自宅にてゲーム会。5,6年前に遊んでいた大学のサークルのメンバーである友人Ni君、後輩Sh君を招き、我々夫婦と共に4人で遊びました。夏らしいゲーム会だったと思います。
バルバロッサ|ザップゼラップ|メンバーズオンリ―|アライグマのウィリー|スチーブンソンズロケット|コンチェルトグロッソ
バルバロッサ(Barbarossa / K.Teuber / Kosmos 1997)
粘土細工をあてっこするゲーム。「カタンの開拓者」トイバーの作品で、1989年の年間ゲーム大賞。手先が器用かどうかはあまり関係なく、また子供だましのようなバカバカしさもなく、参加者の性格によってさまざまな展開が楽しめる、やる度に好評のゲームです。
今回はみんな極めて「difficult」なオブジェを創作。その中で比較的形が具体的な方に入ってしまった私(赤)は、一番抽象的なオブジェ「円柱」…紫の左上から積極的に質問攻めを仕掛けましたが、あまりの曖昧さに挫折。こうなると結局私が集中的に狙われることになりました。そこでどんどん後退し(序盤で当てられるとマイナスポイント。よって簡単すぎるオブジェは避けなければならない)、あっという間に脱落。その後「最初の文字は?」の質問にKyさんが口頭で答えたところからあっという間にかっさらわれてしまい、なす術なし…(ルールでは、紙に書いて質問者だけに教える)。
ちなみに今回作られたものと順位は…
1位 N君 青 フランスパン、赤血球
2位 Kさん 緑 CD 握りずし
3位 S君 紫 今川焼 お墓
4位 私 赤 ちりとり 日の丸弁当
直観は馬鹿にできません。直観で分からないものは、2文字まで聞いても分からなかったりします。後は質問のテクニックですが、「食べ物か否か」という質問はとりあえず全部にしておいた方が、あとあと役に立ちます。それを聞かないでいると、質問の的が絞り込めません。
あえてこのゲームの欠点をあげるとすれば、後半にテンポが悪くなってだれ気味になることです。だいたいエルフの石を使い果たして、サイコロでぐるぐる回り始めたあたり、質問が行き詰まり、分からないオブジェへの諦めムードが漂います。1文字目、2文字目、3文字目と順々に聞いていかない限り、いくら考えても何も出てこない状態が続き、結構なストレスになりました。ただ、その欠点を差し引いても十分何度でも楽しめるゲームです。N君もひとつ買ったと言っていました。
ザップゼラップ(Zapp Zerapp / H.Meister & K.Zoch / Zoch 2001)
魔法の樽を振って中身を当て、自分のコマをゴールに進めるゲーム。子供ゲームの神様ハインツ・マイスターの作品で、2001年の年間ゲーム大賞最終ノミネート、同年のドイツ子供ゲーム賞受賞作品。対象年齢が微妙だったために一般ゲームか子供ゲームかジャンル分けが難しく、年間ゲーム大賞では一般ゲームとして、ドイツゲーム賞では子供ゲームとして扱われました。
わんこさん宅で遊んで以来、楽しかった思い出が忘れられずに半年以上して入手。ルールの説明が簡単で時間が短く、ゲーム愛好者でなくとも楽しめるというポイントがセールスポイントです。ゲームを集めていると、どうしても戦略性の高いゲームが揃いがちですが、こういったアイテムも適宜ちりばめておくと選択に困りません。
今回ははじめ絶好調でしたが、だんだん手が痙攣してきて、感度が鈍ってきました。そのうちに次第に慣れてきたS君N君が追い上げ、S君の勝利に終わりました。いちおう、連行マスのバリアントを導入しましたが、全部のボードで2マスしかなく、実際誰も使えませんでした。
メンバーズオンリ―(Members Only / R.Knizia/ Blatz, 1996)
イギリスで毎月起こる出来事を予想して得点を挙げるゲーム。ライナー・クニツィアの作品で受賞はありませんが国内で根強い人気があるゲームです。
項目は「何日雨が降るか」「新聞に皇室スキャンダルがいくつ載るか」「英国首相が公式の場で何倍紅茶をこぼすか」「何人の議員が辞職するか」「クラブで何回奥様がたの帽子がダブるか」の5つ。
この5つは全て同じ確率で起こるようになっていますが、カードの分配で決まるため、月によって大きくばらつきます。期待値が最も高いのは4~5枚ですが、その辺りの予想が当っても大した点数になりません。カードをばらつきを上手く見抜いて、思いっきり少ないか多いかの予想を当てれば、高い点数になります。
プレイヤーは最終的に各項目がいくつ出るかをチップで予想しながら、実際に手札から各項目のカードを出していきます。カードは場に少しずつ増えていき、だんだん実態がわかっていきます。ですので、後になるほど予想がしやすくなる訳ですが、予想の値は早い者勝ちです。誰かが「皇室スキャンダル5つ以上」というところに予想を立ててしまったら、その後では「6つ以上」「4つ以下」などに予想するしかありません。こうしてだんだん当りやすい予想から当りにくい予想になっていきます。予想が外れたチップは返ってこないので(全部・1つ以外なくなってはじめて戻ってくる)、思い切った予想が外れ続けると苦しくなります。
ひと月が終わると、カードをシャッフルして配りなおし、また最初から行います。もちろん、前の月に多かったことが次の月も多いということは決してありません。それを決めるのはみんなに配られたカードだけなのです。
