自宅ゲーム会011124

自宅ゲーム会01/11/24

わんこさんとにゃんとろさんのお宅にお邪魔して半日ゲーム.コレクターでもあるわんこさんのすばらしいゲーム・ライブラリーを見て心躍りながら,かねてより遊びたいと思っていたものをリクエストして遊んでもらう.わんこさんのストーリーテラーのような楽しいインストと,心やさしいにゃんとろさんのツッコミが印象的.ゲームは勝負であるだけでなくコミュニケーションツールであることを再確認した.

イシス・オシリスザップゼラップヴェルニサージロッティカロッティサンマルコ

イシス・オシリス(Isis & Osiris / M.Schacht/ Goldsieber)

 プラスタイルは自分のコマのそばに置いて点数を稼ぎ,マイナスタイルは他プレイヤーのコマのそばに置いて点数を取らせない置きゲーム.「王と枢機卿」「コントール」のシャハトの新作で,わんこさんおすすめの一品.
 手番にはボード上に自分のコマか,タイルを置きます.タイルは置く前に公開されますが,あとは裏返しになって非公開です.タイルの引きと若干の記憶力が頼りです.タイルの出方を見ながら,タイルを優先的に置いていくかコマを先に置くか考えたり,他プレイヤーに最も効果的にマイナスタイルを置ける配置を探すといった考える要素もあります.
 1回目はプラスタイルを引きまくった私が自分のコマの周りに固めて勝ち,2回目はにゃんとろさんがマイナスタイルを最小限に抑えて勝ちました.引きの運を,上手な配置でカバーするところがポイントと言えそうです.

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ザップゼラップ(Zapp Zerapp / H.Meister &K.Zoch / Zoch)

 樽を振って中に入っている石の数を推理し,当たったらその分だけすすめるというすごろく.子供ゲームだと言われながら大人をも魅了し,今年の年間ゲーム大賞最終ノミネート,ドイツ子供ゲーム賞を獲得しています.ドイツ語の発音ならば「ツァップ・ツェラップ」だと思います(「ザ」の半濁音.「サ゚ップセ゚ラップ」という表記もありえますが).
 13個の樽にはそれぞれ1~13個の石が入っています.どの樽に何個入っているかは,樽の底に記されています.サイコロを2個振って,その合計以下で一番多く石が入っている樽を,手で振ってみてその感触で推理します.樽を決めたら底を見て,サイコロの合計数よりも下回っていればその分だけコマを進めます.3つのコマがボードを1周したら勝利です.
 1回目,2回目共に高正解率で私が勝ちました.直感よりも全部を振ってみる慎重さが大切でしょう.最後の方は手が痙攣気味でした.

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ヴェルニサージ(Vernissage / K.Teuber / TM-Spiele)

 画商となって芸術家の人生に影響を与え,作品の価値を上げて儲けるゲーム.「カタンの開拓者」のトイバーがTMシュピーレ第一作として出したゲームで,ドイツゲーム賞3位に入賞しています.再販されたものがプレイスペース広島から入手できますが,8,800円という値段に足踏みをしていました.
 手番にはサイコロを振って芸術家の評判を上げ下げすると同時に,評判の高い芸術家の作品を購入します.芸術家が個展を開いたら作品を公開し,そのときの価値によってお金を得ます.作品を手放すことはできず,一度公開したらその芸術家の評判が下がらないように努めながら,他の画商が応援している芸術家の評判を落とします.評判を落とす一番の方法は,評論家カードを出して悪評を書かせることです.評論家にとりつかれた芸術家の評判はみるみるうちに下がります.評判の上げ下げが気に入らなければ,異議を唱えることもできます.そのときにはサイコロの数とカードの枚数で決着をつけます.ゲーム終了時の評判によってお金を得て(マイナスになる場合もあり),最もお金の持っている画商が勝ちます.
 手広く作品を購入していろいろな儲けに乗ったKさんがダントツ.評論家を使った直接攻撃ができるため,最初の方でお金をがめ過ぎると狙われます.他のプレイヤーと共通するいろいろな作品を買ってリスク分散しておく方がよさそうです.

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ロッティ・カロッティ(Lotti Karotti / Ravensburger)

 ウサギをにんじん畑の山に登頂させるゲーム.「もぐらカンパニー」「トップバナナ」などに続くラベンスバーガーの子供ゲームシリーズで,対象年齢が5~10才とされていますが,大人でも十分楽しむことができます.
 手番にはカードを引いてウサギを動かすか,ニンジンを回転させます.ニンジンが回転すると,ニンジン畑の山に突然落とし穴ができます.落とし穴のマスにいたウサギは,穴に落ちて忽然と消えます.この落とし穴に入らないよう気をつけながら,頂上にたどり着くことをめざします.
 さっきまでいたはずのウサギがいきなりいなくなり,またにぎやかな競争が始まるというシュールな感じが笑えました.私は呪われるようにウサギが次々といなくなって全滅.わんこさんは強運でほいほいと登りつめ,1位に輝きました.

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サンマルコ(San Marco / A.R.Moon & A.Weisblum/ Ravensburuger)

 ベネチアの市街地で領地争いをするゲーム.「アムレット」「カピトール」と共に今年の年間ゲーム大賞ノミネート,ドイツゲーム賞入賞を果たしたムーン&ヴァイスブルムの作です.
 ゲームはアクションカードをプレイすることによってベネチアの6つの街区に自分の手下を配置し,それぞれの街区で最大多数になることをめざします.得点計算になると最大多数と2位のプレイヤーに点数が与えられます.アクションカードには他プレイヤーの手下を寝返りさせたり,追放したり,途中で得点計算にしたりするカードがあります.また合計10点になるとそのラウンドを脱落してしまうリミットカードもあります.効果的に手下を配置し,できるだけ多くの街区で点数を獲得して,最大点数のプレイヤーが勝ちます.
 ここまでだと,どこかでやったようなルールかもしれません.しかしこのゲームの主要かつ斬新なポイントは,アクションカードとリミットカードの配分にあります.まずアクションカードの分配する人と選ぶ人を決めます.4人の場合,2人組になって1人が分配する人,もう1人が選ぶ人になります.分配する人は山からカードを8枚引いて,任意に2つに分けます.今度はそこから選ぶ人がどちらかを選んで取ります.残りが分配する人のカードになります.従って分配者が不平等な分け方をしてしまうと,悪いほうを自分で取らなければならなくなります.相手の状況,自分の状況,場の状況を見ながら,適切な(決定者から見れば「いやらしい」)配分をすることが必要です.ゲームの大部分は,カードの分配にあると言っても過言ではありません.
 前半はにゃんとろさんの帝国が築かれつつありましたが,残り3人で集中攻撃を加えた結果,後退.混乱の中で頭ひとつ抜けたのは幅広く手下を配置したわんこさんでした.途中の点数経過が表示されているので,誰に追放や裏切りを仕掛けたらいいかは割りとはっきりします.分配する人が予想もしなかったアクションカードプレイで,皆を唸らせるのは気持ちいいものです.とかく他のゲームの要素に似ていると評されるムーンですが,とても斬新で奥が深いと思いました.久しぶりに「やればやるほど面白い」ゲームに出会った気がします.


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