読めそうで読めないドラマ
『ラマ』『スカウト』『ナナトリドリ』など、ゴーアウト系のカードゲームは盛り上がるものだが、大富豪(大貧民)との差分は重視したいところだ。『ヘイヨー』『トリックと怪人』の作者によるゴーアウト系で、ゲームマーケット新作評価アンケート評価数最多・評価平均9位の実力やいかに。
まずは手札公開。タイトルが示す通り、手札6枚のうち4枚(配られたままなので自分で選べない)が公開という状態ゲームを始める。手札の3分の2、カウンティングすればそれ以上がわかるため、中盤以降はアブストラクト風味が強くなる。どのカードから始めるか、どのカードで受けるか、あるいはパスするか、最善手がわかってくる。先にカードをなくした人から得点が入る。
次に1位予想。手札の強弱もまるわかりなので、最初に誰が勝つか(最後まで残るか)を予想し、当たっていれば自分が勝てなくても得点できるようになっている。とはいえ最初は見えない手札もあり、またこの予想によって他プレイヤーのカードの出し方も変わる(勝たせたいプレイヤーをアシストする)可能性もあるため、不確定要素が高い。得点は当てた人数が少ないほど高い。
絶妙なのはカード構成。全体でたった26枚しかないが、赤黒2色あり、色・数字によって枚数が異なる。これで数字の強さに傾斜がつけられ、見通しを良くするとともに、確率の低い勝ち方でドラマを生み出す。
ただ盛り上がるだけでも楽しいのだが、上記のような工夫が凝らされ、考えどころあり、駆け引きありの面白いゲームとなっている。
Open
ゲームデザイン:斎藤隆/イラスト:QURAGE
BrainBrainGames(2022年)
2~4人用/8歳以上/15分