秋葉原ゲーム会 08/02/25

秋葉原ゲーム会 08/02/25

ゲームマーケットまであと2ヶ月となり、出展者の準備もそろそろ本格的になる時期である。今年もどんな新作が出るのか楽しみだ。そんな中、「アトラデザイン」で出展予定のkaaaiさんの新作テストプレイを引き受ける。夕方から秋葉原のイエローサブマリンで落ち合って閉店までみっちり。人が集まるまでの間、もう1ゲーム遊ばせてもらって充実のひとときであった。
 ゲームマーケットには毎年思い思いの創作ゲームが発表されるが、よく起こるのが「ルールが分からなくて遊べなかった」という感想。制作者がルールを執筆する時間が多く取れないこと、印刷代を節約しようと紙面を凝縮してしまうこと、何度もテストプレイしているうちにできる暗黙の了解が多くなってしまうことなどが原因だが、売るほうも買うほうも悲惨である。このため作者のインストなしで説明書だけから遊べるかのテストが必要だ。
 ほかには特定の戦略が強すぎないかのチェック、機能していないルールの削除、タイブレイクなど細かなポイントの追加など。どんなに斬新なアイデアでも、こういう基本的な部分をクリアしていないとそれだけでダメ印を押されてしまうものだ。厳しいものである。
 でもその厳しさは意欲的な新作に対するボードゲーム愛好者の強い期待の裏返しでもあるだろう。制作者の皆さん、今年もよろしくお願いします。

トラッカーズバトルロア

トラッカーズ(Truckers / 藤原快 / アトラデザイン, 2008(4月予定))

トラッカーズほしい荷物はそこに!

荷物を集めてトラックに積み込むゲーム。アトラデザインはバスやトラック業界の制作会社。新規事業としてオリジナルゲームを制作中である。TGF(テーブルゲームフェスティバル)に試作品を出すなどテストプレイを重ねてきており、『ズーロレット』の作者シャハトを髣髴とさせるような切れ味鋭いゲームに仕上がっている。
 カードを一斉に出して先頭のトラックから進み、止まったところの荷物タイルを取る。同じマスに止まってしまった場合は後から来た人が勝ち。あのタイルを取りたい。でも後続のトラックも狙っているかも。それじゃ裏をかいて別のタイルに? いやいやもしかしてこっちを狙っているのか。だとすると……あー分かんない! こんなバッティングをめぐる読み合いが面白い。
 取った荷物は、進む代わりに自分のトラックに積み込むことができる。ちゃんと積んだ荷物でないと得点にならないばかりでなく、最後まで積み込まなかった荷物やひとつも積み込んでいないトラックは失点になってしまうのだ。しかも1度に積めるのは1種類全部か2種類1枚ずつだけ。積んだ後にまた同じ荷物を取るのでは非効率。積み込むタイミングが難しい。なお積めない荷物は交渉してほかの人にあげたり交換したりもできる。
 1周するたびにトラックを増やすことができる。少数に絞ってたくさん集めるか、全体を満遍なく集めるかの戦略によってトラックの数を考えなければならない。
 誰かが3周するとゲーム終了で得点計算になる。種類ごとに一番多く積み込んだ人、トラックの積載量ピッタリ賞、全種類コンプリートなどにボーナスが与えられ、その合計を競う。1枚のタイルで得点が変わる3周目は駆け引きが熱い。
 このように心理的駆け引きやジレンマの選択をたっぷり盛り込んだ作品。横山光輝風のイラストが楽しげで箱絵もきれいで発売が楽しみである。

バトルロア(Battle Lore / R.ボーグ / デイズ・オブ・ワンダー, 2006)

バトルロア大量の戦士がガチで衝突

たくさんのミニチュアフィギュアを使ったシミュレーション系ボードゲーム。2人専用で戦闘の解決はダイスというシミュレーションゲームの基本に加え、特殊カードがあってボードゲームの味わいもある。
 いくつもシナリオがあるが、目標は相手の部隊を決まった数だけ先に撃破すること。カードを出して行動する部隊を選び、移動して攻撃する。各部隊の数はヒットポイントを表しており、1つ当たるごとに1人ずつ倒して全滅させればポイントになる。
 部隊には緑・青・赤の3種類があり、前者は移動力が高いが攻撃力(振れるダイスの数)が低く、後者ほど移動力が落ちて攻撃力が上がる。シナリオごとに決められている初期配置では赤の部隊が後方にあり、いかにうまく前線に運んでくるかが勝敗の決め手になりそうだ。
 ほかにも馬上に乗っている騎士や丘の上、2部隊と隣接している部隊などは防御力が上がるので位置取りが大事だ。編隊を崩さないように行動したい。
 さてこのゲームの醍醐味は魔法の打ち合いだろう。毎回少しずつ貯まっていく「ロア」というチップを消費して、魔法カードを使うことができる。移動力や攻撃力を上げたりするだけでなく、雷を落として連鎖する部隊を攻撃したり、丘の上に地震を起こしたりと恐ろしい飛び道具になる。
 kaaaiさんの彩色したフィギュアが並ぶだけでワクワクしてくる。戦闘は両翼で弓矢やボーガンが炸裂し有利に進めていたものの、kaaaiさんの赤の兵隊が中央突破してきて壁を次々と撃破され、最後の頼みの綱であったクリーチャー巨大グモがやられて敗北。時間は慣れていないにもかかわらず小一時間ぐらい。続けてもう一戦やってもいいくらいである。カードには日本語シールが必要だが意外に軽い。kaaaiさんはお子さんと遊んでいるというほどだ。

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