テストプレイやゲームの受け渡しなどで急きょ自宅ゲーム会を開きました。調整の結果水曜日になったので秋葉原水曜日の会にいけなかったのは残念ですが、子どもゲームから国産ゲームまで幅広く遊べて満足しました。(今回のレポートはいつもと気分を変えてですます調で行ってみます。)
ネズミダイス|メイクンブレイクミニ|宝の滝|ダウンアンダー|たいまつとこん棒|キモダメシ|クロノス|交易王
ネズミダイス(Mäuse Würfeln / V.チャーベス / ラベンスバーガー, 2000)
探していたネズミさんあった!
ダイスを振ってネズミを集める子どもゲーム。目標は同じ色のネズミチップを7枚集めることです。
8つのチーズダイスにランダムにチップを詰めてジャララーっと振ります。チップが入っている面が上になったらそのチップを確保。残ったダイスで2回目のチャレンジができます。振るのをやめた時点で確保したチップが自分のものになります。振っているうちにチップの入っている面が出なかったらバーストで、それまで確保したチップもパー! 自分の欲張りを悔やみましょう。
白ネズミのチップはほかの人から好きなチップを奪い取れるジョーカーです。いっぱい集めなくても、とにかく1色だけ集めればいいのですから、何色を集めているか考えてやめるタイミングを決めるのがよいでしょう。
チーズを模した特別サイコロはチップの面が軽くてちょっとだけ出やすくなっているような気がします。でもあまり強気になってはいけません。何しろ6分の1の確率なのですから。
最後の1振りで逆転にかけましたがバーストしてしまいアウト。次の番で米出さんが上がりました。
メイクンブレイクミニ(Make ‘n’ Break Mini / A.&J.アンドリュー / ラベンスバーガー, 2007)
こっちのほうがいいかな
制限時間内にカードに指示されたとおりに積み木を組み立てるアクションゲーム。難易度を高めたEXに続いて、今度は小型化しました。積み木も小さくなり、ブレイクするときガシャーン!という前のようなダイナミックさがなくなりましたが、その分指先の器用さが問われます。
前のはジージーとバネで動くタイマーが入っていましたが、今度はサイコロです。タイマーは壊れやすいという欠点もあったのでよい変更ですね。1人が組み立てている間、ほかの人はサイコロを振って出た目を足していきます。合計が15になったらタイムオーバーというわけです。サイコロは1~3までで空白の目もあるので15になるまでには1問か2問、うまくいけば3問は完成できるでしょう。「8……10……11……14……」とカウントアップされると焦ってしまうのがいい感じです。
というわけで前の版よりも値段もお手頃でサイコロの仕掛けも楽しく、「これで十分」というより「こっちのほうがいい」と思いました。サイコロに惑わされない集中力で勝利。
宝の滝(Flusspiraten / G.バース / ラベンスバーガー, 2004)
落としちゃいけないコインゲーム
ゲームセンターによくあるコインゲーム。あるいはお菓子やアクセサリーなんかを落として箱から出すゲーム。その原理を使ったゲームです。ここは宝箱がぷかぷか浮いている滝つぼ。水に浮いているなんて、きっと紙幣でも入ってるんでしょうね。サイコロを振って、その数だけコインを後ろから入れます。そして棒でぐぐーっと押すとコインが押し出されていきます。コインの上に乗っている宝がだんだん滝つぼに近づいていき……。
ここで意外な展開。落とした人がもらえると思ったら大間違いです。落とした宝箱は右どなりの人のもの。つまり落とさないことが大事なのです。右のほうにコインを入れたら落ちないかな、それとも左? でもコインがお互いを押し合う動きは複雑でなかなか思い通りには行きません。そのうち我慢しきれなくなってジャラジャラジャラーと宝が滝つぼへ。右どなりの人は大喜びです。
宝箱は色によって得点が異なります。中には10000円札が入っているものから10万ジンバブエドル札のものまでいろいろあるんでしょう。ちょっとしか宝箱をもらえなくても、価値が高ければ勝つこともあります。
