秋葉原水曜日の会 08/07/09

秋葉原水曜日の会 08/07/09

休憩時間に当サイトのマークの話になった。ゲームが盛り上がっていたのでマークがつくだろうと思っていたが、後日レポートを見たらついていなかったというのである。
 盛り上がるかどうかも大事だが、私の場合はゲームのシステムに感心したかどうかによるところが大きい。「楽しい」と「面白い」はちょっと違う。メンバーがよければどんなゲームでも「楽しい」が、後で冷静に振り返ってみるとゲーム自体が「面白」かったのか疑問が湧くこともある。反対もまた然り、メンバーに寡黙な人が多くて盛り上がりに欠ける場合でもゲーム自体は「面白い」ということがある。つまりメンバーによる影響を極力切り離そうとしているのである。
 実際にそれがどこまで成功しているかは自信がないし、メンバーによる影響を切り離せたとしても今度は「好み」の問題が出てくるが、ほかの環境でも参考になればと思っている。だから「ゲーム購入の参考にしてます」と言われると嬉しい。

オントップ地底探検砂漠の王子おっとっとラマ

オントップ(On Top / G.ブルクハルト / コスモス, 2008)

オントップ引き分けに持ち込まれないよう

ひし形のタイルを置いて、交点で自分の色が最多になることを目指すゲーム。手番にはタイルを引いて好きなところに置き、交点が全て埋まったらコマを置いて得点をつけるというだけのシンプルなゲームで分かりやすい。私はこのゲームが今年の年間ゲーム大賞にノミネートされるのではないかと予想していた。残念ながらノミネートも推薦リスト入りもしなかったが、シンプルな割に考えることが多くて面白い。
 交点が埋まったときに単独最多ならば得点が入る。ただし同色で独占しても1点。得点を増やすには2位の色を増やさなければならない。2位が1人いれば2点、2位タイで2人なら3点。ギリギリの差で勝つ必要がある。
 ところが1位タイだと誰にも得点が入らない。これを使って自分以外の色は引き分けに持ち込んで得点機を摘んでしまうのだ。ひし形のタイルは四隅が各色になっていて、組み合わせは引いてみるまで分からない。あちら立てればこちら立たず。いろいろな手が考えられるし、上達する余地もある。
 序盤に最高の4点をたたき出した私が逃げ切るかと思われたが、残りコマのペナルティでずいぶん引かれて後退し、代わってタナカマさんが1位。アブストラクト風ながら、タイルは引いてみるまで分からないという気楽さでスピード感もあり楽しめた。
Für die Zusendung eines Rezensionsexemplars danke ich der Firma Kosmosrecht herzlich!

地底探検(Reise der Mittelpunkt der Erde / R.ドーン / コスモス, 2008)

地底探検洞窟を越えて湖を渡って

カードプレイで地底を進み、化石を集めるゲーム。コスモスがこのところ力を入れている文学作品シリーズで、原作はフランスのJ.ベルヌ作(1863)。ずいぶん昔の話だが映画化もされ、日本語訳も何冊かある。
 原作どおりコマは3つしかなく、対応するカードを出せばどれを進めてもよい。そのほかにアイテムとして岩を砕いて通過するつるはし、斜めに移動するコンパス、穴を飛び越えるロープ、進む距離を伸ばすパン、化石カードを見てから選べるランプの5種類があり、これらを使って障害物を乗り越えていく。
 途中のマスで指定されたアイテムを出すと化石カードを引くことができ、これを集めると点数になる。1枚だけで点数になるものから、集めて絵を合わせれば点数になるものまでいろいろ。イベントマスを通過するとイベントが起こるが、悪いものはない。
 第1ステージの洞窟は3人がばらばらに進むが、第2ステージの地底湖はみんなが同じいかだに乗って進み、第3ステージの火山口はカードをめくって一気に進む。カードを節約しながら、化石カードを取れるチャンスを待とう。でもカードの引きが悪いと、何もできずに苦労するかもしれない。
 どこかで遊んだような感じがすると思ったら、昔一世を風靡したパーティージョイゲームシリーズ(バンダイ)にプレイ感が似ている。カードを集め、マスの指示で出せるカードがあれば進めるという黄金パターン。目的は化石を集めることにあるから単純なレースではないが、ドイツゲームの最新作で、しかもドーンという気鋭の作家が作ったゲームがパーティージョイ系になるというのは感慨深いものがあった。歴史は繰り返す、か。
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砂漠の王子(Im Reich der Wüsstensöhne / K.トイバー / コスモス, 2008)

砂漠の王子特殊能力でもう一丁

カタンシリーズも頭打ちとなってきたこの頃、トイバーはエントデッカーシリーズを発表している。元の『エントデッカー』は96年にゴルトジーバー社から発売され、2001年に新たな要素を加えた『ニューエントデッカー』がコスモス社から発売された。さらにカタン有限会社が2004年に2人用の『オセアニア』を発売。昨年には『玉の女神』が発売されたらしいが、レビューも1つしかなくメーカーサイトにも掲載されていないので真偽は定かではない。そして今年、このゲームが発売された。シリーズ通算5作目というわけである。どのゲームも基本はタイルをめくって絵をあわせ、島を広げていくシステムで貫かれている。
 十字型になった最初の通路の上をキャラバンで移動し、好きなところから探検を始める。タイルを引いて絵が合えば置き、オアシスだったら自分のコマも置ける。オアシスが完成したら、そのオアシスで手に入るアイテムを、コマの大きい人から選べる。
 ゲームのポイントの1番目は水の滴コマだ。オアシスで最初にアイテムを選べる権利を取るだけでなく、追加手番やキャラバンのワープ、ほかの人がキープしているタイルの奪取に使うことができる。数は限られているので無駄遣いできない。効果的なタイミングで使い、適宜補充しておきたい。
 もう1つのポイントは各コマの大きさが全部違うということ。どのコマを置くかによって選ぶ順番が変わるので駆け引きがある。ターバンをかぶったコマは無条件で一番になるが、使うたびにとなりの人に回される。相手のコマの状況を見ながら相乗りするか、それとも単独で探検するかを決めよう。
 獲得したアイテムを最後に精算するが、中には各アイテムの価値を高下させる「噂チップ」もある。自分が集めているものの価値を上げ、そうでないものは下げる。これが基本だがブラフをかけているとしたら? タイルの価値は最後まで明かされないので、誰が勝つかはふたを開けてのお楽しみというところである。
 宝石一筋で宝石の価値も高かったITAXさんが勝利。私はラクダが足りなくてアイテムを2度捨てなければならず、失敗した。狭いエリアで狙ったタイルを引けるかどうかの賭けもあり、少し先のことを考えてアイテムの価値やラクダを用意する戦略性あり、同じオアシスを取り合う戦争あり、いろいろな面白さがいっぱいつまったゲームである。さすがトイバー。
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おっとっとラマ(Hoppla Lama / R.フラガ / ゴルトジーバー, 2003)

おっとっとラマ焼けただれて振り出しに戻る

ゲーム内容はこちら。6人だと一か八かというところだが、その分ワイワイ盛り上がれるのでよい。1回目はなんと1歩も進めず最下位。2回目は最初から独走したのでイヤな予感がしていたが、バッティングした次点で予想外に進み、ジュ~(火山に落ちて焼ける音)。最後は袋からエサがなくなって終了だが、そのタイミングには計算がある。トップのエサが一番少ないのを見て、3歩後退させ代わってトップに躍り出たタナカマさんの勝利。

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