王と枢機卿・デュエル|アルゴ|カタンの開拓者カードゲーム+ドラゴン&ウィザード|プレムプレム
王と枢機卿・デュエル(Kardinal & Koenig – Das Duell / M.Schacht / Spielaus Timbuktu 2002)
絶好の3人ゲームとして有名な「王と枢機卿」の2人用バリアント。シャハトがオリジナルブランド・ティンブクトゥから発表した専用シートを使います(本当は切り取って使うのですが切り取らなくても遊べました)。
基本は3人プレイで、1人がダミープレイヤー「王様」となります。王様の手札はオープンされており、自分の番が終わったら王様の手札からカードを出して王様のコマをボードに配置します。プレイヤーA→王様→プレイヤーB→王様→…という順序になります。
王様の点数は、色別に地域を支配している(=修道院がより多い)プレイヤーのものになります。たとえばフランスでプレイヤーAと王様の修道院が3つずつ、プレイヤーBが2つならば、王様の8点はプレイヤーAのものになります。プレイヤーAは自分の7点を加えて一挙16点も獲得できることになります。一方、プレイヤーBはたった3点…こういう事態にならないように、色別の地域をうまく支配すると共に、王様を効果的に配置していかなければなりません。
この他に「1回の手番で2つの国に置ける」「手札を交換」「王様を先に配置」という3つの特別アクションを、ゲーム中それぞれ1回ずつ行なうことができます。このタイミングをはかるのも悩みどころです。
同点1位、両取りのゴールデンパターンで康さんが圧勝。お互い意図せずに勝敗がついてしまうところが多く、もっと練りこみたいと思いました。
アルゴ(Algo / 算数オリンピック委員会 / 学研 2001)
相手の隠れた手札を推理してあてっこする国産のカードゲーム。数学者ピーター・フランクル、東京大学数学科の学生、算数オリンピック委員会が共同開発したというゲームです。箱にでかでかと「頭のよくなるゲーム」と書かれているので、てっきりドクター中松も入っているのかと思いました。
はじめ4枚のカードが配られます。カードは白と黒があり、それぞれ0~11までの番号が振られています。これを小さい順に並べて伏せておきます。同じ番号の場合、黒が小さいとみなします。
手番には1枚カードを引き、相手のカードを指定して数を言います。当たっていれば得点になり、さらに他のカードにチャレンジすることができます。外れていれば引いたカードをオープンして自分の手札に入れます。数字の小さい順になるように入れます。
最初はあてずっぽうだったのが、オープンのカードが間に入ってくるのでだんだん予想がついてきます。もちろん、自分の手札のカードを相手は持っていない訳ですから、それも絞り込みの材料になります。外れた場合には、その数ではないことが次のチャレンジへのヒントになります。それほど難しくない推理ですが、それなりの記憶力も要求され、確かに頭がよくなるかもしれません。
相手のカードを当てたとき、引き続きチャレンジをしないでやめるとカードを裏向きのまま手札に入れることができます。これも戦略上大事なときがあります。ルールは難しくなく、2~4人まで幅広く遊べる好ゲームです。先手後手、配牌の有利不利を解消するために、何ラウンドか行なうようになっており、戦果はチップで表します。
1回目は先手の私、2回目は先手の康さんが勝ちましたが、得失点差で私の勝利。同じ色の手札が並ぶと、ある時点から総めくりが始まるので恐かったです。
カタンの開拓者カードゲーム+ドラゴン&ウィザード(The Settlers of Catan – Card Game + Expansion Dragons & Wizards )
カタンの開拓者のカードゲームの拡張は5つ発売されており、メイフェアが全部まとめて1つにして発売しました。その中の「ドラゴン&ウィザード」はマジックパワーという新しい資源があり、他の拡張とは異なる雰囲気を味わうことができます。
