Kuさんと妻とで平日の夜に遊ぶ。社会人が平日遊ぶのはけっこう難しい。仕事が終わってからなので時間があまりないし、頭も結構疲れている。だが「花金」と呼ばれる金曜夜は、次の日の心配をしなくてよいので比較的リラックスできるから悪くはない。お話をしながら夕食をゆっくり食べて、2時間ちょっと遊ぶことができた。
トワイライト(Twilight/W.Werner/Bambus, 1998)
太陽と月の陣営に分かれてロウソクを取り合うトリックテイキングゲーム。去年「ジキルとハイド」というタイトルでリメイクされました。
4人プレイの場合、2対2のチーム戦になります。太陽の陣営は太陽カード、月の陣営は月のカードしか出せません。トリックを取れる強いカードほど点数が低く、ぜったいに負けるような弱いカードに点数があるため、強いカードでいかに相手がもっている点数カードを取るか、また自分の弱いカードをいかに相手に取らせないかがポイントになります。
さてここからがゲームの味付け。カードはランダムに配られ、太陽の陣営に月のカードが来たり、月の陣営に太陽のカードが来たりします。これらのカードは自分では出せません。どうするかというと、自分の番にプレイヤーを指名してカードを出してもらうのです。太陽の陣営から指名されたら太陽のカードを、月の陣営から指名されたら月のカードを出します。いちどきに3人から指名されてカードを出すなんていう場面もあり、カードの減り方はばらばらになりますが、最終トリックで丸く収まるようになっています。
この「指名して誰かに出させる」というルールによって、ゲームは非常に戦略的になります。「彼はそろそろ強いカードしかもっていないはずだから指名してみようか」とか、「ここで弱いカードを出してやれば自分が取れるな」などといった読み合いが白熱。カードのカウンティングが重要であるため重苦しくなる感じもしますが、ドイツらしい論理的なゲームだと言えるでしょう。
3人プレイのときは1人ダミープレイヤー月子さんをつくり、その手札をオープンにして月のプレイヤーが好きなように出します。もちろん月のプレイヤーが有利になるわけですが、これを何ターンか行ってならします。ゲームはKuさんが月のプレイヤーで大勝ちし、妻が月のプレイヤーをやっているときにもうまくしのいで1位。
クレイジークッキング(Too Many Cooks/R.Knizia/R&R Games, 2002)
みんなでよってたかってヘンテコりんなスープを作るカードゲーム。最近クニツィアがアメリカのメーカーから出しているゲームのひとつです。原題は「料理人が多すぎると…(ひどい料理ができる)」です。「船頭多ければ船山に上る(指図する人が多すぎて統一がとれず、かえってとんでもない方に物事が進んでいくこと)」を思い出させます。
ラウンドのはじめに各プレイヤーは手札を見て、「本日のスープ」を決めます。スープには「たまねぎ」「マッシュルーム」「いんげん」「チリ」の4種類があり、目標どおりに作れれば星がもらえます。このほか、1トリックも取らなければ5つ星という、「今日のスープなし」というメニューもあります。
手番には1枚ずつ数字(0~10)の書いてあるカードを出しながら合計していきます。基本的にマストフォローですが、チリが出たら何を出してもよくなります。10以上にした人がそれまで出たカードをもらいます。
スープによって減点になるカードがあるので、他のプレイヤーが何のメニューを提示しているか見て、減点になるカードを押し付けあいます。また減点にならなければ相手がほしがっているカードを自分で取ってしまうのも手です。ほしいカードをちゃんと取るにはどのカードからリードすればいいのかという考えどころもそれなりに用意されています。
ラウンドが終わったら取ったカードの中で自分のメニューのカードを抜き出してプラスポイント、減点になるカードを引いて星をもらいます。そして次のラウンドになりますが、1度使ったメニューは捨て札になります。したがってラウンドが進むにつれてメニューが減り、状況は厳しくなっていきます。そこでこそ料理人の腕前の見せどころになるでしょう。
メニューが重なると戦いはシレツです。たった1枚で雲泥の差がついてしまう、ハラハラドキドキなカードゲームでした。ゲームはKuさんが的確なメニュー選択で1位。