ゲームマーケット2008体験記

2008年4月27日(日)浅草区民会館

恒例のオークション「ゲームを買うぞー!」 オークション

昨年からさらに100人増

日本最大のゲーム愛好者の祭典ゲームマーケット。出展は昨年の70から100団体に、参加者は昨年の1100人から1200人に増え、さらに大きな盛り上がりを見せた。

出展者の増加を受け今年は2フロアで開催された。そのためこれまでの混雑が大幅に緩和され、人いきれもずいぶん息苦しくなくなったのはよいことである。4階は大型ブース、5階は一般ブースと中型ブースである。10時の開場前に並んだ長蛇の列は、スタッフの誘導で4階に行く人と5階に行く人の二手に分かれ、会場内に待機する。4階行きの列には主としてバネストの輸入ゲーム、5階行きの列には少数販売の同人ゲームがお目当てだ。どちらもほしい人は? 手分けして並ぶしかない。

メビウスはツォッホの帽子と『お先に失礼します』のTシャツ メビウス

開場直後

開場後は早速人気ブースに人が集まる。スタッフの周到な計画によって混みそうなブースは間隔を置いて並んでおり、混乱は生じなかった。参加者も過去の経験から品薄のところを優先しており、目移りせずに整然と並んでいる。例えばカワサキファクトリーはこのところ多めに作ってきているので、ほかのところで買い物をしてからでも午前中くらいなら間に合う。そのため販売数の少ない骨折ゲームズ、HammerWorksやチームきりたんぽ(仮)から並ぶのがゲーム愛好者の戦略というものだろう。

今年の人気作は『シチリアの殖民』(カワサキファクトリー)、『千夜一夜奇譚』(骨折ゲームズ)、『東京乗車券』(HammerWorks)あたり。メビウスではオリジナル新作の『お先に失礼します』ほか『魔法にかかったみたい』や『ストーンエイジ』、バネストは『メトロポリィス』、『アグリコラ』、『ブラス』、『コンテナ』あたりに殺到した。

素晴らしいコンポーネントで3000円以下に抑えた『トラッカーズ』 トラッカーズ

きれいで、安くて、面白い

今年はボードゲーム・カードゲームだけで50タイトルほどの新作が発売されており、早いものでは開場30分ほどでなくなる一方、PR不足などで苦戦しているものも見受けられた。その差は、新作が増えるにつれて大きくなっていると言えるだろう。参加者は確かに増えているが、嗜好がそれほど多様化しているわけではない。

販売競争に勝つには、ゲームの完成度やオリジナリティ、しっかりしたコンポーネントやパッケージ、そして手頃な価格設定とPRのいずれも重要となる。使い古されたシステムだけ、名刺シートに自家印刷、箱がない、2000円を超えるカードゲーム、4000円を超えるボードゲーム、ウェブサイトがないなどでは、ほかによほどのセールスポイントがない限り厳しいかもしれない。

「未プレイのため未評価」Tシャツ Tシャツ

ゲーム関連グッズも

出展されたのはゲームだけではない。Tシャツ販売がいくつかあった。このところときどき話題になるplgay:gameのコメント「未プレイのため未評価」Tシャツ(笑)、人気鉄道ゲーム18XXシリーズTシャツ、サークル袋小路のTシャツなどがあった。

また遊戯史学会の紀要『遊戯史研究』や、海外ゲーム『オリジンズ』の研究本、ひそかに毎年恒例の毒づきボードゲーム漫才本などの書籍も販売されている。TRPGのブースではリプレイなどがあってさらに多い。このあたりはコミケに近い雰囲気がある。

能登ごいた保存会による本場のごいた ごいた

伝統ゲームは『ごいた』

毎年恒例の伝統ゲームコーナーには『ごいた』が登場した。グランペールがカードゲーム版を発売していることもあって知名度は高かったようだ。能登ごいた保存会の会長さんご一行が本場のコマを使って直々に伝授してくださった。もちろん本場仕込みなのでカードではなく将棋コマで遊ぶ。

カードゲーム版で遊んだことがある人もない人も参加し、テーブルはいつもいっぱいで盛況だった。わざわざ能登から飛行機でいらした保存会の方々も、たくさんの人にゲームを遊んでもらうことができてご満悦だったという。

ゆうもあがこどもゲームコーナーを担当

こどもゲームコーナー

今年初めての試みとしてこどもゲームコーナーが新設された。担当したのはNPO法人ゆうもあ。従来は1ブースで参加していたが、今回はゲームマーケットからの要請で会場中央の目立つところにフリースペースを与えられた。

こども向けのセレクトはゆうもあの得意とするところである。『スティッキー』や『カラバンデ』など、「ゆうゲームズ」からゆうもあゲーム会で好評を得たラインナップが揃う。ゲーム好きのお父さんやお母さんと一緒に来た子どもたちが笑顔で遊んでいるだけでなく、ご年配の方も楽しんでいる様子が印象的だった。

韓国ブース

韓国ブース

そして今回初の試みとなった韓国企業ブース。引き金となったのはエッセンでヤポンブランドと韓国企業が出会ったことからだったという。ラインナップの中にはゲームマーケットの主たる参加者層から離れたものもあったが、外国からの出展とは思えない手ごろな価格で成果は上々だったそうだ。

近くて遠かった東アジアの国々がゲームを通じて距離を縮められるのは素晴らしい。これをひとつのきっかけとして、ボードゲームの国際交流が進んでいけばよいと思う。

フリースペース

2フロアになった結果、フリースペースが多くなってエッセン国際ゲーム祭のような雰囲気をかもし出すことになった。 さすがに地べたで遊んではいなかったが、知り合い同士誘い合って、買ったばかりのゲームを楽しそうに遊ぶ風景が多く見られた。

ゲームマーケットは買うだけのイベントではない。まるで学校の同窓会のように、全国に散らばる愛好者が一堂に会し旧交を温めあう。そして新しい出会いもある。この魅力こそが一番の原動力ではないかと思うところである。

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