秋葉原水曜日の会 08/10/15

秋葉原水曜日の会 08/10/15

『人生ゲーム』に勝るボードゲームは、実際のところあまりない。「運だけのゲームだ」「内容のわりに長い」などといってボードゲーム愛好者はほとんど見向きもしないけれども、デパートや量販店では必ず置かれているし、毎年新作が出ているし、売り上げ個数もものすごい。どうしてこれだけ売れるのかを考えてみなければなるまい。
 その理由のひとつに考えられるのは、すごろく(レースゲーム)の楽しさである。子供のころ、すごろくを遊んだり自作した人は多いだろう。ボードゲームの基本といっても過言ではないすごろくは、海外でも多くのゲームに取り入れられている。すごろくの一番の欠点は、後れを取って追いつけないとゲームが盛り下がってしまうところ。『人生ゲーム』では最終的な持ち金で勝負するが、海外のゲームには、さまざまな工夫でこの欠点をカバーしているものがある。

アラスカクロサードアウラポクウィスキーレース

アラスカ(Alaska / E.ソロモン / ラベンスバーガー, 1979)

アラスカ溶けていく足場

氷をわたって中央の島からコンテナを持ち帰るゲーム。第1回のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。すでに30年近く前のゲームだが、今遊んでも決して古びていない。
 ゲームは湖に氷が張る冬から始まる。カードで指示された氷を、好きなところに並べて中央の島への道を作る。氷が敷き詰められると、春になり、今度はカードで指示された氷を取り除いていく。もちろんお互いに一番大事な氷から取り除いていくから、氷の置き方をよく考えて複数のルートを確保しておかないと苦労するだろう。特に、となりの人のルートに便乗しておくのは有効だ。
 進むのはイベントカードを使わない限り、毎手番3歩と決められている。氷は3マスでも2マスでも1歩と数えるので、大きい氷を並べておけば移動も早い。だがその分、春になって氷が取り除かれたときにどうしようもなくなるリスクが上がる。普通のすごろくでは進む数を同じにしてしまえば展開の多様性が望めないが、進む場所の状況を変えることによって多様にしているわけである。このバランスがうまい。
 写真では氷の上にコンテナを載せているが、これは氷を置いたタイルの除去が後回しになるためである。こうしてルートを確保しておく。だが、イベントカードの「泥棒」というのを出されると、ほかの人にコンテナを持っていかれることもあるので注意が必要だ。対抗するイベントカード「霧」を用意しておいたほうがよい。
 それからイベントカードは、進入禁止にする「シロクマの移動」と、どこへでもワープできる「ヘリコプター」、手番が強制終了になる「凍傷」、コンテナをいきなり持ち帰れる「コンテナ発見」がある。「コンテナ発見」は濡れ手で粟のラッキーカードで、これをたくさん引いて1位だった私と、反対に「凍傷」ばかりで手が進められなかったタナカマさんの明暗が分かれた。

クロサード(Clossado / E.W.フェルシュター / ビューテホルン, 1979)

クロサードゴール前にない足場

橋をかけて反対岸に渡るレースゲーム。はじめに適当に橋を全部並べてしまってからスタート。
 4つのコマ全部を渡らせないといけないが、ちょうどの数でないと進めない。だから混んでいると進みづらい。1か6が出ると、コマが乗っていない橋を1つ移動でき、自分のルートを作ったり、ほかの人のルートを分断したりできる。
 そうならないように、重要な橋にはコマを置いて移動できないようにしておくのだが、うまくダンゴ状になって進まないと、前後のコマが分断されて後続が絶たれるかもしれない。
 緑一色さん(赤)が中央の渋滞から真っ先に抜け出してゴール。私は中盤に1が出て進めず、終盤に大きい数が出て進めずと裏目だった。
 すごろくというと1つのコマしか進めないイメージがあるかもしれないが、『バックギャモン』をはじめ、複数のコマのどれでも進めてよいというゲームがたくさんある。選択肢が増えれば、戦略性も上がるのである。

アウラポク(Aura Poku / R.ヴィティヒ / ブラッツ, 1993)

アウラポク追跡してくるジブリ

入り江を渡って追跡者より先にゴールを目指すレースゲーム。途中、川を渡って近道できるが、そのためには神にお金をささげないといけない。金額は大金なので、同じマスに止まったほかの人を誘って、みんなでお金を渡って進むのがよい。そこに交渉が生まれ、一風変わったすごろくになっている。
 1が3回出るか、川を渡るかするとやたら大きい追跡者コマ(みんな「ジブリ」と呼んでいた)が一歩ずつゴールに近づいてくる。これがゴールに入った時点でゲーム終了になるので、動きが早いようならば急いで、遅ければ遠回りしながらお金を集めてもよい。
 今回のジブリはやたら早かった。中盤まで自分のコマを均等に進めていたが、そのうちみんな先頭のコマだけに集中して進めるようになる。しかし急いで川を渡ったりしているうちにさらに加速。結局1人がゴールした時点でジブリ到着、終了。優勝したのは、早々にゴールをあきらめ、途中の泉でお金を集めていたしむしゅさん。
 レースゲームなので1位のボーナスは大きいが、遅れた場合でも十分なチャンスがあるため、また戦略に幅が広がるものだ。

ウィスキーレース(Whisky Race / A.ステディング / JKLMゲームズ, 2004)

ウィスキーレース裏切りの密輸レース

ウィスキーを拾って警官に捕まらないようゴールを目指すレースゲーム。進み方はモルトコマの一斉握り。多く握った人から進むが、進めるのは〔マス数-途中にいるコマの数〕。たくさんコマがいればなかなか進めないし、誰かが先に抜けてしまえば計算が狂ってお望みのマスにたどり着けないかもしれない。
 途中のマスでは、単独でいる場合に限りウィスキー・モルト・勝利点を手に入れたり、ウィスキーを売ったりできる。そのためにも、先に進んでおいたほうがいいのだが、モルトは数に限りがある。
 一番のポイントは、ラウンドごとに少しずつ進んでいくイギリス警官。これが最後までゴールにたどり着かなければ、順当に1~3位まで勝利点が入るが、ゴールにたどり着いてしまうと一変。1~3位はマイナスになってしまう。であれば後ろにいる人は警官をどんどん進めるわけで、上位と下位の綱引きが楽しめる。
 警官にウィスキーを没収されながら、全力で1位に入り、警官が間に合わずセーフだったが、没収されたウィスキーの分の得点が響いて3位。1位は、後ろのほうで様子を伺いながら地道に得点を増やしたしむしゅさん。
 「1位を取ったら勝つ」というすごろくの基本線を大きく変え、「1位を取ったらいいか悪いかは状況によって変わる」としたところに新しさがあると言えるだろう。

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