山形ゲームコンベンション 05/08/20-21

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山形ゲームコンベンション 05/08/20-21

2003年から始まり、お正月とお盆の恒例となった温泉ゲーム会。今回で6回目となる。宿泊費は入湯料込みで素泊まり2000円、夕食・酒代は自炊のため1000円程度というリーズナブルな参加費と、山奥の一戸建て貸切なので周りを気にせず深夜まで騒げる開放感がウリだ。今回の参加者はmuraさん、Showさん、上野さん、Stさん、nagaさん、神尾さん、QTAさん、かゆかゆさん、カワサキさん、そして私のちょうど10人。関東・仙台、県内でも庄内・村山と皆さん遠いところからの参加だが仕事や地元でのゲーム会を工面していつも駆けつけて下さり、こうした交流ができることがとてもありがたい。
 夕食はmuraさん特製の芋煮(牛肉・しょうゆ味の内陸風)に、私がインドから買ってきたルーを使ったカレー「チキン・コラプーリ」、塩釜からクール宅急便で届いた生イカのポッポ焼きに馬肉チャーシュー。ビール、日本酒は潤沢に。いつもながら夢のようなひととき。ゲームの後はよもやま話モードになり、気がつけば朝の5時になっていた。
 ゲームがもとで知り合った人はどうしてもゲームのことに終始しがちだが、何度か寝食をともにしていればだんだんと打ち解けてきて旧友のような付き合いになってくる。すると次のゲーム、次のゲームとガツガツせずに余裕をもって遊べるようになり、落ち着いた目でゲームを見ることもできる。そのような交流を重ねるのにも、この温泉ゲーム会はこの先もずっと続いていったらいいなと思う。

UFOエル・カバレロひとつかみヘックメックキャメロットの影東インド会社

UFO(U.F.O.s / A.R.ムーン / ザラゲームズ, 1992)

UFOトリックテイキングって、本当にいいものですね

 一昔前に発売されていたA.R.ムーンのトリックテイキング・カードゲーム。はじめに持ち点を使い、どの色を切り札にするか競りで決める。競り落とすのに使った持ち点は無事回収できるか?

 まず配られた手札を見てどの色を切り札にしたいか選ぶ。もちろん通常は手札に多くある色を切り札にするのがよい。色が偏っておらず数字が大きかったら「切り札なし」という選択もありだ。切り札にしたい色のカードを裏向きに出して、競り開始。持ち点を1点払えば、競りの途中で他の人が何を出したか見ることもできる。誰かが同じ切り札を狙っているんだったら、敢えて競り上げる必要はない。
 競りで勝った人は言った分だけ持ち点を払い、切り札を公開する。そしてトリックテイキングのスタートだ。通常は1トリック1点、競りで勝った人は2点。だから競り勝ったら、ばんばん切り札を駆使して大量得点を挙げたいものだが、そうは問屋が卸すかどうか。思惑が外れると、競りで払った持ち点を回収できず赤字なんてことも。競りで負けた方が儲かっていたなんてことがあるかもしれない。
 さて、手札を見ると弱い数字のカードばかりでどう見ても勝てなさそうなときがある。そんなときはマイナスカードで競りに勝ってみよう。マイナスカードがあるラウンドでは、獲得したトリックが最も少ない人に、やむを得ず一番多く取ってしまった人の分だけ点数が入る。競りで勝ってトリックが最も少なければ得点は2倍。反対に一番多く取ってしまった人はその分だけ持ち点が引かれるから、一発逆転もありえる。この「できるだけトリックを取らないラウンド」の興奮度はまた格別だ。

