冒険者は計画的に
冒険者を入札で雇って、未知のダンジョンに送り込み、手柄を立てるボードゲーム。『惨劇RoopeR』『OWACON』などで注目されているBakaFirePartyの最新作で、3月のゲームマーケット大阪で発表された。垣間見れるダンジョンの備えと、ままならない冒険者の確保がスリリングである。
8枚のカードを並べて今回のダンジョンを作るところからゲームが始まる。8枚のうち3枚だけが表になっていて、その内容が分かるが後は分からない。モンスターが潜んでいるかもしれないし、宝箱があるかもしれない。裏面には「うごめくもの」「いまわしきもの」「おそるべきもの」「のこされしもの」という分類があり、おおよその傾向を知ることができる。特に「おそるべきもの」は、強敵が潜んでいることがあるので要注意だ。
裏になっているカードは、調査フェイズでこっそり見ることができる。何枚目を見たいか入札して、落札した人が見る。ダンジョンの低階層に「おそるべきもの」があったら、ぜひ見ておきたいところ。その内容を踏まえて、冒険者を雇っていくことになる。
調査が終わったら、居並ぶ12人の冒険者(全部で16人いるので、毎ゲーム少しずつ変わる)に入札。マイボードにお金などのマーカーを置いて、一斉に公開し、その冒険者の上にマーカーを移す。その状況を見てもう1回ビッドし、各冒険者について最終的に金額の多かった人がゲットする。
皆がほしがるのは、HP、MP、SP(Spirit Point)という能力値の高い冒険者。これを集めれば「おそるべきもの」もクリアできる。ほかにも冒険者によって特定のイベントをクリアしたり、勝利点を上げたりする特殊能力があり、また「紋章」を一緒にビッドしておくと、さらに強力な追加能力も得られる。人気の冒険者につぎ込むか、人気のない冒険者を手広く集めるか、2回のビッドのうちに決めていく。
雇い終わったらいよいよダンジョンの探索である。基本的に1ヶ所、階層をパスすることができ、またどこまで探索するかを予め決めなければならない。第1階層から順番にカードをめくっていって、各プレイヤーは自分の冒険者パーティーがそのカードをクリアしたかチェックする。例えばHP3、MP3、SP1というモンスター(おそるべきもの)がいたら、冒険者のHP、MP、SPの合計が全てこれを上回っているとクリアしたことになり、勝利点が入る。
探索すると宣言した階層まで行く前にクリアできない階層があったら、パーティーは全滅したことになり、3勝利点を失う。冒険者をたくさん雇えたからといって無理は禁物。かといって、一か八か奥に進んでみる勇気がないと、勝利点はなかなか入らない。
全員の探索が終わったら、冒険者を戻し、新たな資金が配られ、次のダンジョンを作り、調査フェイズから始める。3ラウンドで勝利点の最も多い人が勝ち。
3人プレイで45分ほど。ルールは多いように見えたが、入札を繰り返してゲームが進んでいくのでややこしくはない。一番の悩みどころは冒険者の入札で、「この冒険者が競り落とせなかったらあれ」「安全を期してこれとこれ」などいろいろと考える。「暗殺者」でほかの冒険者が消されたりすると計算が狂って大慌て。計画通りに行かないところも含めて楽しい。冒険者を変えてまたプレイしてみたい。
Aristo-Maze
BakaFire/BakaFireParty(2014年)
3~4人用/12歳以上/60~90分
BakaFireParty:Aristo-Maze
テンデイズゲームズ:アリストメイズ