ホビージャパンは11~12月に発売する輸入ゲームリストを発表した。10月のシュピールで発表された新作で、日本語ルールが付属する。
ポートロイヤル:契約をもうひとつ……(Port Royal: Ein Auftrag geht noch…)
A.プフィシュター作、ペガサスシュピーレ(ドイツ)、1~5人、8歳以上、20~50分、1,800円(税別)、11月下旬発売予定。プレイするためには『ポートロイヤル』が必要。
初心者から上級者まで楽しめるカードゲーム『ポートロイヤル』に新たなカードやルールを加える拡張セット。1人用ルールや協力プレイルールなど、新たな遊び方にも挑戦できる。
もはや探険命令だけでは足りない。勝利のため、新たな契約にサインをするのだ。契約にはお互いに競い合うものあり、時間との勝負となるものある。一緒に競い合うライバルがいなくても大丈夫。新たな挑戦が君を待ち受け、新たな人物が助けとなるだろう。
イスタンブール:コーヒーとお恵みを(Istanbul: Mocha & Baksheesh)
R.ドーン作、ペガサスシュピーレ(ドイツ)、2~5人、10歳以上、40~60分、3,400円(税別)、11月下旬発売予定。プレイするためには『イスタンブール』が必要。
2014年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞受賞作『イスタンブール』の拡張セット。4つの新たな場所や、新たなルビーの入手経路が加わり、ほかプレイヤーとの新たな駆け引きが起こる。
イスタンブールで貴重な布地、最高の香辛料、新鮮な果物を売るのはいい商売だった。しかし今、バザーの顧客は新たな珍味、コーヒーを楽しんでいる。抜け目のない商人として、この風味のよい豆を売ることで生み出せる富の匂いを嗅ぎつけたのだ。
この新たな挑戦に取り組むために、あなたは助手以外の手助けを必要としている。幸い、施し(バクシーシ)をすれば、酒場の客はちょっとした小間使いを喜んで請け負ってくれる。また、ギルドホールでも有益な助力を得ることができるだろう。
プラムの法則(Pi mal Pflaumen)
M.クラマー作、ペガサスシュピーレ(ドイツ)、3~5人、8歳以上、30~40分、1,800円(税別)、11月下旬発売予定。
17世紀から18世紀にかけては科学が進歩した時代だった。この時代の印象的な2人の人物として、レオンハルト・オイラーと、マリア・ジビーラ・メーリアンが挙げられる。オイラーは有名な数学者であり、π(パイ)という数字の理解において多大な功績を挙げた人物だ(彼の名を含む「オイラーの等式eiπ+1=0」は一見関係のないπ、e、iを含む美しい数式である)。マリア・ジビーラ・メーリアンはその詳細な観察力で昆虫の変態を発見した自然学者であり、画家でもあった(彼女の緻密で美しい画風は、イモムシからチョウへの変態の絵で今日も知られている)。
この2人をモチーフにしたカードゲームで、ラウンドごとに25枚あるカードセットを使うトリックテイキング。この時代の雰囲気を伝える無理数πの要素や、マリア・ジビーラ・メーリアンのスタイルで描かれたカードイラストが目を引く。初心者からトリックテイキングの上級者まで楽しめる作品だ。
ポルタ・ニグラ(Porta Nigra)
W.クラマー、M.キースリング作、エッガートシュピーレ(ドイツ)、2~4人、12歳以上、75~120分、8,500円(税別)、11月下旬発売予定。
ローマ帝国後期、アルプス以北では「アウグスタ・トレーウェロールム」が最大のローマ都市だった。カエサル皇帝の時代に興り、ローマ人によって作られてきたこの都市は、この時代では皇帝の住む世界都市となっていた。今日でも残る偉大な建造物が、ローマの栄光を示している。今日はドイツの都市「トリーア」となったが、この2世紀に据えられたその建造物こそ、ラテン語で「黒い門」を意味する「ポルタ・ニグラ」である。
プレイヤーはこの時代のローマの建築家となり、ポルタ・ニグラ建造のために働くことになる。各プレイヤーはゲームボード上の円環状のトラックにいる職人の親方に指示を出すことで、その親方のいる場所でのみ、建物を建てたり購入できる。親方をトラック上の遠くの場所に進めるにはコストがかかるため、購入や建築には計画性が必要だ。また、自分の手番にできるアクションの種類や回数は、それぞれのプレイヤー専用のデッキから引かれたカードにより決まる。