 つくづくトリックテイキングへの習熟度が要求されるゲームだった。手札を見てだいたい何トリック取れそうか、ある程度予想して競りにビッドしていかなければならない。トリックを見積もるタイプのゲームはヴァス・シュティッヒポートロイヤル七つの印などあるが、いずれも日本人には敷居が高い。今回も初回は競りの相場がなかなか見えてこなくて、続けて2ゲーム行うことでやっと呑み込めてきた。2回目は相当シビアな展開になり、一発逆転でマイナスカードにかけたが痛恨の1トリックでふいに。0トリックだったmuraさんたちに持っていかれてしまった。手札が潤沢なときはやりたい放題暴れまわり、数々のままならない状況でもいかに最善をつくすか考えさせられるという、いろいろな角度で楽しめる素晴らしいカードゲームだ。日本で一般受けするとはあまり思わないけれども。

エル・カバレロ(El Caballero / W.クラマー、R.ウルリヒ / HiG, )

エル・カバレロ大きい島は、誰のものにもならない

 1996年のドイツ年間ゲーム大賞を授賞したエル・グランデの後継として3年後に発売されたタイル配置ゲーム。作者も同じクラマーとウルリヒで、ノミネート入りを果たした。同じハンス社からタイル配置ゲームの大ヒット作カルカソンヌが発売されるのは2年後のこと。比べてみれば数々の類似性が見られるが、カルカソンヌとは比べ物にならない戦略性を要する。

 基本は地形タイルを置き、その隣りに騎士タイルや船を置いて占有権を主張する。地形には陸と海だけがあり、陸は広さに応じて騎士の数が多いほうから得点、海も広さに応じて船で得点になる。金のマークがある陸、魚のマークがある海はそれぞれ+1ポイント。ここまではカルカソンヌとほぼ同じと言っていいだろう。
 これにエル・グランデで採用された順番システムがくる。すなわち、順番決めのカードを出していって、数字の多いカードを出した人から手番を行うのだ。そして数字の多い人は補充できる騎士が少なくなり、数字の少ない人ほど騎士がたくさん補充できるようになっている。一手を争う場面、引いて騎士を蓄えられる場面を見極めなくてはならない。この駆け引きがゲームに深みを持たせている。
 さらに、一度置かれた騎士タイルは決して安泰ではない。騎士タイルが影響を及ぼすことができるのは陸の一面だけ。二つの陸に接することになってしまった場合、強制的に除去されてしまうのである。だから新たに陸タイルをつなげて、他人の騎士を除去しまくる。こうして大きい島は取った取られたの激しい争いが始まり、お互い除去しあった挙句しまいには無人島になってしまうことも。除去されないようにするには、小さい島で満足するかタイルの配置を工夫しておかなければならない。順番も先手を取るか後手を取るか考えるところだ。
 中間決算と終了決算があり、陸を制した人と海に繰り出した人がそれぞれ得点を得る。騎士を守ることはできるか、島や海を広げることができるか、決算の直前は知力をつくした熱い戦いになるだろう。発展ルールでは騎士タイルを除去されないようにする「大公」、占有力を高める「領主」が入り、さらに戦略性が上げられるようになっている。

 今回は基本ルールでチャレンジ。中間決算で大島をものにした私がその差で逃げ切り。nagaさんは最終決算でさらに肥大化した大島を得ようとしたが、残る3人の執拗な妨害にあって撤退。そして大島は無人島となってしまった。タイルが選択できるようになっており、どのタイルがほしいのか、誰がどのタイルを取りそうかまで考えるほどで運の要素は極力おさえられている。この頃、こういう歯ごたえのあるゲームってこの頃少なくなったよなあ、と思わせられるよいゲームだった。

ひとつかみ(Alles im Griff / L.ドルフィ、L.フェリーニ / アミーゴ, 2002)

