自宅ゲーム会02/06/30

自宅ゲーム会02/06/30

 久々に自宅にてゲーム会。参加者は康さん、N君、Kuさん、Kyさん。あらかじめプレイするものを決めず、集まったときの雰囲気と気分で選ぶのは、リラックスできます。未プレイもの、軽い系、戦略ゲーム、定番ゲームと織り交ぜたバランスのよいプログラムになったと思う。

キャナレットバンクファタールコミッサーXアトランティックスタープエルトリコカタンブックシナリオ「環礁」

キャナレット(Canaletto/G.Cornet/Hans im Glueck 1995)

キャナレット価値を見極めながら美術品を競るゲーム。「庭園」のギュンター・コルネットが数年前に出したゲームで、「庭園」と似ていますが、シンプルなつくりになっています。
 美術品は12種類あり、2個しかないものから、4個あるものまでいろいろです。コマがとまった宮殿で競りが行われます。
 ある種類の美術品全てが落札されると、すぐに売却になります。何番目に全部落札された美術品がいくらで売れるかは、予めボードの横にある価値マーカーで示されています。高額で売れるときもあれば、激安になることもあるのでタイミングを計ることが必要です。
 競りの金額によって次に競りが行われる宮殿が決まります。1なら次のマス、2なら次の次のマスというように、金額が多いほど宮殿が遠くになります。次に何を競り落としたいか、または競り落とさせたいかを考えながら、競りの金額をビッドしていくことになります。
 最後はお金をたくさん持っている人が勝ちです。高額で売れるタイミングにうまく乗るには、どの美術品があとどれくらいでなくなるのか、他のプレイヤーの手持ちも見ながら注意しておくのがポイントです。次は激安だというとき、自分の持っている美術品が揃わないようにしつつ、他プレイヤーの美術品を揃えさせるといった戦略がたつでしょう。うまくいかないことが多いのですが。
 ゲーム中に1回だけ、お金を払わないで美術品を盗むことができます。そのタイミングもなかなか難しく、欲張っていると何も盗めないまま終わってしまいます。それから、お金はボード上のマーカーで示されているので、順位が一目瞭然です。1位を積極的に妨害して上位を狙うことができます。借金もできますが、倍返しです。
 ルールは簡単ですが、緊張感があるゲームでした。Kuさんが高額でどんどん売れて1位。競りにも乗らず、売りもしないという消極策では勝てないようです。
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バンクファタール(Banque Fatale/S.Dorra/Blatz 1997)

バンクファタールカジノでレートの高い色のカードを集めて、お金を儲けるゲーム。「メディナ」「バケツくずし」のシュテファン・ドーラ作。
 1色か2色のスペードマーク(スペードマークしかありませんが)が書かれたカードを競ります。競りはチップを手に握って一斉に出すという方法です。いちばん多くチップを握っていたプレイヤーがカードを取ります。
 色は全部で5色あり、価値は刻々と変わっていきます。その価値を変えるものが、全プレイヤーが競りでつかうチップなのです。チップも5色あり、競りで全プレイヤーから出されたチップを集めて、いちばんチップが多い色は200万価値が上がります。誰も出さないチップの色は、最低価格に暴落します。
 したがって、カードの価値を下げたくなければ競りでその色のチップを出し続けなければなりません。しかしいつも中途半端な数を出していては競りに勝てないので、時にはチップを出さないで温存したいというジレンマがあります。
 カードは手番にそのときの価格で売却することもできます。暴落が恐ければ値段が高いうちに売ってしまうのも手でしょう。しかし一か八かもっと価値が上がるのに賭けて手放さない方が盛り上がります。なお、手放さなければ11を超える度に配当金が入ります。
 カードが全部競り落とされた時点でその時点の価値でカード計算し、それにチップと途中の配当金を足してもっともお金の多いプレイヤーが勝ちです。
 序盤で黄色がなかったために何となく暴落してしまい、ついで中盤で緑も暴落するという事態に。私はKuさんと組んで赤を上げ続け、配当金を何度ももらいました。その結果私が1位でKuさんが2位。チップはまわりものですので、出し惜しみせずにバンバン出していく、出さないときは0、出すときはいっぱいというメリハリをつけるというのが、危険は多いですが他プレイヤーにうまく乗っかれば強いです。
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コミッサーX(Komissar X/N.Neuwahl/Amigo 1992)

コミッサーX犯人の逃走経路を記憶して追跡していくカードゲーム。「マンマミーア」に似ていますがそれよりもずっとシビアでした。
 はじめは逃走フェイズということで、各プレイヤー手札を順々に出して山札を作っていきます。「犯人は飛行機で右に逃げた」「左に逃げた」「まっすぐ逃げた」「カウンタックに乗り換えた」「カウンタックでまっすぐ逃げた」」「右に逃げた」「トランク(機密書類)を置いた」…
 手札を出し終わったら、こうして作られた30枚ほどの山を最初から調べていきます。これが追跡フェイズです。カードをひっくり返します。
 カードの表は三択になっており、どれかひとつが正解です。記憶と照らし合わせながらカードをめくります。「犯人は飛行機で右に逃げた」「正解!」「左に逃げた」「正解!」「まっすぐ逃げた」「正解!」「まっすぐ逃げた」「ブー!実はカウンタックに乗り換えていました」…
 こうして間違う度に失敗マーカーを下げ、0になったら脱落です。トランクを置いたカードを当てると、勲章がもらえます。最初に勲章を4つ集めたプレイヤーが勝ちです。
 覚えるコツはある(まっすぐが3回続いたなど)のですが、右と左は混乱します。他のプレイヤーの手番にはわかっているのに、自分の番になると焦ってしまい思い出せないということもあります。得手不得手ははっきりしますが、簡単で盛り上がるゲームでした。
 N君が怒涛の集中力で1位。「みひみまま(右左右真直真直)」という覚え方もしてみましたが、10枚もいかないうちにわからなくなってしまい、トランクと乗り換えを中心に漠然と覚えていくという方法が有効のようでした。
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アトランティックスター(Atlantic Star/D.Henn/Queen Games 2001)

