ニュルンベルク玩具見本市2008~ゲーム編(3)
ビッグポイント|ドラゴンダイス|城壁の国|フィニート|ズライカ|クロマニオン|チェンジホース|上海港
ビッグポイント(Big Points / B.ディット、W.ディット / シュミット, 2008)
先に行けば勝ちというわけではない
シュミット社は「イージープレイ」シリーズとして一挙4作を発表した。いずれもルールが簡単で時間も短く、ファミリー向けを強く打ち出している。そのうちサンプルが配られるほど一押しなのがこのゲーム。作者はゲームサイト「ペッペルキステ」の管理人ディット夫妻で、『ノーチラス』や『カタン』のバリアントなどの作品がある。
クニツィアの『ツタンカーメン』のようにコマを取りながら進んでいく。ただしどの色を進めてもよい。同じ色まで進むことができ、止まったマスの前後のいずれかのコマを取る。最初にゴールに着いた色はコマひとつにつき4点になるが、先に着くにはコマの数が少なくなってしまい、トータルで勝てるとは限らない。ほかの人の動き方を見ながら、進む色とスピードを調整しよう。
ゴールは組み立て式の階段になっており、ついつい高いところに登りたくて急いでしまいそうだ。
→メビウスおやじさんのブログ『ビッグポイント』
ドラゴンダイス(Drachen Wurf / W.パニング / シュミット, 2008)
ダイスでドラゴンを奪い合う
イージープレイシリーズその2。ドラゴンが描かれた特殊ダイスをジャラーッと振って、数を満たせばドラゴンを手に入れることができる。手に入れたドラゴンは、同じ色や全色セットなど役を作ることで得点。難しい役ほど得点が高い。
場に並んだドラゴンを取ることもできるし、ほかの人が取ったドラゴンを横取りすることもできる。1周のうち、横取りされなかったらやっとドラゴンを確保。
失敗したら宝石をもらい、次にダイス1個分増やすことができる。そのドラゴンがほしい、これは絶対渡せないなどとワイワイ言いつつ、ダイスを思いっきり振りまくりたい。
城壁の国(Burgen Land / W.レーマン / シュミット, 2008)
俺のほうが長いぜ
イージープレイシリーズその3。3つのダイスを振って城壁を伸ばし合う2人用ゲームである。
3つのダイスを振り、出目を組み合わせて城壁タイルを取って並べる。同時に王冠マーカーが移動し、時折得点計算が起こる。得点計算では指定された色で多いほうが自分のコマを進め、王座に近づいていくというわけだ。30点先取。
相手のほうが城壁が長い色では得点計算を起こさないように選ばなければならない。しかしそこはダイス目次第。いつ得点計算が起きてもリードできるよう、相手の城壁を見ながら対抗しておこう。特に得点の高い塔を導入できるかが勝負の分かれ目になりそうだ。
フィニート!(Finito! / H.コマレル / シュミット, 2008)
考えてビンゴ
イージープレイシリーズその4。ランダムに出てくる番号タイルを、運と勘で降順に並べ替えるのが目的だ。
1~12の番号タイルのうち、3枚だけをランダムにめくる。20面ダイスに、1~20の数が書かれたボードが対応している。ダイスの出目で指定された場所に、3枚のタイルのうち1つを置く。そしてまた次のダイスロール。こうしてランダムに自分のコマを並べていき、最終的にタイルがすべて降順に並べば勝ちだ。
タイルを置いた場所の目がまた出ると移動もできる。こうして微調整できるがまずはじめにだいたい並べておくことが必要。ビンゴゲームに考えて並べ替える楽しさをプラスしてある。
ズライカ(Suleika / D.エルハルト / ツォッホ, 2008)
目立ちたいじゅうたん
ボード中に自分のじゅうたんをできるだけ多く敷き詰めるボードゲーム。もとはフランスのギガミック社が『マラケシュ』というタイトルで昨年発売したものを、発売からわずか1年足らずでリメイクしてしまった。ツォッホ社の惚れ込みようが推察できる。プレビューではアラビアの衣装をまとった踊り子を出して盛んにアピールしていた。
商人コマは全プレイヤー共通だ。これを移動し、自分のじゅうたんを敷く。他人の上に敷くときはお金を払って。まわりが他人のじゅうたんだらけだと払うお金も高くなる。でも勝敗を決めるのはゲーム終了時に見える自分のじゅうたんのマス数。うまくお金をセーブしながら、相手のじゅうたんをつぶし、自分のじゅうたんをつぶしにくくするにはどうしたらよいか。商人コマはサイコロで移動するので運の要素もあるが、よくよく考えるゲームである。
クロマニオン(Cro-Magnon / O.メシア / コスモス, 2008)
だんだんと進化していくクイズゲーム
お題をさまざまなかたちで表現し、当ててもらうことで進化するゲーム。コスモス社はプレビューも期間中も毛皮をまとった専属の説明係を配置しており、今年のボードゲームで一押しらしいことが分かる。
クロマニオン人の進化は4段階に分けられる。最初は粘土をこねって形を作り、当ててもらう段階。次はジェスチャー。それから基本単語だけ使用を許された言葉による説明。そして最後はスケッチ。限られた言葉による説明が、カタコトで楽しい。惜しむらくはお題も基本単語表も全てドイツ語で書かれているので日本語化が必須な点だろう。
何と12人まで遊ぶことができる。原始人になった気分で挑戦してみたい。
チェンジホース(Change Horses / B.ホワイトヒル / エッゲルトシュピーレ, 2008)
最後の1枚でどう転ぶか
ロンデル三部作に『キューバ』と急速に注目を集めているドイツのフリークメーカー。今度の新作はメーカーの第一作『新しい国』と、軽めの競馬ゲームを用意してきた。ドイツに住むアメリカ人の作品。ボードはまだ完成していなかった。
目的はひそかに決められた色の馬をビリにすること。カードを全員一斉にオープンし、奇数枚出た色の馬が進み偶数枚出た馬は進まない。カードには2色の馬が記されており、自分の思惑とほかの人の思惑がうまく合致するかがポイントだ。ウマの調子がよくなければ変更することもできる。
これが基本ルールで偶然の要素が高いが、発展ルールではニンジンカードなどでウマの移動をさらに制御できるようになっており、一転してヘビーな楽しみ方ができるだろう。
上海港(Shanghaien / R.ペレック, M.シャハト / アバクス, 2008)
ダイスを振ってからが勝負
中央に並んだカードをダイスで奪い合うゲーム。シャハトが共同作者になっているが、『ズーロレット』の大賞受賞もあって今やアバクスの専属デザイナーの感がある。
ダイスを振って好きなようにカードの前に並べていく。向かい側には相手がダイスを並べて数比べだ。ダイス目の大きいほうがカードをもらうことができ、同点の場合は隣り合うダイスで比べる。
こうして取ったカードで今度は色別の勝負になる。ゲーム終了時に、色別に合計点数を比べて、多いほうが少ないほうの点数を獲得する。つまり僅差で勝てば実入りが大きいということ。負けるならほとんどカードを出さずに思いっきり負けよう。
カードの中には特殊能力をもつものもあって派手さも加えてある。ダイス目は自分ではどうしようもないが、どこにダイスをおいてどの色のカードを集めるかが勝敗の分かれ目になるだろう。
→メビウスおやじさんのブログ『上海港』
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