ここぞというところでサイコロで大きい数が出るんですよね。それでいい宝箱も悪い宝箱もたくさん米出さんに持っていかれてしまいました。負け。
ダウンアンダー(Down Under / G.コルネット / バンブスシュピーレ, 2007)
アボリジニの模様をつなげる
自分の色のラインをできるだけ長く、そして随所に動物をちりばめながら伸ばしていくタイル配置ゲーム。もとは『蛇の巣(Schlagennest、1995)』というゲームでしたが、昨年の秋にテーマを新しくして再販されました。タイルを裏返すと別のゲームも遊べるという、一粒で二度美味しいゲームです。イラストレーターは、同社の『グリーンタウン』に続き日本人の佐藤朗さん。
基本は自分の色のラインに自分の色がつながるようタイルを選んで置くのですが、灰色のラインにうまくつなげられるとそこから灰色を延ばせるようになります。灰色のラインには動物が描いてあって、揃えるとボーナスが入ります。でもウサギはマイナス。マイナスを解消するには、インパラを置かなければなりません。
ただしほかの人のラインとつながってはいけません。そのため相手のラインの端が近づくとタイルの置き方によってまた自分の色に戻さなければいけないことがあります。相手が譲らざるを得ないような局面をうまく作れるかも腕の見せ所になるでしょう。
最後は長さにボーナスを加えて合計で勝負します。長くするには「の」の字を描くようにぐるぐる旋回するのがいいみたいです。
かゆかゆさんが有利な局面をたくさん作ってダントツ1位。私は灰色にすることすらほとんどできませんでした。手持ちからどのタイルを出してもいいので選択の幅が広く、その分先の先を読む力が試されるゲームです。
たいまつとこん棒(Fackel+Keule / M.ベンケンドルフ / シュピールラボ, 2007)
狩るかと思えば後ろから殴られ
原始時代の狩りをテーマにした手軽で笑えるカードゲームです。獲物が現れたので皆で狩りに行きます。力を合わせて狩りが成功すればいいのですが、失敗したときは……。
みんなで手札からカードを好きなだけ出して一斉にオープン。獲物カードに描かれているだけの武器が出ていれば狩りが成功して骨や肉を分配します。取るのは武器をたくさん出した人、つまり狩りに一番貢献した人から。狩りにぜんぜん貢献していなくても分け前をもらえます。
問題は武器が揃わずに狩りが失敗したとき。このときはこん棒カードでケンカです。一番多くこん棒カードを出した人が、頭蓋骨をゲットし(人食い人種だったんですね)、さらにこん棒カードの少ない人から好きなチップをひとつ奪います。
武器もこん棒も一緒に出すので、中には最初から狩りなどやる気がなく、わざと失敗に終わらせて仲間の頭蓋骨を奪おうとしている輩も当然出てきます。しかもそれが1人じゃなく2人もいたら、お前らマジメにやれ!と叫びたい気分になります。といいつつ自分もこん棒をしのばせておいたりして。いやいや護身用ですよ、護身用。
そんなやる気のない狩人が私とかゆかゆさん。こん棒がこない米出さんはさんざんむしり取られました。中ぐらいの動物の狩りではそこそこ成功して、かゆかゆさんがダントツ1位。「またこん棒ですか!」「そっちもこん棒じゃないですか」こうして狩りはなかなか成功しないのでした。笑。
キモダメシ(Kimodameshi / H.ハル / イエローサブマリン, 2008)
ずいぶん進んだと思ったのに
墓場を抜けてお堂にたどりつき、無事お札を持って帰れるでしょうか。途中にはキモいモンスターがうようよしていますよ。そして何より危険なのは、目隠しで進まなければならないことです……。夜トイレに行けなくなりそうな怖いボードゲームが、よりによってこんな真冬に発売されました。フーゴ・ハル氏のゲームは『ヒュドラ』、『たぶらか』、『Potatoでチョ!』、『Allthe King’s men』に続いて5作目。
コマは五円玉。進み方がかなりイカしてます。目標地点を宣言して五円玉の上に指を乗せ、目を閉じます。ここからは手探り状態。頭に描いたコースに沿って五円玉を進めるのです。コースアウトせず、途中の障害物である墓石にもぶつからず、目標地点に進めることができたらOK。失敗すると「きもポイント」を失ってしまいます。
