運河の名声は油断禁物
フランス南西部の運河建設で名声をあげるボードゲーム。アクションポイント制※1のエリアマジョリティ※2だが、そのようなゲームに陥りがちな重さをカードプレイで緩和し、30分程度で遊べるように仕上げている。
手番には5アクションポイントを使って、運河の建設現場に作業員コマを配置したり、移動したりする。運河は区間に分かれており、区間が完成したときに、その区間に一番多く作業員を置いていたプレイヤーが得点する仕組み。
作業員は、自分の色でも他人の色でも移動できる。そして1位が同数のときは2位が得点できるため、うまくバッティングを誘えば1人しか置いていなくても得点できる。自分の作業員を、ほかのプレイヤーに利用されないよう注意しよう。
また、区間には壁を置いて区切ることもできる。区間が短くなれば得点も減るから、ほかのプレイヤーが作業員を集め始めたら壁を置いてブロックするのもいいし、作業員がほかのプレイヤーに利用される前に、壁を置いて得点しておくという手もある。
しかしこれだけだと、各プレイヤーの最善手がある程度見えるので、先の先を読む重いゲームになってしまう。そこでカードプレイがある。カードは引くのに2アクションポイント、出すのに1アクションポイント。カードには、作業員のワープや壁を置くというカードがあり、一気に得点することができるだろう。カード枚数に制限はないが、溜め込んでいるうちにほかのプレイヤーに区間を取られないように注意したい。
区間のほかにも得点パターンが用意されており、戦略は多様になる。作業員を1人捨てて得点する運河沿いの建物、最下位のプレイヤーだけが建設できる運河橋と水門(無駄に木で出来ていて造形が美しい)、そしてゲームの最後に一番多く置いていたプレイヤーに得点が入るワイン畑。短い区間に力を入れるよりは、こちらにシフトしたほうが得な場合もある。
3人でプレイ。1ゲーム目はうっかりプレイ乱発だったため、もう1ゲーム行うことになった。ほかのプレイヤーに利用される前に手堅く区間を完成させるプレイ。カードも毎回引いて力を蓄える。鴉さんが終始トップを走っていたが、最後にカードプレイで区間を完成させ、同時にワイン畑も奪った私が逆転勝利。3位のnagaさんも運河橋と水門を建設できれば勝ち目は十分あるくらい、僅差のゲームだった。
※1アクションポイント―ポイントを消費して、複数のアクションを自由な組み合わせで行うシステム。アクションによって消費ポイントが異なる。
※2エリアマジョリティ―エリアにコマを置いて一番多い人が得点できるシステム。複数のエリアが同時進行のため、一ヶ所に集めすぎず僅差で勝つことがポイント。
Arriala: Canal de Garonne
F.フェ/ルードコム(2010年)
2〜4人用/8歳以上/30分
ゲームストアバネスト:アリアラ