ゲームマーケット前日のゲーム会。大阪から骨折ゲームズのbone5さん、ゲームマーケット前日で体力配分中のmoonさん、今年も会場設営から行く予定のかゆかゆさんと4名。ゲームマーケットで発売されるニュルンベルクの新作を遊んだ。
ガラガラヘビ|ノイラント|メトロポリィス|魔法にかかったみたい|チェンジホース
ガラガラヘビ(Rattlesnake / R.メグリオ / ネクサス出版, 2007)
ガマンの限界
強力な磁石になっているガラガラヘビの卵を、くっつかないようにボード上に配置するゲーム。
ダイスを振って、対応するヘビの上にタマゴを置く。磁石は『ベッポ』に使われている磁石くらい強力で、しかもタマゴが転がるようにできているものだから、タマゴの上を少しかすめただけでもうゆらゆらし始める。だからボードの端のほうからそっと置かないといけないくらいだ。手持ちの磁石もボードから結構離しておかないとまずい。まるでヘビが生きているような感じ。
くっついた磁石は引き取らなければならず、手持ちを全てなくした人の勝ち。すでにボード上に置かれた磁石を反対の極を使ってずらすという高等テクニックも可能だが、写真ぐらいいっぱい置かれると(これがほぼ限界)、それもできない。観察力と慎重さが要求されるゲームだった。
ノイラント(Neuland / P.エッゲルト、T.シュターペルフェルト / エッゲルトシュピーレ, 2008)
材料を求めてあっちからこっちへ
材料を次々と変換して指定された建物に届ける生産&輸送ゲーム。2004年のエッセンで限定300部が発売されていたが、メーカーのエッゲルトシュピーレが成長しリメイクされることになった。
はじめプレイヤーが持っているのは無から食料を生み出す「狩人小屋」と食料を木材にする「きこり小屋」だけである。この2つの建物で木材を作り、まずはその木材から新しい建物を作ろう。食料を石材にする「石切り場」を作れば、その石材からさらに高級な建物ができる。建物には食料を鉱石にする「鉱山」、木材を炭にする「炭小屋」、鉱石と炭を金属にする「精錬所」、金属と炭を工具にする「鍛冶屋」などがあり、材料をどんどん変換して品物を生み出す。
できあがった品物は「資産」と呼ばれる建物(これも石材で作らなければならない)に届け、難易度に応じた数の紋章を置くことが許される。手持ちの紋章を最初に全部置いた人が勝ち。ボード全体が工場と市場になっているというわけだ。
ゲームはアクションポイント制で、変換する建物が遠いと輸送コストがかかってしまう。建物の建設時から生産ラインをよく考えておかなくてはならない。またほかの人が使用中の建物はブロックされる上に、2手番以内に変換できなかった材料は消えてしまうので計画性も必要になる。
これだけでも楽しいシステムだが、さらに使用できるアクションポイントにも工夫がある。『テーベの東』のように、アクションポイントをあまり使わないと次の手番が早く回ってくるのだ。資産に置く紋章は早い者勝ち。ほかの人が別の生産ラインで同じ品物を作ってきて、先を越されるとせっかくの苦労も水の泡になってしまう。無駄なコストを減らすのはもちろん、あえて生産途中でアクションをやめておくという戦略もありうる。運の要素はほとんどないから、ほかの人の行動の予測も立てやすい。
終盤は誰が上がってもおかしくない状況になったが、私のアクションポイントが足りず、次の手番でmoonさんが最後の紋章を置いて勝利。終盤はお互いに建物をブロックしあう厳しい展開になった。手番になってから考えることが多くプレイ時間は150分。楽しいけれどもかなり重いゲームである。
メトロポリィス(Metropolys / S.ポーション / イスタリ, 2008)
先に高い建物を使わせる
ゲーム内容はこちら。上級ルールでプレイしたがプレイ感はあまり変わらない。ただ橋の両側ボーナスは点数が低いけれどもそれを補って余りあるほどやや取りやすい(袋小路が生まれやすいため)のではないかという感想があった。発掘現場でマイナスを取りつつも、そのボーナスでmoonさんの勝利。
上級ルールのエリアボーナスやカラーボーナスはよいルールなので、地形ボーナスだけ初級ルールのボーナスカードと入れ替えてやってみたらどうだろうか。
各自の建物が少なくなる終盤は、何を出せばどうなって、次のラウンドがどうなって、さらにその次のラウンドが……と考えやすいのでどうしても皆無口になってしまう。でもその前に、相手のボーナスを予想して、ほしそうなブロックに誘導し、いかに高い建物を使わせるかが勝敗の重要な決め手になりそうだ。心理戦の要素もあるようだ。
魔法にかかったみたい(Wie verhext! / A.ペリカン / アレア, 2008)
いかにかぶらないか
ゲーム内容はこちら。4月のメビウス便で発売されたので、近々一般発売されるだろう。人数が増えると当然バッティングも増えるので最大人数の5人が一番きついわけだが、3人や4人でもお互いのリソースをにらみ合って行動を予測し合えば十分楽しむことができる。
今回は経験者の利を生かしてほかの3人があまり使わない巾着きりと物乞い道士で圧勝。ほかの人のリソースをくすねて得点にするこの2つの職業は、バッティングしても盗まれるものを減らすという効果があるので防御のために選んでおくのも重要だと思う。
ほかにも金を試験管にする占い師あたりがみんな狙わないので通りやすいが、得点への変換効率はその分よくないのでよしあしといったところ。効果の微妙な傾斜が選択に影響を及ぼすところがとっても面白い。
チェンジホース(Change Horses / B.ホワイトヒル / エッゲルトシュピーレ,2008)
最終ラウンドの波乱
ゲーム内容はこちら。今回は最終ラウンドでbone5さんがどうしようもなくなってチェンジホースをしたが、ハズレを引いて沈没。かわって序盤に大きく馬を進めさせていた私がマークをかわして勝利。
ジョーカーカードの「後ろから2マスにいる馬は全部2マス進む」という効果が不評である。1,2マスを争っている最終ラウンドにいきなりこれではゲームが本当に読めない。ほかの効果は概ね問題ないので、この効果だけなしにしてやってみることをお勧めする。