欲張って遠くを目標地点にしてもいいのですが、その分成功率は下がるでしょう。意外なことですが、目を閉じると2~3センチの移動でも不安になるのです。ましてや途中で曲がったりカーブしたりとなれば難易度アップ。少しずつ着実に進んだほうが早いこともあります。特にお堂の近くは墓石もたくさん並んでいておしっこがもれそうなくらい怖いコースです。
途中で誤って「怪」のマスに止まったらカードを引かなければなりません。そこにはどれも怖い魑魅魍魎(「おかん」とか「首なし美少女」とか)が出てきて、きもポイントを奪われます。ポイントが0になったら戻ってやり直し。
序盤順調に進んでいた私ですが、きもポイントをなかなか回復できず堂々巡りに入ってしまいます。そのうち米出さんとかゆかゆさんがお札を取って帰ってきました。米出さんのお札はサイコロで進めるものでしたが、「怪」のマスに止まってしまうのでなかなか使えません。かゆかゆさんのお札はコースアウトしてもよいというもので、これでショートカットを敢行してぐいぐいゴールに入ります。フィニッシュは「おぼろ提灯」で案内させてゴール。私は5円玉でしたが、米出さんとかゆかゆさんは50円玉だったので狭いコースを回りやすかったのではないかと(負け惜しみ)。ともかくほかのゲームにない斬新な仕掛けでとても楽しめました。
クロノス(Khronos / L.ヴィアラ、A.ウルボン / マタゴー, 2006)
タイムパラドックスで
3つの時代を旅するタイムトラベラー。それぞれの時代で建物を作り、街を大きくしてお金を儲けるのが目標です。面白いのは、前の時代に建物を作ると、その後の時代に同じ場所に同じ建物が突如として出現すること。そこに別の建物があった場合、タイムパラドックスが生じたことになって消滅してしまいます。この仕組みをうまく利用してほかの人の建物を消したり、自分の領地を広げたりしましょう。
手番には4枚のカードを使って各時代に建物を建てるだけです。たった7回の手番でゲームが終わってしまいます。ですがどの建物をどこに建てるかは3つの時代全部を見ながら考えるので生易しいものではありません。必然的に長考を余儀なくされるでしょう。
建物がいくつかまとまると領地を形成します。第4、第7ラウンドにはそれぞれの領地を支配している人が税収を受け取ります。最初の「力の時代」は領地の中で一番大きいオレンジのタイル(城)を建てた人が支配でき、次の「信仰の時代」では一番大きい紫のタイル(宗教施設)を立てた人が支配。最後の「理性の時代」ではコマ(入植者)の多い人が支配したことになります。領地が広がるにつれて合併も起こり、場面がダイナミックに変化していくでしょう。その中でどうしたら一番収入が増えるかをよく考えなければなりません。
信仰の時代で自分の街を反映させたかゆかゆさんが私の時空テロをかわして逃げ切り優勝。私は理性の時代で廃墟をせっせと修復してもうけたが及びませんでした。力の時代を中心に広げた米出さんは手がやや遅くて後の時代にあまり影響を及ぼせなかったようです。領土の支配について細かいルールがやや煩雑ですが、3つのボードがいつも連携して動いていくという斬新なアイデアで、それを補って余りある面白さを味わえました。
交易王(Handelsfürsten / R.クニツィア / ペガサスシュピーレ, 2007)
ゲーム内容はこちら。これで3回目ですが駆け引きあり、カード運あり、マネージメントありで30分以内で終わるいいゲームです。ユーロ高の今、コンポーネントがコンパクトで安価なのも好感。
スタートダッシュが遅れて商館を取れず、船と港湾労働者で挽回しようとしましたがいいカードを引けませんでした。米出さんは契約書で小さい利益を重ねましたが、そのうちかゆかゆさんが3隻全部レモンにした上で6枚全部レモンを出すという荒技を見せ、ダントツ1位。よいまだ誰も試していませんが、商館と港湾労働者という組み合わせも強そうです。