確実な予想にダブルチップ(2倍になる)+リスクチップ(最初だけ置けて2倍になる)を置いて着実に稼いだ私が、ついつい5点コースに予想して一攫千金を夢見るギャンブラーたちを抜いて1位。セコイ。
アライグマのウィリー(Willy Waschbaer / H.Meister / Goldsieber, 2001)
アライグマのコマをはじいてエサを取ったり、他のアライグマを蹴落としたりするおはじきゲーム。「ザップゼラップ」と同じく、ハインツ・マイスターの作品でゴルトジーバーの子供ゲームシリーズから出ています。
アライグマは12匹いますが、誰がどのアライグマを担当しているかは伏せられています。大人がやるならばバリアントルールを採用し、左隣の人のアライグマが1匹だけ分かっているところから始めます。
手番にはどのアライグマをはじいてもかまいません。ほかのエサやアライグマに当てて、ボードの外に出れば成功です。エサをもらうか、そのアライグマをゲームから除去します。はじいたコマの勢いが強すぎてボード外に飛び出たり、はじかれた獲物がボードの外のロープの外に出たりしたら失敗で、獲物はありません。
誰かのアライグマが全部除去された時点でゲームが終了し、獲得したエサの多い人が勝ちます。アライグマが全部除去された人は、エサの数に関わらずビリです。
これだけのルールなのですが、アライグマが非公開というだけで、自分のアライグマがどれかバレないようにわざと端に飛ばしたり、他のアライグマに注意が向くように仕向けたり、おはじきのアクション以外にいろいろ考えることがあって楽しめるようになっています。
ゲームはN君が絶妙なテクニックでどんどんエサを集め、狙ったアライグマは必ず仕留めて1位。劣勢だったS君が仕留めた2匹のアライグマが、私とKさんの最後の1匹という劇的なサヨナラホームランで、エサ0個のまま2位に浮上。N君もS君も「今日1番面白いゲームだった」というコメントを残しました。
スチーブンソンロケット(Stephensons Rocket / R.Knizia / Pegasus, 1999)
イギリス南部に鉄道を敷設して、お金を儲けるゲーム。ライナー・クニツィアの作品で、ドイツでの受賞はありませんでしたが2000年にアメリカのゲーマーズチョイスにノミネートされています。ダイスやカードの引きといった運の要素が全くなく、通好みの戦略ゲームとなっています。
手番には(1)都市の産業チップを集めるか、(2)駅舎を建てるか、(3)線路を引くかの3つから2つを行います。産業チップ(鉄鋼・ビール・皮革・織物・乗客)集めるとその都市に線路が開通したときにお金になります。駅舎はそこに線路が通ると路線を支配できます。線路を引くとその路線の鉄道会社の株券がもらえ、将来の進路に口出しできるようになります。
はじめ鉄道会社は8つあり、プレイヤーはどの鉄道を伸ばしてもかまいません。鉄道がどれかの都市に着くたびに、産業チップや駅舎に応じて配当がもらえます。産業チップは手っ取り早い収入源ですが上がりが少なく、駅舎は取得がたいへんですが鉄道が伸びるほど高配当になります。つまり、(1)~(3)の行動を偏らずにバランスよく行わないと、上がりが少なくなってしまいます。
さらに鉄道が延びて他の鉄道と隣接すると、合併が起こります。合併によって巨大な鉄道網が形成されていくことになります。巨大な鉄道網はもちろん収入も大きいのですがみんなが駅舎を配置していれば熾烈な争いが起こることになるでしょう。このあたり、ちょっと「アクワイア」に似ているという話も上がりました。将来性のない路線は頃合を見て合併してしまったり、反対に合併を阻止するために路線をねじまげたりと、戦略は千変万化です。
ゲームは線路タイルがなくなるか、1鉄道会社に全部収斂すると最終決算をして終わります。最終決算はまたチップ別、路線別に配当がもらえますが、その額はとても大きくなります。したがって終盤は詰めを誤ると順位の変動が激しいので細心の戦い方が必要です。1つ路線を合併しなかったばかりで、1位から4位へと転落ということもありえます。
ゲームはN君がまた1位。序盤はみんなちんぷんかんぷんで、中盤あたりから飲み込めてきた様子。「何度かやってみないとつかめない」という意見が大勢でした。このゲームは紙幣を使うのですが収入だけで支出がないので、やりくりを考えるゲームではなく、他のプレイヤーの出方を伺いながら自分の最善手を見つけていくという将棋に近い感じがしました。鉄道が広がっていくさまは視覚的にとても楽しいです。
コンチェルトグロッソ(Concerto Grosso/H.Buecken/Amigo 2000)
絵に合わせて正しい身振り手振りを行うアクションゲーム。今日の4人が皆オーケストラだったのでそのからみでプレイ。夕食後に短時間で腹ごなしのできるゲームをということで出しました。
畳の上だと指揮者で立ち上がるのがきついので、指揮者はアクションなし、代わりにルールに勧められているピアノ奏者(絵は眠っていますが…)で鍵盤を弾くというアクションにしました。
参加せずに見ていたKさん曰く、「せんだみつおゲーム」。緊張感満点でどんどん貯まっていく場札。最初に失敗したのは私でした。アクションのないカードでちょっとピクっと動いただけなのですが。1位は3連続でN君。最後に首を両手で叩いた(そんなアクションはない)S君はみんなに笑われました。