敵はWii

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クリスマスの贈り物,9割の子供がビデオ・ゲームを希望(ITpro Research)
もうすぐクリスマス商戦が始まるが、アメリカの調査によるとプレゼントにビデオゲームのソフトを希望する子供が昨年の8割から9割に上昇したとのこと。親としても子供の希望に応えざるをえない。
ショックだったのがこの箇所。
「また54%の親が,トランプやボード・ゲームより,子供と一緒にビデオ・ゲームを楽しみたいと回答した。」
かつてテレビゲームといえば、子供が独りで遊ぶものだった。大人と子供が一緒に遊べるようになったのは、Wiiの功績であろう。世界で1000万台が売れ、北米で昨年の1.5倍、欧州で1.8倍に増えているという(毎日jp:任天堂:売上高20%増…Wiiなど欧米で好調 9月中間)。近所でも、おじいちゃんが孫とWiiで遊ぶという話を聞く。人生ゲームという選択肢も弱くなりかけている。
賛否両論あるにせよ、近年ボードゲームがもてはやされているのは、テレビゲームへのマイナスイメージを踏み台にしているのは間違いない。典型的なのは、ビデオゲームは暴力表現などが攻撃性を助長するのに対し、ボードゲームはコミュニケーション力を育てるというもの。ドイツでもそういう言論がある(Kölner Stadt Anzeiger:Ein bisschen Spaß muss sein)。
ところが、その(仮想)敵ともいうべきテレビゲームが、Wiiによって様変わりしてしまった。そもそもボードゲームが好きという人はともかく、子供と一緒に遊ぶ時間を作りたいという親は、どんどんWiiに流れていくだろう。そして子ども向けのボードゲームが廃れ、ボードゲーム愛好者の高齢化が世界的に進むだろう。
ボードゲームの普及に携わる者としてそんな心配をしながら、子供も大きくなってきたしそろそろWiiを買ってみようかなと思う私は、ファミコン世代でもあった。

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