E.ラング氏のツイッターアカウント凍結に異議続出

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『ブラッドレイジ』『ヴィクトリアン・マスターマインド』『ライジングサン』『クォーリアーズ!』などの作品があり、CMON社(シンガポール)のディレクターも務めているカナダ人ゲームデザイナー・E.ラング氏のツイッターアカウントが凍結され、これにボードゲームギークのスタッフらが異議を唱え、凍結解除を求める運動が広がっている。一体何が起こったのか、おかんさん linkの協力を得て調べてみた。
ラング氏がFacebookで行った状況説明によると、女性蔑視や人種差別発言などで知られている ユーチューバーTheQuarteringが、スターウォーズの新シリーズでフィン役を演じた黒人俳優ジョン・ボイエガについて差別的発言をしたため、ラング氏はこのユーチューバーのフォロワーを数千人規模でブロック。事前に「TheQuarteringのフォロワーがいたらブロックする」とツイートし、それをTheQuarteringがリツイートし、フォロワーがまとめてラング氏を通報してアカウントが凍結されたという。
「私は半分が黒人で半分が白人だが、この業界ではいつも黒人デザイナーと呼ばれている」(Twitterより翻訳)というラング氏は6月、ミネアポリス事件がもとでブラック・ライヴズ・マター(黒人の命を救え)運動が世界的に広がった直後にリモートでダイスタワーに出演 linkし、アメリカのボードゲーム業界にある人種差別や女性差別を訴えていた。
また、6月19~21日にかけて開催される予定だったオンラインイベント「オリジンズ・オンライン」でラング氏が出演をキャンセル。それが契機となって他の有色人種系の出演者が多数キャンセルし、結局オリジンズ・オンライン自体がキャンセルになってしまう。全米でデモが起きている最中の開催自粛だったが、これでラング氏がターゲットになってしまったのではないかという見方もある。
なお、ゲームデザイナーのR.バーク氏がレイシスト(人種差別主義者)であることが明るみになりウィズキッズ社が作品の取り扱いを停止していたため、逆恨みでラング氏を通報したのではないかという見方もあるが、バーク氏は、自ら通報したり共謀して通報したりした事実はないと述べている。
この凍結は悪意ある通報に基づくものだとしてボードゲーム関係者の多くは憤り、ツイッター社にアカウント凍結解除を求めている。
一昨年、シリア難民が押し寄せるドイツでボードゲームを通した反人種差別運動が起こっているが(記事 link)、このたびはボードゲーム業界内の人種差別が垣間見られ、闇の深さが伺える。

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