帽子は辛うじて捨てられたが、ザル、シャツ、カバンが残っている。実はさらにシャツの下にも小さい荷物が隠れていたりして… ひとつかみ

ありえない組み合わせで

 アミーゴにはコンチェルト・グロッソというバカゲーがあるが、その上をいくバカゲーが発売されていた。カードに指示されたものを片手でもちながら遊ぶヘンなゲーム。あまりにヘンすぎて全く売れなかったらしく、日本に入る前に消えてしまった。
 荷物カードにはカバン、帽子、鍋、傘、スリッパなど、どこの家庭にもありそうなものが描かれている。全員3枚引いて、そこに描かれた品を手にもったらスタート。利き腕と反対の手でもつのがルールだ。ドライヤーと手帳と、靴? シャツと牛乳と、時計? そのありえない組み合わせにまず笑う。いや、そんなヘンなものをもって呆然と立ちすくんでいる姿に笑う。ちなみにゲームの目的は、荷物を崩さないようにもつこと、ではなくて全部なくすことだった(途中落としてしまっても拾って続行する)。
 ゲームはテーブルの中央に並べた指示カードの上にコマを置き、サイコロを振って回っていく。他の人のコマがあるマスに入れば自分の持ち物を1つプレゼントできる。指示カードには新しい荷物カードを引く、左どなりの人にプレゼント、誰かと荷物交換などがあり、手持ちの荷物はどんどん変わっていく。運よく新しく引いた荷物カードに自分のもっている荷物があったら場に捨てることができる。
 傘の先にカバンを下げ、鍋にドライヤーを入れ、枕の上に靴を乗せてもっているさまはかなりシュールといわざるを得ない。はじめはそれがおかしくて笑っていたが、利き腕と反対の手でもっているためだんだん疲れてヘロヘロになってくる。こうなると連帯責任を取らされている野球部員の罰ゲームのような様相。しまいには「その荷物はオレが引き取るから早く終わらせてくれ!」……こんな協力プレイに。無事終わったときは汗とともに妙な達成感を感じた。バンザーイ。
 この後、温泉に入ってめいめいが腕の疲れを癒したのは言うまでもない。

ヘックメック(Heckmeck am Bratwurmeck / R.クニツィア / ツォッホ, 2005)

ヘックメック欲張りすぎはダメ、でも欲張らなければ敗北

 美しいドミノタイルに描かれたイモムシたち。ニワトリがこいつらを何匹食えるかサイコロで競いあうという、どこかイカレタ設定のゲームだ。クニツィアの作品としてはライトな部類に属する。7人まで遊べることもあって、多人数ゲームの新作としてはダイヤモンドと並んで代表的と言えるだろう。
 ダイスを振って、出た目から1種類を選んで残す。6はないので5がたくさん出れば嬉しいなといったところ。残ったダイスを振り直し、再び出た目から1種類を残す。すでに選んだ目は×。ほどよいところで振り直すのを止め、その時点での合計数でイモムシタイルを獲得する。
 6の目の代わりにイモムシマークがあり、タイルを獲得するには必ず出さなければならない。イモムシマークが最後まで出なかったり、すでに選んだ目しか出なかったり、合計数が及ばなければアウトとなり、何も獲得できないどころか、前に取ったタイルを返却しなければならなくなってしまう。
 これだけでも相当なギャンブルゲームだが、誰かが取ったタイルとピッタリ同じ合計数になったら、その人からタイルを奪うこともできる。奪われないようにするには、できるだけ高い合計数のタイルを取っておきたいわけだが、そこにはリスクが伴って……おお、ジレンマがここに。さあ、ジレンマを克服するには気合でダイスを振るしかない!
 私は序盤イモムシマークが出なくて苦しんだが、後半でいきなり5が連続して高価なタイルをゲットし1位。順調なように見えても1回のアウトで全財産を失ってしまうのだから怖い。そのあたりの浮き沈みの激しさがよしあしだろうか。もちろん、ダイスを振る手に力が入ってしまうエキサイティング度は申し分ない。

キャメロットの影(Shadows over Camelot / B.カタラ、S.ラジェ / DoW, 2005)

