山形ゲームコンベンション 08/08/23

山形ゲームコンベンション 08/08/23

年に2回、近くの温泉で開かれるゲームコンベンション。今回は新潟ボードゲームクラブさん、山形芸術工科大学のゲームサークル「ブラッドラスト」さんがお出でになり、さらに岩手・仙台組も参加して総勢18名という最高記録を更新した。人数が多かったおかげで、宿泊費と食費込みで1900円という破格の参加費になる。
 温泉に入るもよし、お酒を飲むもよし、ときどき休んでのんびり遊ぶ人、休みなしにずっと遊び続ける人と好きな過ごし方ができた。最終組は朝6時までぶっ通し。

ギャラクシートラッカーブロクスパンデミックラスコー私の世界の見方リンクズライカワードリンクネフェルティティクイズいいセン行きまSHOW!バンボレオ

ギャラクシートラッカー(Galaxy Trucker / V.フヴァティル / チェコゲームズ, 2007)

ギャラクシートラッカー宇宙って何でも許されるんだな

ゲーム内容はこちら。ルールブックの厚さに驚いてしまうが、実際は組み立て方の説明に5分、宇宙船の組み立てに3分、飛行に10分という短いゲームである。準備ラウンドは、イベントの説明をしないで実際にやってもらうのがよい。そこで一通りイベントを体験してから、第1ラウンドで勝負する。
 パズルが得意かどうかと、慣れがものをいうゲームではあるが、勝敗抜きに楽しめる。無難な飛行でポイントを稼ぐよりも、隕石が派手に激突して宇宙船が3分の1くらいになり、ボロボロになっても頑張って飛んでいるほうが見せ場がある。
 今回は「フリースペース(ジェットの数だけ進める)」のイベントが一切なかったのでジェットを少なくして、代わりにレーザーを多くした。ぎりぎりの勝利。

ブロクス(Blox / W.クラマーほか / ラベンスバーガー, 2008)

ブロクス一手を争う

ゲーム内容はこちら。手札のしばりは強いが、同じ建物をめぐってほかの人と一手を争う場面は少なからずある。あと、同じ色のカード3枚以上でほかの人のコマを消せるというのも得点が高いのでないがしろにできない。物足りないと感じる人もいそうだが、ほどよいインタラクションと言えるだろう。
 クラマーは、このゲームの開発にあたっていろいろなテーマを考えたが結局アブストラクトにしたという。でも建物を壊しては建て、建てては壊しという仕事は、テーマが与えられないと虚しさを感じずにはいられない。小さい建物が壊され高層ビルになっていく都市開発とか(ボードの広さは同じなので、まばらになっていくけれども)。ゲームの面白さが損なわれるわけではないが、テーマがないことから来る味気なさをちょっと感じる。

パンデミック(Pandemic / M.リーコック / ズィーマンゲームズ, 2008)

パンデミック都市が滅亡しても薬が先

ゲーム内容はこちら。前回は中級(難易度は大流行カードの枚数で調整する)で負けたので、今回は初級から出直すことにした。病気の広がりはカードのめくりだけで決まるので、難易度を設定する意味が分からなかったが、プレイヤーの経験で勝敗が左右されることが分かってきた。特に、ウィルスコマの除去と特効薬の開発のバランス取りが難しい。今回は2回とも、ウィルスを除去するのに夢中になってしまい、その分特効薬の開発が遅れて敗北。ウィルス拡散の回数が少なかったので、もっとウィルスを流行るに任せて、特効薬の開発に力を入れればよかった。
 ただ問題は、経験値の高いプレイヤーがいると勝ちやすい分、ほかの人はその人の指示に従うことが多くなり、自分で決めている感覚に乏しくなってしまうことだ。これは協力ゲームの宿命とも言えるだろう。できれば、同じくらいの経験を持っている人同士で遊ぶのが望ましい。

ラスコー(Lascaux / D.エルハルト、P.デ・パリエール / ファランクス, 2007)