アトランティックスター世界中の4つの海をわたる船をチャーターし、快適な船旅をつくるゲーム。今年の年間ゲーム大賞ノミネート作品です。
 手番には場に出ている4つの船から1つを選んで購入します。船は航路によって適不適があり、いろいろな航路に使える船は点数が低く、1つの航路に特化した船は点数が高くなっています。航路は1つずつ完成していかなければならないので、自分の作りたい航路にそって船を集めていくことになります。ほしい船がなければ、2000マルク支払って全とっかえもできます。
 航路が完成したら手札から船を出して、その点数の合計をタイルにクレヨンで記入(!)し、順位表のシートに置きます。順位表は点数が高い順に並んでいき、それぞれ名声につながります。できるだけ高い点数で航路を完成し、上位に入るようにしなければ勝てません。
 さて、ほしい船を欲張っていると最初の手持ちのお金はすぐになくなります。そこですでに完成した航路の点数を減らして資金を調達することができます。1点減らせば1000マルク、最高10000マルクまで資金を調達できます。あまり減らしすぎると順位が下がってしまうので、いくら減らすかが悩みどころです。
 こうしてまた船を購入し、新たな航路を作っていって全員が4つの航路全てを完成させたとき、その時点での順位によって名声ポイントが与えられ、最も多いプレイヤーの勝ちです。運次第ですがカードをめくってひとつの船を狙う楽しみ、資金調達の戦略が見事にマッチしたナイスなゲームです。
 引きのよさで2航路の1位をゆるぎないものにしたKuさんが1位。「10,000マルク調達。これであと5回できる」と全とっかえをしまくったN君は及ばず2位。
 ちなみにこのゲームの元となった「ショーマネージャー」。日本版をつくったらさぞ面白いだろうにという話になりました。「渥美清・寅さん9点」とか。誰か作りませんか?
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プエルトリコ(Puerto Rico/A.Seyfarth/alea 2002)

プエルトリコ皆ルールを知ってさえいればそれほど重くないというところまで来たプエルトリコ。もちろんそのためには日本語化タイルが必須となりますが…。内容については1回目、2回目参照。
 今回は宿屋を誰も取らないという展開になりました。それなのにみんな輸出型になり、小さな市場や商館が売れました。
 そうなると産品の種類が問題となりますが、これまたみんなコーンを作っていたり、序盤からどんどんコーヒーが出てきたりとこれまた異様な展開。タバコが途中まで全く出てこなかったという事情もありました。
 建物があまり活躍しない中で生産と輸出がぐるぐる回りだし、造船所でがんがんコーンを輸出した康さんが勝利ポイントチップを稼いで1位。
 私は建築型を狙って大学などを建てたのですが、生産所を作って待っていたタバコがなかなか出なくて産品の種類が少なく、康さんの上家でインディゴを腐らせまくってビリ。
 今回の反省点は、鉱山を集めようとするあまり開拓者を選びすぎ、倉庫を買って輸出の悪い流れを断ち切る努力をしなかったことにありました。同じ人が続けて腐り続けるという「輸出の悪い流れ」は以前にも経験したことがありますが、これはたまりません。倉庫を買っていなくとも、流れに乗れば腐らないこともあります。なぜ「輸出の悪い流れ」が起こるのでしょうか。
 まず他プレイヤーがあまり作っていない産品をモノカルチャーで作っていること。他が作っていないということは商人であればメリットになりますが、商人は1コずつしか売れないので、大量に同じものを作っていて倉庫を持っていないというのは危険です。
 つぎに他プレイヤーが多品目で展開していること。こうなると、自分で船長を選んで初手をとるというのもなかなか効きません。船にすでにいくつか載ったままになっているからです。最初から大きい生産所を建ててモノカルチャーにせず、小さい生産所から始める方がリスクは低くなります。
 そして輸出の前段階である、生産を自分でしてしまうこと。そうするとあと2,3手の間に輸出が起こりやすく、より後手で輸出をしなければならなくなります。いろいろ取れるか、倉庫がない限り、自分で生産するのはデメリットが大きいと思いました。
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カタンブック「環礁」(Das Atoll/B.&W.Ditt/Kosmos 2000)

環礁カタンブックのシナリオでいちばん最初にある海シナリオです。作者は「ノーチラス」のディット夫妻。外側の円形の陸地と内側の円形の陸地を挟んで海があり、そこを海賊がぐるぐる回っています。この海に船を渡して内地と外地の開拓地同士をつなげれば特別勝利ポイントになります。つなげる開拓地は他のプレイヤーのものでもかまいません。
 鉱山にいい目があったため、ずっと鉱石がだぶつくという展開に。内地と外地を一切つながず、内地は内地、外地は外地でいい土地を狙って広げ、都市にするという戦法で康さんが1位。積極的に内地と外地をつなげていく戦略でも十分勝ち目があり、勝負は接戦になりました。最長交易路を守るためだけに街道を延ばしたN君が10点で2位。ひそかに最大騎士力を狙っていたKuさん、海沿いに広げてどんどん他プレイヤーの開拓地とつなげようと目論んだ私は9点で3位。

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