意地悪ばかりのダメな星
サン=テグジュペリの有名な文学作品をもとにしたタイル配置ゲーム。『星の王子さま』は1978年に日本でアニメ放送されていたこともあり、懐かしい人も多いだろう。火山、バオバブ、バラといった物語中に登場するアイテムが、おなじみの癒されるイラストで描かれている。
16枚のタイルを並べ、それぞれ1つずつ惑星を作るというのがゲームの内容。どのアイテムが何点になるかというタイルがあり、得点が多くなるよう、指示されたアイテムがたくさん付いたタイルを取ったり、逆に自分の惑星に多くあるアイテムに合わせて得点タイルを選んだりする。
癒しのイラストとは裏腹に、ゲームはシビアなドラフト方式で進む。人数分のタイルを並べ、取った人が次に取る人を指名する。最後に取る人は1枚しか残っていないので選ぶことができない。火山は一番多い人が失点、バオバブは3枚になるとタイルが裏返ってしまうので、押し付け合戦が始まる。「このタイルは○○さんに取ってもらいましょうね」「そうしましょう」「分かりましたわ」「ひえ~!」
最後に選んだ人が、また人数分のタイルをめくり、自分から1枚取って次に取る人を指名する。こうして各自16枚のタイルが並んだ時点でゲーム終了。得点計算をして多い人が勝ち。
バオバブが大量得点になるタイルを取ればバオバブを押し付けられて裏返しになってしまい、バラが少なければ少ない人得点が高いタイルを取ればバラが回ってくる。次に取る人を指名できるというルールによって、結託してトップをはめられるのが見かけとは裏腹に意地悪なゲーム。不毛の惑星を見て、意地悪し合うのはよくないことを悟る。もちろん、得点が高くなるタイルをお互いに渡しあって、お互いに素晴らしい惑星を作ることも可能だ。3人プレイで20分ほど。2ゲーム続けて遊んで、鴉さんが目立たないように得点を重ねて1位。
The Little Prince
A.ボザ/ルドノート(2012年)・ホビージャパン(2013年)
2~5人用/8歳以上/25分