ラスコー棚からマンモス肉

原始時代に競りで肉を集めるゲーム。『シカゴポーカー』と一緒に出たファランクスの小箱ゲームである。シンプルな作りの中にドラマが生まれるという、私の好きなタイプのゲームだ。
 競りは『ゲシェンク』や『ムガル』のように、石を1個ずつ場に払っていって、抜けた時点で全部もらい、残った人が勝つというがまん比べ。もちろん最後まで残ればいいが、毎回というわけにはいかない。そこでこのゲームのポイントは、競りの前に欲しいものをひそかに決めておくというところにある。
 場に並んだ獲物カードには色がついており、競りで買ったあかつきにはどの色のカードをもらうかチップで決めておく。そして、最後まで残った人から順に、自分のチップを公開してその色のカードをもらう。最後から2番目に残った人は、前の人が取った残りから自分のチップの色のカードがあればもらえ、3番目、4番目と同じように取る。
 ありがちなのが、1番目~3番目まで色がかぶっていて、4番目の人がごっそりもらえたりすること。しかもそれを計算ずくでできたらすごい。手持ちの石の数と、プレイヤーの顔色(今回はすぐ降りそうか、突っ張りそうか)が判断材料になる。石をいっぱい持っているのにあっさり降りるなど、ブラフも効く。
 最後はカードの種類別に一番多く持っている人が枚数分だけ得点して、あと残った石の得点を加えて勝敗を決める。たくさん取っても満遍なく集めていては得点しにくいというわけだ。これがまた最後まで勝負の行方を見えなくさせ、ドラマを生み出す。勝つためには欲しい動物を絞らなければいけないが、色やほかプレイヤーの思惑との兼ね合いもあって難しい。
 今回は棚ボタが連続してたくさんカードが来たが、ふたを開けてみたら辛勝。気楽にできるし、深く考えてもいいし、ブラフもかけられるし、よいゲームだと思う。

私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe… / U.ホシュテトラー / アバクス, 2004)

私の世界の見方もう下ネタかどうかも

ゲーム内容はこちら。このゲームのファンがいて、定期的に遊ぶことになっている。その秘密は、『アップルトゥアップル』よりもより過激でエッチなお題と言葉だ。ストレートで下ネタに走るか、きれいにまとめるか、シュールなネタで挑戦するか。審査員となるプレイヤーの性格もよく考慮しなければならない。
 今回は男だけだったので下ネタ合戦の様相を呈したが、やりすぎると飽きてしまうもので、2ゲーム目は一転してシュールなネタが好まれるようになる。ただ、山札からランダムに挿入されているダミーカードが曲者で、あまりに突飛なものも選べない。ときには絶妙なダミーカードが入ることがあって、いったいどれがダミーカードか判じかねて悩むところがまた笑える。『アップルトゥアップル』を遊ぶときにもダミーカードを入れてみることをお勧めしたい。

リンク(Linq / E.ニールセン / ビーウィッチト・シュピーレ, 2007)

リンクスルーパスのヒントを狙って

ゲーム内容はこちら。「以心伝心」をゲームを通じて実体験できる。今回、「大阪」というお題を与えられた野田さんと私。野田さんの「城」で私のほうはピンと来たが、私のヒント「KFC」(阪神が優勝すると川に投げられるアレ)が通らない。そこに輪をかけてほかの人も紛らわしいヒントを出してくる。私の第二ヒント「小林製薬」(本社が大阪)も完全に通らず失敗。
 ヒントは分かりやすいとほかの人に感づかれてしまい、減点になるので暗号めいたものが望ましい。ところが謎すぎると「大阪」のように空振りに終わってしまう。その中間の絶妙なところを考えるのがとても楽しい。お互いのバックグラウンドをよく知り合った者同士ならば、なお爆笑ヒントが出せるだろう。
 私のヒントは全く通らなかった野田さんであるが、ほかの人とのペアはどんどん成立して1位。

ズライカ(Suleika / D.エルハルト / ツォッホ, 2008)