マジックパワーを手に入れるには、まず開拓地を魔法の城塞にしなければなりません。魔法の城塞は資源を払えば建てることができます。それからウィザードを雇います。ウィザードは発展カードの山から拾ってきて、金(きん)などを支払って自分の地形カードの上に置きます。地形が1つつぶれることになるので注意が必要です。
ウィザードを雇うと、城塞に灯がともり、勝利ポイントが2点に上がります(いないときは1点)。そしてマジックパワーで呪文を唱えたり、ドラゴンを飼ったりできます。呪文にはダイスの目を決めたり、いやなイベントをキャンセルしたりするなど、それほど強力ではありませんがピリリとした効果があります。ドラゴンは騎士と同じ扱いですが、結構強いです。
拡張での勝利条件は13点です。ウィザードやドラゴンだけでは勝利ポイントにならず、結局都市を作って赤い色の建物を作っていくしかありません。呪文に夢中になってジリ貧になっていく中、健全に発展させた康さんの勝利。
プレムプレム(Plem Plem / W.Kramer / Schmidt 2001)
昨年発売されたクラマーのコミュニケーションゲーム。西湘ボードゲームサークルで「コミュニケーション&アクションゲーム特集」をするというのに触発されて個人輸入した一品です。コミュニケーションゲームはプレイヤーを選ぶことがありますが、このゲームは対象年齢が8歳以上と、敷居が低い方です。決して生易しくはありませんが。
ゲームの最初に各プレイヤーは自分の名前を作ります。適当な2つ名詞を組み合わせることになっています。康さんは「松風」、Mさんは「ティーカップコーヒーカップ」、Kさんは「フライパン枕」、私は「鳥取三郎」にしました。これだけでもう笑えます。ゲーム中、本名で読んだり、名前を間違うとペナルティーになります。
ゲームはサイコロを振ってコマを進め、そのマスのミニゲームをします。ミスした人にペナルティーのチップが配られ、誰かが8枚になった時点でチップの最も少ない人が勝ちます。
黄色いマスではボード中央にあるコマを早い者勝ちで取ります。コマはプレイヤーの数より一つ少ない椅子とりゲームで、取れなかった人はペナルティーです。これはサイコロが振られた瞬間に取ります。もちろん間違って取った人もペナルティーになります。
緑のマスは3種類のゲームを選びます。カードに書かれた文章を一字一句間違わず復唱していく「復唱ゲーム」、前の人の言ったことにフレーズをつなげて文章を増やしていく「お話ゲーム」、言ってはいけない数を決めてその数を飛ばして数えていく「数えゲーム」です。
青のマスではそれまでに取ったペナルティーチップや白鳥チップが何枚か、それぞれ名前を名乗りながら申告していきます。これらのチップは覆いで隠されており、自分がいくつ取っているかは常に覚えておかなければなりません。白鳥チップは数えるときに1枚増やすことになっており、ペナルティーチップの枚数と混同しやすくなっています。
赤のマスではコンサートをします。手番のプレイヤーが「コンサート、バイオリン!」と言ったら皆バイオリンのジェスチャーをします。「コンサート」と付けなかったらジェスチャーをしてはいけません。手番プレイヤーは関係のない動きをして周りを惑わせることもできます。また、「コンサート、プレム!」と言ったら突然中央のコマのイスとりゲームになります。「コンチェルト・グロッソ」のような感じです。
「やれ、やるな」マスでは「やれ」カードと「やるな」カードを1枚ずつ引きます。以降、このカードの指示に従い続けなければなりません。今回は「名前の頭にもう1つつけろ」「手を体に触れるな」でした。これで名前は「新聞紙松風」、「スープカップティーカップコーヒーカップ」、「バムセフライパン枕」、「アトランタ鳥取三郎」に。その直後に頬杖をした私がペナルティー、顔をかいたKさんもペナルティー。
30分ちょっとの時間は緊張感の中で進みました。子供もいるので、気が散って難易度が上がります。1日仕事で疲れたMさんがあっという間に8枚ためて終了。私が3枚で1位、康さんが4枚で2位。
「やれ」「やるな」カードと「復唱ゲーム」のカードがドイツ語ですが、それさえクリアできれば日本でも十分楽しめる秀逸なコミュニケーションゲームだと思いました。