいくつかルールがある。
ひとつめのルールは4枚の場札が並べられ、手札を3枚もつ。手番になったら場札から1枚取るか、山札から1枚取るか、手札から3枚まで出して+1枚で場札と交換するか。いずれにしても1枚ずつ増えることになる。場札がなくなったら得点計算。
得点は交易品によって少しずつ異なり、枚数が少ない黄金は単品で得点、少し枚数が多い象牙や宝石などはペアだと得点が大きくなり、もっと枚数が多い絹織物や木綿だと最多ボーナスが大きくなる。同じ種類を集めすぎても得点が変わらないから、適度に分散して集めていくバランス感覚が必要だ。もちろん、カウンティングも大切。
さて2つ目のルールでは、スタートプレイヤー以外が1枚ずつ出して、スタートプレイヤーがその中から1枚を取る。選んでもらった人は、ほかの人の出したカードを1枚と場札を1枚。最後になった人は場札の残りを取る。今度は一端手に入れたカードをほかのプレヤーに渡すわけだから考えどころが多い。いいカードを出して先に選んでもらうか、いらなそうなカードを出して得点を増やさせないか?
どちらのゲームも、臨機応変さに欠ける極端な集め方をしてしまって負け。1ゲーム15分くらいで駆け引きもあるよいゲームだ。

ナナホシ(OKAZU / Hammer Works)

ナナホシ1匹でも手を抜けない

Hammer WorksではHammerさんの仲間であるOKAZUさんが昨年からゲームを作って一緒に発表している。ナナホシは昨年のテーブルゲームフェスティバルでも出展されていた作品。30分くらいのバッティング陣取りゲームである。
テントウムシを一斉に握ってオープン。花ボードに少ない順(同数だったら手番順)に置いていく。ボードがいっぱいになったら次のボードへ。ボードが埋まると決算で、まずアリのマスにいるテントウムシが取り除かれ、数の多い順(同数なら上から順)で得点とチップが配分される。中には1匹も置いていないとペナルティのあるボードもある。
握るテントウムシはいくつでもよいから先になくなる人もでる。なくなったらお休み。全員のテントウムシがなくなるまで続け、得点の多い人が勝ち。
花ボードには、アリのマスがたくさんある危険な花、定員が少ない花、得点が大きい花などさまざまな種類があり、それぞれ思惑が入り乱れるようになっている。安全策をとってテントウムシを1個しか出さなかったら、みんな同じことを考えていてアリのマスに飲み込まれたり、意外な手の恩恵があったりと、何が起こるか、みんなの手を開けてみるまでわからない。
チップを温存したbone5さんがボーナスで1位。私は裏をかいて大当たりした見せ場があったが、メリハリをつけて手を抜いた分がたたって3位。プレイ時間は30分。じっくり読み合いをしても、気軽に握り合っても楽しめるゲームだ。

よくばりキングダム(木皿儀隼一 / ワンドロー)

よくばりキングダム読み切って勝つ!

ワンドローが昨年発表した『がむしゃらギャング団』は、『人狼』を少人数で遊べるようアレンジした推理ゲームで、エッセンでも好評を博していた。カードやイラストのクオリティも高かったので、注目していた新作。今回は2人専用ゲームである(2パック買えば3~4人プレイも可)。
8人のキャラクターで4種の資材を集めて王宮を建設するバッティングゲーム。相手の裏をかいて資材を集めまくる。
手番には資材を出してサポートカードを買ったり、8人のキャラクターをクラスアップしたりできる。サポートカードは新たな資材の供給源となり、クラスアップしたキャラクターは資材をたくさん調達してくれる。
次がメインのバトル。8人のキャラクターから3枚ずつを選んで一斉にオープン。防御として相手が出したカードとバッティングしなければその効果で新たな資材を手に入れることができる。
8人から3人という数が絶妙で、たいてい1人か2人は見切られてしまう。特にキャラクターの発動に必要な資材があると読まれやすい。裏をかくか、裏の裏をかくか。クラスアップしたキャラクターでも、バッティングすれば使えない。だからこれを見せ牌にして、相手の警戒の裏をかいて別のカードを出すのも手だ。そこまで読み切られたら、もう勝てなさそうだが。
赤いチップを4枚と、青いチップを1枚集めると王宮カードがもらえる。このカードを2枚取ったら勝ち。
サポートカードをどんどん買って、マークを外す作戦。防御もうまくいって有利に進めていたが、王様のキャラクターが通ってリーチを許してしまう。最後の3枚が全部止められれば負けという状況だったが、王様を通して勝利。これだけ充実した内容で1ゲーム20分。もう1ゲーム遊びたくなった。

No!Smoking!(KeyRoom / KeyRoom)

No!Smoking!吸いたいのに吸えない!

禁煙をテーマにしたトリックテイク。まずとにかくイラストがものすごいインパクトである。でも見かけ倒しではない。
毎ラウンド規定点があり、みんなが出したカードの合計が規定点を超えてしまったら、トリックをとった人はマイナスチップを受け取らなければならない。大きい数字のカードを出しつつ、規定点以下に抑えるのはとても難しい。ぎりぎりのラインになると駆け引きも熱い。
さらに特殊能力が満載。「後から出し直せる」「トリックを取れればチップ倍」など、各自はじめから特殊能力をもっている上に、中間値のカードを出すとアイテムがもらえる。このアイテムで自分の特殊能力を復活させたり(携帯酸素)、全員に一番大きいカードを出させたり、アイテムを破壊したりできる(拳銃)。これを活用してみんなの予想を裏切るナイスプレイを披露したい。
メイフォローになっていて、降りて次のスタートプレイヤーを取れる(シケモク)ところもテクニカルで憎い。シケモクのプレイヤーがいそうならば、規定点が低くても勇気を出して数字の高いカードでリードしてもよい。
途中アイテムを間違って使ってしまったが、最後にシケモクでスタートプレイヤーを取ってリードし、プラスポイントで1位。4つのすーとは「WILDSEVEN」、「Marco Polo Menthol」、「大北京」、「CAPTAIN JACKEYE」とナイスセンスで気に入った。

『賭博英雄伝セブン』(カワサキファクトリー)、『ひも電』(Hammer Works)は後日レポート予定。