ズライカ次の人に踏んでもらう

ゲーム内容はこちら。前回は、じゅうたんを広くするとみんなから敬遠されて収益のチャンスが減るので、小さくいろんなところに敷いて薄利多売を目指すという選択肢を考えたが、そういう長期的な視点だけでなく短期的な視点もある。つまり直後のプレイヤーの動向を考えてじゅうたんを敷くということだ。踏みやすいように敷けば、収益は上がるが上から重ねられてしまう。重ねられないように置けば踏まれないので収入が入らない。そのジレンマも楽しめた。
 とはいえ深いことは考えず踏んだ踏まなかったとワイワイ遊ぶのがこのゲームの楽しさ。今回もすごく盛り上がった。ただ、誰のじゅうたんをつぶすかというところでは順位を意識しないといけないかもしれない。お金をむしりとられて貧乏になった上に、じゅうたんまでつぶされるとずいぶんと切ないものだ。誰がトップかはコインとじゅうたんの広さを見れば一目瞭然なので、そこまで意識しなければならないとするとずいぶんと難しいゲームなのかもしれない(とはいえ、最後はダイスだけれど)。

ワードリンク(Word Link / 川崎晋 / カワサキファクトリー, 2003)

ワードリンク連想は思わぬ方向へ

ゲーム内容はこちら。ワードゲームだけは輸入ものがないわけだが、その中でも異色のゲームである。変な単語を連想してしまったがゆえになかなか消せなくて自分の首を絞めるというところが可笑しい。今回は、ぽちょむきんすたーさんが「汗」「サヨナラ勝ち」から「甲子園」、「バーゲン」「ゴーヤ」から「スーパー」と冴える回答で優勝。
 ゲームマーケットではなかなかパーティゲームが少ないが、こういう日本語ならではのゲームがもっと出てほしい。

ネフェルティティ(Nefertiti / G.モンティアージュ、J.バリオー、T.クエ / マタゴー, 2008)

ネフェルティティ損得勘定も大事

ゲーム内容はこちら。前回、お金プレイがずいぶん強かったので私も試してみた。いつも最安のところにビッドしては品物でなくお金を取っていれば自然とそうなるのであまり考えない。ほかの人を苦しめることになったが、結果は僅差で2位。1位は2品目で独占を果たしたぽちょむきんすたーさん。
 お金プレイも、最終的には品物の獲得を目指さないといけない。遅すぎれば何にもならないのである。でも途中から品物を集め出したとき、紋章チップを持っていないのが結構響くようだ。紋章チップで行えるアクションは、効果が派手なものほど使う場面が限られる。前回はアクションカードが大味かなと思ったが、そのへんのペイオフを考えるとよくバランスが取られている。
 最終的にはシビアな得点計算の積み重ねが勝敗を決定することになり、そうするとビッドの仕方も考えなければいけないのかもしれない。深みがちょっと分かってきた。

いいセン行きまSHOW!(Iisen Ikima Show! / 川崎晋 / カワサキファクトリー, 2008)

いいセン行きまSHOW得意な人は常識人?

ゲーム内容はこちら。今回は「基準」ジャンルがよく出題され、それが楽しかった。今回はなかったが、お互いによく知り合った仲で「個人」ジャンルを選ぶのも一番盛り上がりそうだ。
 このゲームは、成績がずいぶんはっきりする。得点を重ねる人、失点を重ねる人がはっきり分かれる。その差は何だろう? あくまでメンバーの回答の中間だから、常識力というわけではない。あえて言うならば場の空気を読む力というべきだろうか。

バンボレオ(Bamboleo / J.ゼメ / ツォッホ, 1996)

バンボレオよく崩れないものだと感心

丸いコルクの上に置かれた板の上で、崩さないように積み木を取っていくバランスゲーム。一度に2つ取ることもできる。重心が傾かないようにするには両端にある2つを取るとよさそうに見えるが、実はかなり難しい。取るタイミングを完全にシンクロさせるのは難しいからである。急げば振動させてしまうこともある。
 観察力と、集中力と、手先の器用さ。崩れやすいという意味では難易度の高いゲームだが、崩れるだろうと思うと崩れなったりという意外さが楽しめた。

新潟ボードゲーム倶楽部:山形ゲーム合宿

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