自宅ゲーム会 08/12/21

つくば自宅ゲーム会 08/12/21

年末も近づく日曜日、今年最後のゲーム会を自宅で行う。今年を振り返ると、子供たちが成長して手がかからなくなったので、月に1回程度は自宅でゲーム会を開けるようになった。この日も、ゲームをしている大人に紙のクッキーを売りに来る場面もあったが、あとはめいめいインターネットをしたり本を読んだりお絵描きをしたりしていて、家にいる妻も自分のことをする余裕があった。これで私も心置きなくゲームが遊べるというわけだ。来年は4月から山形に完全移住するため、楽しい日々も一区切り。今度は山形で定期的に遊ぶ算段をつけていきたい。

ゴーストストーリーブリキ工の小径スペースアラートマチュピチュの王子

ゴーストストーリー(Ghost Stories / A.ボザ / ルポ, 2008)

ゴーストストーリー倒しても倒しても減らず

霊幻道士(古っ)となって次々と襲い掛かる幽霊を倒す協力ゲーム。レポスプロダクションは『キャッシュアンドガンズ』で知られるフランスのメーカーで、今年のエッセンでは高い評価を得た。プレイヤー間のノリを大事にした作りは、ドイツゲームと一線を画している。
目的は村を守りながらボスキャラを倒すこと。1手番に1体、幽霊が登場し、仲間を呼んできたり、村に襲い掛かってくる。なかなかの恐怖感だ。これに対抗する道士たちは幽霊の前まで移動して、ダイスとチップでばったばったと倒していく。道士によってダイスの数が増えたり、敵を弱体化させたり、追加手番ができたり、ほかの人を移動できたりと特殊能力があるので、お互いに相談しながら適材適所でうまく手分けすることが必要だ。
ダイスで失敗したり、攻撃せずに補充したりしていると、幽霊はどんどん増殖する。幽霊がいっぱいになってしまうと「気」を奪われ、「気」がなくなった道士は死んでしまう。ほかの道士に復活してもらうことはできるが、それまで手番がかかるので、できるだけ避けたいところだ。
今回はボスキャラが1体の初級でプレイ。中盤までダイス目に恵まれず、何度もピンチを招いた。特にダイスが1つ多い私が全く冴えなくて幽霊を倒せない。そのうちふうかさんが幽霊に囲まれ死にそうに。ふうかさんは弱体化させる護符をもっているので、死んでしまったらたいへんだ。これを米出さんの指示で何とか助けたら、今度は特殊能力を封じる強敵が出現。これも何とか凌いで、ついにボスキャラが出現したころには村はすっかり荒廃し、ほかの人も息も絶え絶えになっている。でも幸いkarokuさんがボスキャラを倒せるチップを持っていたので、ぎりぎりで勝利。初級でこのつらさ!
レベルが上がるとボスキャラが増えたり、敗北条件が厳しくなったりする。ダイス目勝負というところはあるが、勝つ確率の低い無謀な戦いを避けるために、より多く協力をしなければならない。プレイヤーと村の特殊能力の種類が多いので、きちんと把握してベストな選択をするには経験が必要。でも勝っても負けても、盛り上がるのは間違いない。

ブリキ工の小径/ティナーズトレイル(Tinners’ Trail / M.ワレス / ツリーフロッグ, 2008)

ブリキ工の小径掘っても掘っても楽にならず

イギリスを舞台に、ブリキと銅鉱を採掘して売るゲーム。昨年に発売されていたが、今年のエッセンで改めて3つまとめて再販された。昨秋の『ブラス』と同様、少部数の限定生産のため入手が難しい作品である。
ゲームの中心は競りで、手番順が『テーベの東』のように「消費時間数の少ない順」というところが特徴。採掘するにはまず工場を建設するところから。手番プレイヤーがエリアを1つ指定して競りを始め、競り落とした人がお金と時間を払って工場を建てる。鉱脈が豊富だったり、自分の工場が隣接していたりすると有利なので競り値も上がるだろう。
工場を建てても、そのエリアの水を抜かないと採掘コストが高い。それに1回の採掘ではコマを2つしか取れず、採掘するたびに水が増えてしまう。そこで人夫、船、ポンプ、トンネル、鉄道といった設備を作って水を抜いたり、採掘力を上げたりする。これらはお金がかからないが、数が限られている(ワレスのゲームのように)ので早く取りたい。
こうして準備を整えたらいよいよ採掘。ここで気になるのが相場である。毎ラウンドごとにダイスで相場が変わり、たくさん採掘しても割に合わないこともある。ブリキは価格が安定しているが最高値が安く、銅は高低の差が激しい。相場をよく見て採掘するかどうかを考えよう。ただし、次のラウンドに相場が上がる保証は全くない。できるときにできることを。
採掘したブリキと銅は、すぐに全部売却しなければならない。この売却益で勝利点を買う。ラウンドが下るに従って同じ金額でも買える勝利点が下がっていくので、早いうちに高いものを買っておきたい。でも次のラウンドにお金を残しておかないと、新しい工場を競り落とせなくなる恐れがある。選択が悩ましいところだ。
第1ラウンドに大儲けしたkarokuさんが、相場が下がったときには準備を周到に進めて第3、第4ラウンドでもコンスタントに収入を上げ1位。私は相場が低いときに無理に突っ張ったり、一か八かで開いた鉱脈が恐るべき不毛の地だったりして4位。ワレスのゲームはガチガチになりがちだが、競りとダイスによってほどよく緩和される一方で、お互いの手番順と持ち金を考えた選択が必要になり、とても面白かった。

