ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は16日18時00分(日本時間の25時00分)、ベルリン市内のホテルにて今年度大賞の発表と授賞式を行った。5月に発表されていた(TGiWニュース )各3タイトルのノミネート作品から、赤いポーンの大賞には『ドーフロマンティック・ボードゲーム』、灰色ポーンのエキスパートゲーム大賞には『チャレンジャーズ!』、青色ポーンのキッズゲーム大賞には『ミステリウム・キッズ』が選ばれた。
ボードゲームジャーナリストやボードゲーム評論家の審査員11名によって選出されるボードゲーム賞。授賞式にはデザイナーと出版社代表が参加し、その様子がYoutube配信で中継された。はじめに大賞を4回受賞し、4月に逝去したK.トイバーの追悼ビデオが流された後、キッズゲーム大賞、エキスパートゲーム大賞、ゲーム大賞の順にノミネート紹介と大賞発表が行われた。
ハリコフ出身で、ロシアの軍事侵攻後もウクライナの避難所などでボードゲーム会を開催しているM.マリウテンコ氏がプレゼンテーターとして招待された。各ノミネート作品のデザイナーと出版社も出席したが、エキスパートゲーム大賞にノミネートされた『IKI』の山田空太氏は欠席し、フランス語版からドイツ語版にローカライズを行ったジャイアントロック社の方が代表して登壇した。
『ドーフロマンティック・ボードゲーム』はテンデイズゲームズから、『チャレンジャーズ!』はホビージャパンから日本語版が発売予定となっている。各賞の結果と審査員会からのコメントは以下の通り。
大賞受賞を喜ぶパルム氏(右)とツァッハ氏(左)。その左はSdJ審査員のシュラーパー氏
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)2023
ドーフロマンティック・ボードゲーム(Dorfromantik: Das Brettspiel)
ゲームデザイン:M.パルム&L.ツァッハ、イラスト・P.リーベ
出版社:ペガズスシュピーレ
1~6人用、8歳以上、30分
当サイトのプレイレポート
審査員会コメント:『ドーフロマンティック』は日常生活のストレスを取り除く。この気持ちいい協力ゲームでは、ゲームのたびに新しいエキサイティングな目標が設定されるが、決して負けることはない。簡単に解ける課題から徐々に難しい課題が追加されていくが、すべてが快適な範囲にある。この共同パズルゲームでは、誰かが最善手を思いつくこともあれば、ほかの人が出すこともある。キャンペーン式で、またゲームを遊びたくなり、そして、説明が終わってからも、途中からでも参加できる。
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)2023
チャレンジャーズ!(Challengers!)
ゲームデザイン:J.クレナー&M.スラヴィシェック/イラスト:J.ハーヴェイ
出版社:ワンモアタイムゲームズ+ズィーマンゲームズ
1~8人用、8歳以上、45分
当サイトのプレイレポート
審査員会コメント:『チャレンジャーズ!』は、ボードゲームの夕べをイベントへと変える斬新なコンセプトを提供し、成績優秀者2名による決勝戦まで、エキサイティングで波乱万丈である。特に多人数グループでは、次々と対戦相手が変わる個人戦が生み出す大会の雰囲気を楽しむことができる。さまざまな組み合わせが可能なため、繰り返し遊べる魅力も高い。
ドイツ年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)2023
ミステリウム・キッズ(Mysterium Kids)
ゲームデザイン:A.ボカラ&Y.ヒルシュフェルト/イラスト:O.ダンシン
出版社:リベルー+スペースカウ
2~6人用、6歳以上、21分
審査員会コメント:タンバリンで子どもたちはすぐに魅了される。正しい音を出し、耳を澄ませるというチャレンジと相まって、独特の雰囲気がある。プレイヤーが一緒になって探していたものが見つかったときの喜びはひとしお。『ミステリウム・キッズ』は、エキサイティングなタスクとユニークなゲーム用具で、満足できるゲームである。