フランス・パリのボードゲーム出版社ファンフォージ(Funforge)は7月、財政難により裁判所から司法清算の判決を受け、破産手続きを行って閉鎖した。
ファンフォージは2008年に創業。『東海道』や『ケメト』など、斬新なメカニクスやテーマと、美しいアートワークやコンポーネントで高く評価されたが、コロナ禍の輸送費などによるコスト増で財政難に。昨年には『東海道』シリーズをストーンマイヤーゲームズ(アメリカ)に売却し、小箱ゲームへの事業転換もはかったが回復は叶わず、最後となったキックスターター『モニュメンタル:アフリカ帝国』では製品の発送が滞り、返金もないままとなっている。
創業者のP.ヌーラ氏は「ルドヴォクス」にて、胸の痛みと共に、何千人もの人々に笑顔と喜びをもたらした誇りと感謝の意を述べ、『ボムバスターズ』でドイツ年間ゲーム大賞を獲得したカクテルゲームズや世界展開するブルーオレンジなど、フランスのボードゲーム業界にはまだ明るい未来があることに期待する言葉を発表している。
その一方で、ミシックゲームズ(ルクセンブルク)は昨年10月から活動を停止しており、ルドノート社(フランス)も『コルト・エクスプレス』『リビング・フォレスト』『ルイス・クラーク探検隊』をタイクーンゲームズに売却し、今年末で新作の制作を終了することを発表した。原因としては生産輸送コスト増と過剰生産が挙げられ、フランスに限らずボードゲーム業界の不安材料となっている。
・フランスのボードゲーム出版社
・Ludovox: Funforge en liquidation judiciaire — Le dernier mot de son fondateur
・BoardGameWire: ‘Passion in board game profession has given way to economic reality’: Ludonaute to stop publishing new games in wake of selling off Colt Express, Living Forest IPs