市内各地の建造物は実際に立体的にコマを積み上げて建造していくことになるため、見た目も非常に魅力的な作品だ。
モンバサ(Mombasa)
A.プフィシュター作、エッガートシュピーレ(ドイツ)、2~4人、12歳以上、75~150分、7,000円(税別)、11月下旬発売予定。
アフリカ大陸で、モンバサ(ケニア)、ケープタウン(南アフリカ)、カイロ(エジプト)、サン=ルイ(セネガル)の各都市にある勅許会社(国王の許状を与えられた植民地貿易会社。東インド会社などが有名)の株式を取得し、これらの会社の交易所をアフリカ大陸に拡大していくことで、富を得るのが目的だ。
カードを用いて、アクションの選択と同時にローテーションも決めていくユニークなシステムを使用する。毎ラウンド、プレイヤーは手札から密かに実行するアクションを選んで、一斉に公開し、アクションを実行。使用したカードは捨て札となるため、再び同じアクションを実行するには、何ラウンドか待たなければならない。各都市の勅許会社のボードは両面仕様となっているため、その組み合わせによりゲームは毎回変化する。
『ブルーム・サービス』や『ポート・ロイヤル』のアレクサンダー・プフィシュターによる、重量級の経済ゲームで、エッセンのスカウトアクションでも2位と注目を受けた作品だ。
ストロングホールド(第2版)(Stronghold 2nd Edition)
I.トレヴィチェク作、ストロングホールドゲームズ(アメリカ)、2人用、8歳以上、45~90分、9,500円(税別)、12月下旬発売予定。
攻城戦をテーマにした2人用のゲームが今年リニューアルされた。プレイヤーはそれぞれ、城を守る、城を攻めるという違う立場でゲームに挑む。ゲームボードは攻城戦が行われている要塞と包囲している軍勢のいる地形を表しており、城壁を挟んで両者が対峙する。
籠城側は、少数の兵士が城壁内にこもっており、一方、攻城側は無数の軍勢と恐るべき怪物たちを率いる。毎ターン、そこかしこで戦闘が行われていく。攻城側は攻城兵器を組み立て、兵士たちに装備を与え、恐るべき黒魔術による儀式を執り行う。一方、籠城側は守りのかなめである城壁を修理し、火砲を設置し、兵士を訓練する。
7ラウンドが終了した時点で、城門が明け渡されてしまったら攻城側の勝利、それまでに守りきれば籠城側が勝者となる。
第2版ではアートワークやコンポーネントの変更だけでなく、カードが攻守10枚ずつ追加され、セットアップの時間を減らすことに成功。好評だった『ストロングホールド』が2人プレイ専用に全面改訂されての再登場だ。
アヤ:河巡る旅(AYA)
O.グレゴワ、T.クワンテン作、ブラックロックゲームズ(フランス)、2~5人、8歳以上、30分、5,800円(税別)。2016年1月中旬発売予定。
水の女神の世界、アヤにようこそ。あなたは川をさかのぼり、眼前に広がる自然の恵みや様々な景勝と動物たちを探す旅に出る。この旅を記す素晴らしい写真を撮るために、協力していこう。プレイするたびに、世界は違う様相を見せる。
協力して色々な景勝地や動物トークンを、ドミノで繋げていく。時間までにドミノを取って慎重に配置し、ドミノの上に動物たちを置いて、時間が来たら何とそのドミノを倒す! うまく景勝地まで倒れたり、動物トークンを落とさずにドミノが倒れれば成功。美しいアートワークと豪華なコンポーネントが魅力的な、協力型のアクションゲームだ。
ハルイチバン(Haru Ichiban)
B.カタラ作、ブラックロックゲームズ(フランス)、2人、8歳以上、20分、3,000円(税別)。2016年1月中旬発売予定。
その春一番の風を使って見習い庭師同士が、蓮池の水面に美しく調和のとれた文様を描くのを競う2人対戦型のゲーム。
庭師はそれぞれ1~8まで数字のふられた8枚の花を持っていて、5×5マスの蓮池には、蓮葉が1枚だけ暗い面を表にして16枚並んでいる。お互い、その花を選んで同時に公開し、数字の小さな方が小庭師、もう一方は大庭師となる。小庭師は自分の花1つを暗い蓮葉に置き、大庭師は自分の花1つをいずれかの蓮葉に置く。そして小庭師は蓮葉を1つ隣接するマスへ動かし、大庭師はいずれかの何も置かれていない蓮葉を裏返して暗い面を向ける。これを繰り返して、蓮池に自分の色の花で条件を満たすパターンを作れたら、すぐに対応する得点を獲得する。
『Mr.ジャック』や『アビス』の作者が送る、和風テイストの手軽な対戦型ゲームだ。