ランスロットの戦いに勇んで旅立ったが、痛恨の敗北を食らって城でへこんでいるmuraさん(青)。今考えれば裏切り者のしわざだった キャメロットの影

裏切り者か、おっちょこちょいか

ゲームの概要はこちら。一体一体成型の違うフィギュアといい、ボードやカードのイラストといい、コンポーネントの完成度はこのたびも参加者の心を捉えていた。
 6人プレイということで裏切り者あり。キャメロットカードの中に裏切り者カードを1枚だけ入れて、その中から1人1枚引く。カードは余分にあるので裏切り者が必ず入るとは限らない。裏切り者は誰か、そもそもいるのか? 騎士たちの間に疑心暗鬼が走る。
 裏切り者を見事告発できればよいのだが、みすみすしっぽを出すような真似はしない。忠実な騎士のふりをして、はじめはこっそりと、そして最後になって大胆に牙をむく。裏切り者がいなくてもつらいのに、その上裏切り者ににらみをきかせながら用心していくのはほとほと神経を使う。それがゲームに最後まで緊張感を与えることになる。
 今回の展開はというと、エクスカリバーと聖杯のクエストに早めに着手しながらも遅々として進まず、そのうちランスロットやら黒騎士でどんどんダメージをうけることに。後半にはクエストに失敗すると黒い剣が1本増えるカードが早々と出てしまい、一敗も許されない状況になってしまった。しかしあと一歩で勝てるかもしれないという薄い光明が見えかけてきた最後の最後、Showさんが裏切り者の正体を明かして破壊、悪の勝利となってしまった。中盤、エクスカリバーと聖杯のクエストで冗長な一進一退を繰り返していたことや、各自特殊能力に応じた活躍ができなかったことが敗因か。
 次々と危機が迫るため、高いテンションをキープしていられるのはこのゲームのよい点だ。円卓の騎士の話を知らなくても、正義と悪の戦いについつい熱中してしまう。しかし手番にできる選択肢が意外に多く、その中には明らかなミスもあるので、一人のミスが全体に響くと場の雰囲気が悪くなる。裏切り者探しも、単なるミスなのか故意なのか判然としがたいうちは難しい。しかし習熟してしまうと展開がワンパターンで退屈に思えてきたり、おかしな動きをしなくなるため、口ではいろいろ言えても裏切り者の告発はやはり難しい。こうして慣れるほど停滞感を感じるような気がした。そうならないためには、ロールプレイングとまでいかなくてもあーだこーだお喋りで盛り上げる必要があるだろう。

東インド会社(Ostindien Company / J.ヴァニーズ / ピアトニーク, 1996)

東インド会社昔の航海はギャンブルだったのね

絹、米、茶、胡椒……イギリスの国営企業・東インド会社は植民地時代の先駆けとなった。でも当時、船は安全な乗り物ではなく、また物資の価格もたえず変動する。自分の荷物を載せた船は無事イギリスにたどり着けるだろうか。
 はじめに物資カード6枚と移動カードが配られる。その内容を見て、どの船ならいけそうか考えながら物資を積む。誰がどの色の船に何を積んでいるかは、自分以外わからない。荷物が積み終わったら出航だ。手番にはダイスを振って物資の価格を変えたり船を進めたりし、次いで移動カードを出して船を進める。船は5艘あるがイギリスにたどり着けるのは3艘だけ。あとは海の藻屑になってしまう。
 積み込む物資を分けてリスクを分散したり、移動カードで手心を加えたりできるものの、ダイス運が強いためほとんどギャンブルゲーム。私は積み込む船がことごとく沈没するという悲しい展開でビリ、反対にダイスに恵まれて積み込んだ船をどんどんゴールさせたかゆかゆさんが1位となった。負けが込んでくると、1つの船にめいっぱい荷物を積んで一か八か賭けるという行動に出るため、その船が沈んで負けが込んでいくというあたりもギャンブルゲームらしい。勝っていても負けていても無謀は禁物という教訓、私はギャンブルに向いていないようだ。

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