スペースアラート(Space Alert / V.フヴァキル / チェコゲームズ, 2008)

スペースアラート撃っても撃っても死なず

宇宙船に迫り来る危機を制限時間内に協力して乗り切るゲーム。独特のプレイ感で大きなインパクトをもたらした『ギャラクシートラッカー』の続編である。前作で作った宇宙船の中ではハチャメチャなドラマが繰り広げられていた。エッセンでのレポートはこちら。
制限時間とタイミングはCDで決められている。敵の現れる方向、手札の交換とプロットが適宜音声で指示される。相談はできるが、すべて時間内に行わなければならないから大慌てだ。落ち着け、落ち着け!
CDが終わると、プロットしたカードに沿って宇宙船を実際に動かし、うまくエイリアンを撃退できたか確認する。1枚目に置いたカードをめくり、キャプテンから順に移動や部屋のスイッチオン。左右中央と上下で6つの部屋があり、それぞれ移動先のスイッチによってビームが発射されたり、バリアが張られたり、エネルギーが補充されたりする。行動が終わったら生き残っているエイリアンの移動と攻撃。次に2枚目のカードを処理して……というように繰り返す。全部の処理が終わる前に宇宙船が破壊されれば負け、生き残れば勝ち。
エネルギーが切れているのにスイッチを押してもビームは出ない。敵を倒したのにビームを出しても無駄撃ちになってしまう。同じ敵にばかり集中していると反対がやられ放題。同じ部屋で同じことをしていてもいけない。敵の出現順序を把握して、チームワークで分担することが生き残りの条件だ。
リアルタイムな上に、英語のCDとカードがあるので慣れないと話にならない。ついでに言えばルールブックも60ページある。でも練習ラウンド2回くらいでだいたい飲み込めた(負けたけど)。そこで中級くらいのシナリオを1つ。エイリアンは外からだけでなく、船内にも現れる。これを倒すにはロボットを連れてこなくてはならない。ロボットは間に合わなかったけれど、karokuさんとふうかさんのコンビネーションで外敵を撃破して見事生き残り。
エッセンでこのゲームを遊んだ外国人が「こ、こ、こんなゲームは初めてだ!」と大興奮していたのを思い出す。まさにそんな興奮がこのゲームにはある。いつしかプレイヤーがみんな同じ宇宙船に乗って走り回っているかのような、そんなリアルさがこのゲームにはある。

マチュピチュの王子(Die Prinzen von Machu Picchu / M.ゲルツ / PD出版, 2008)

マチュピチュの王子捧げても捧げても得点なし

ゲーム内容はこちら。3回目となる今回は、みんなが布を中心に生産を増やし、どんどん神官と巫女を雇った。そのためマチュピチュは無事スペインから匿われ、最終日を待たずしてゲーム終了となった。この場合は基礎点そのままで勝敗を決める。終盤にインカ人をどんどん増やしたkarokuさんに対して、神官が得点になるカードを集めていた私はカードが1枚多くても若干不利。でも経験の差で序盤から有利に進めた分、1点差で勝利。
カードを取ればどちらのエンディングでも勝つという人もいるが、同じカードが揃えば一挙に得点できるのでそういう訳ではない。またゲーム中に勝利点状況が明かされないのは誰が有利か分からないという人もいるが、出遅れた人も脱落しないで最後までベストを尽くせる。またスペインの侵略を防ぐため神官と巫女を雇うところはちょっとした協力ゲームの雰囲気もある。増やす手数を重ねて勝利点を目指すというゲームは数あれど、こうした新機軸で新しいプレイ感があると思う。

上へ前回のゲーム会レポート一覧トップページ