Kさんの友人K夫妻宅にお呼ばれ.やはりKさんの友人でベンガル人のA・L夫妻,後輩S氏が来訪.K夫妻の美味しいご馳走の後,軽く1ゲームのつもりが・・・.
どきどきわくわく相性チェックゲーム(Compatibility)
ペアを組んで,あるお題目に対して各自何十枚もあるカードから連想するものを数枚選び,ペア同士で合っていればコマを進められるというゲーム.もとはアメリカのゲームで,完全日本語化されました.パーティーゲームとして随所で評価の高いゲームであるにもかかわらず,すでに絶版でオークションでときたま見かける程度です.
簡単なルールですが,ペアがお互いの心を読みあって同じカードを出すというところが非常に燃えます.今回は7人でしたので私が審判になり,K夫妻,A・L夫妻,そしてKさんとS氏という組み合わせでやってみました.A・L夫妻は日本語がとても上手でしたが,公正を期するために問題は適宜英訳しました.元のアメリカ版だったら全部英語で書かれているのでこの場合簡単だったでしょう.
一昨年結婚されたK夫妻はご主人さんがつっぱしり気味で奥さんが付いていけません(ご主人としては,奥さんがつっぱしっていると読んだのでしょうが).「空白-blank」の1枚目でほとんど全員が「白」を出しているのに,ご主人はいきなり「十字架」です.同じく一昨年結婚されたA・L夫妻は「この上ない喜び-The Gratest Happiness」で2人とも「結婚式」を選ぶなど,絶好調(別の意味でも).しかし,急遽結成されたK・Sコンビは,心の読み合いというよりも最もありふれた選択を心がけるというゲームのコツをいち早くつかんでトップを独走します(それでも抽象的な問題の場合は相当ずれましたが).後半A・L夫妻は3枚を全部同じにするなど,本気の追い上げをしましたが,あと一歩及ばず,K・Sコンビが優勝.K夫妻は3位でしたが,ウケを取ることにかけては1位でした.
ルール説明がとても簡単で,とても楽しく,カードをオープンしていくときのスリルがたまりません.もう終始笑いどおしでした.多くの人がパーティーゲームとしておすすめする理由がわかりました.
エレメンツ(Elements / M-A. C. Merkle / Adlung)
A・L夫妻が翌日のホームパーティーの準備のため帰宅.5人になったところで先日オークションで落としてきたエレメンツをプレイすることにしました.手札からポーカーのフォーカード,スリーカード,フラッシュなどの役を作り,点数をとっていくゲーム.「フェレータ」のメルクルがアドルンク社から97年に出したゲームです.
カードには5色あります.最初は色の強さを決めるフェイズで,各プレイヤーが1色ずつカードを出し合い,数の多い順に色の強さを決めます.そしてここで出された5枚のカードの数は,次のフェイズで全プレイヤーが競って取り合う点数になります.次のフェイズでは,手札から役を作って,一番強い役を出した人が点数を獲得します.点数の低いカードから5回勝負が行われます.ここでの出し方が特徴的で,1周目は1枚,2周目は1枚,3週目は2枚というふうに出していきます.途中でパスして抜けることもできます.他プレイヤーの出したカードを見ながら,途中で降りるか最後まで勝負するか決めることができるのです.手札は10枚しかありませんので全部の勝負に参加することはまずできません.点数の低いカードで妥協するか,あえて点数の高いカードを狙うか,はたまたハッタリをかまして相手の戦力を奪うかが読みどころになります.
勝つ秘訣は,他のプレイヤーが勝負しないようなところを全力で落とし,また勝負しないところでもいらない手札でハッタリをかますというところにありそうです.もっとも「他のプレイヤーが勝負しないようなところ」を完全に読みきることはできません.最後の大一番をみんなが敬遠した結果,1ペアで取れたりすることもあります.TRPGなどもたしなむというS氏は要点をしっかりおさえ,着実に加点.K夫妻の奥さんは石橋を叩いて渡る慎重さでしたがバッティングが多く,またご主人は1枚目の1点などに全力を注いでしまったりして点数が伸びません.3回プレイしましたが,だんだんお互いのキャラクターがわかるようになり,深みを増しました.
◆運も戦術もありルールも簡素で、すばらしいゲームだと思いました。人数により、戦略も変わりそうで、何度でも楽しめそうですね。(S氏)
順位1位2位3位4位5位1回目おのS氏Kさん奥さんご主人2回目S氏おのKさんご主人奥さん3回目奥さんおのS氏Kさんご主人
リミット(Limits / U.Rosenberg / Amigo)
5色のカードを決められた枚数まで積み込んでいくゲーム.「ボーナンザ」「バベル」「マンマミーア」のローゼンベルクが最近出しました.最初にリミットカードがめくられ,リミット,すなわち5色のカードがそれぞれ何枚まで置くことができるか提示されます.次に各プレイヤーは1枚ずつ裏返しにして手元に置き,そのリミットを上げます.そして1枚ずつ場に出していくわけですが,前に出したカードは次々と下になってわからなくなります.何色が何枚出たか覚えるわけですが,5色もあるので完全には覚えきれません.またリミットは全員が裏にして出しているカードでも変動するので絶対確実ではありません.前にカードを出したプレイヤーの色がリミットを超えていると思われた場合,「告発」することができます.そこで全員カードを表にし,場に出ているカードを見てリミットを超えているかどうか調べます.「告発」が正しければ1点,カードを出したプレイヤーは-2点で,正しくなければそれぞれ-2点,1点となります.新しいリミットカード(また別のリミット枚数が書いてある)をめくって,ゲーム再開となります.この他に,手札が同じ色一色になったら,ボーナスとして1点もらえます(その場合2枚を場に出さなければならないので,告発される危険があるのですが).
「マンマミーア」でも言えますが,理論上は記憶力が強い人が勝つわけですが,実はそうでもありません.心理戦です.青のリミットが0枚なのに,思い切って青を出すと「この人は青を裏にしているな」と思われます,そこで他のプレイヤーが安心して青を出してきたところで告発,実は自分は青を裏にしていなかったりするという戦術が使えます.また,リミットが6枚などになると,多さに安心しているすきに出しまくるという記憶の曖昧さを利用した戦術もあります.告発は失敗すると-2点を喰らうので,なかなか告発に踏み切れないところがジレンマです.
今回は,記憶力の面では優れたメンバーのはずだったのですが,我慢しきれなくなった人たちが次々と告発し,散っていくという展開になりました.その中で,安全なカードさばきをしたKさんが1位,ご主人さんが2位.しっかり守ってしっかり攻めたS氏は-2点と1点の差額のために3位.奥さんが4位.同色4枚にして着実に加点しようと目論んだ私は,そのために無謀になってしまって告発を受けまくり,5位に沈みました.記憶力はできる限りはたらかせつつ,みんなのカードの出し方から勘をはたらかせることが勝つポイントのようです.
◆良かったのですが、ちょっと記憶の要素が強すぎる感じがしました。カードの上限枚数を増やす部分では、
(一人1枚伏せる)だけではなく、
(一人2枚伏せるに変更)とか、
(一人1枚伏せる+デッキから数枚とって伏せる)とか、
(一人1枚伏せる+最後にさいころを振って目の数だけ追加)
などとしたほうが戦術・運の要素が強まるような感じがしました。(S氏)
飲み込みのはやい理系のメンバー,ゲームに最適な丸テーブルなどのおかげで結局5ゲーム.途中談笑などもはさみましたが最後のエレメンツが終わったときには午前3時を過ぎていました.そのままお泊りになり,翌日はA・L夫妻宅にお呼ばれで楽しい1泊2日となりました.