ゲーム中に決まっていくルール
昨年設立、シュピールには今年初出展となるドイツのインディーズ出版社である。ドイツ中部、ハイデルベルク近郊のリンブルガーホーフに住むK.ガイス氏が自身の作品を発表している。この作品が最初で、タイトルの「エッベス」とは、ドイツ中西部の方言で「何か(標準ドイツ語でetwas)」という意味だ。ドイツ人の大好物トリックテイキングを面白く料理した作品。
1枚ずつカードを出して、一番強いカードを出した人が全員分のカードを取る。さまざまなひねりを加えて数多く発売されているトリックテイキングゲームだが、この作品の特徴は、切り札などのスートがゲーム中に徐々に決まっていくというもの。ゲームの最初に指示された数字が出るたびに、その色のカードが切り札などに指定されていく。例えば「5」が指定されたとき、最初に黄色の5が出たら、黄色が切り札になる。
次に出た色は得点になる色。獲得したトリックで、その色のカードは1枚1点になる。たくさん取っている、またはたくさん取れそうなカードを指定したい。
3番目に出た色は「エッベス」。獲得したトリックで、その色のカードが何枚あるか数え、一番多い人と一番少ない人を除外して、中間だった人が得点できる。4番目に出た色は失点になる色で、5番目に出た色は何にもならない。
失点になる色が後半で決まるところがポイントで、そのため序盤からトリックを積極的に取ると危険である。みんな、自分が取っていない色が失点になるようカードを出してくるからだ。一方、得点になる色は早めに決まるが、その色を指定しようとすると、せっかく自分がもっていたのにほかの人に取られてしまうというジレンマがある。
4人で30分ほど。最初のうちは調子よく得点していたが、次第に狙い撃ちされるようになり、大量失点などで足踏み。そのうちにkarokuさんが調子を上げて逆転優勝。ふうかさんの得点が0点のあたりをうろうろしていたのが印象的だった。失点も結構大きいので、点数が伸び悩むことがある。
最初のカードからもう、いろんなことが頭をめぐって悩ましい。トリックを取って狙い通り色指定できると爽快だが、なかなかそうはいかないのであった。
ebbes
K.ガイス作/パラティア・シュピーレ(2013年)
3~5人用/10歳以上/45分
国内未発売(ゲームストア・バネスト、テンデイズゲームズから発売予定)