テーブルゲーム普及のために

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 近年,メビウスなどのおかげで次第に日本でドイツゲームが認識されつつあります.またドイツゲーム自体も国外での人気の高まりを受け,各メーカーが競って多種多様なゲームを量産するようになり,ひとつの黄金時代を迎えています.
 一方日本には伝統的にすごろく・花札・将棋・囲碁といったテーブルゲームがあり,またこの延長でオセロや人生ゲーム,マージャンがたくさんの人々の心をとらえ,コンピュータゲームの隆盛にもみ消されることなく,広く愛好者を獲得しています.
 これらの日本で受け入れられるゲームは戦略的思考と運の要素が大きく,より深く考えるか,運を手中にするかの個人差が勝負の分かれ目となります.
 ドイツのゲームにもこういった要素がありますが,それより重要になるのが「駆け引き」です.いかに上手に交渉して自分に有利な条件を引き出すかが勝負の分かれ目になります.
 この「駆け引き」,日本の最も苦手とするところ.思うに戦後の国際社会でドイツに比して日本の地位がいっこうに向上しないのはこの「駆け引き」が足りないからではないでしょうか.
 また,「いじめ」「学級崩壊」「きれる子供」なども,「駆け引き」を学ぶ機会がないために何事も個人の問題に還元してしまい,柔軟に対処できないからではないでしょうか.
 「駆け引き」はコミュニケーションの基本です.相手の出方を伺うだけでなく,積極的に相手にはたらきかけていく.その繰り返しによって相手を深く理解することができるのです.
 ドイツのゲームは子供用から幅広く用意されています.また,日本では大の大人がうんうん唸って遊んでいるゲームもほとんどは10歳以上くらいで設定されています(ハイパーロボットRasende Roboterが10歳(小学4年生!)以上というのには驚きますが).
 大人が同好会のようなものをつくって遊ぶのも結構だと思いますが,それだけでは「静かなブーム」に留まり,普及は難しいでしょう.やはり,親が子供に買ってきて,一緒に遊ぶことが大事だと思います.
 勉強は学校でやれば十分です(いい成績をとっていい大学に入っても,かえって幸せになれない.今はそういう世の中です).家ではそれよりももっと大事な,日本人にとってこれから必要なものを遊びを通して学んでいくことが,子供にとっても日本の将来にとっても大切なことではないでしょうか.

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