引き返せない第2フェイズ
手持ちの牌を降順に出して、出した牌を得点にするタイルゲーム。『ブラックストーリーズ』などで知られるモーゼス出版がエッセン・シュピール’19で発表した。引き返せない2つのフェイズの移りどころが悩ましい。
1~11の数字が6色で書かれたタイルが配られてスタート。手番には同色のタイルを何枚でも自分の前に出すか、要らないタイルを捨てる。出しても捨てても、同じ枚数を補充する。
そのうち「このへんでいいな」と思ったところで、今度は自分の前に出ているタイルを得点化するフェイズに移ることができる。同色のタイルを何枚でも支払い、その合計だけ場に出ているタイル1色を数字の小さいものから得点化する。あるいは要らないタイルを捨てて補充してもよい。
お釣りは出ないので、数字の大きいタイルを得点化するのは大変だ。ここがタイトルにもなっている「お釣りはないよ」である。補充するタイルは袋に入っており、袋が空になったらゲーム終了。このときにまだ得点化できていないタイルは失点になってしまう。
後半のフェイズに移ったら、もう前半に戻ることはできない。前半のフェイズで欲張ってタイルを並べすぎると、ろくに得点化しないうちにゲームが終わってしまうし、逆に安全にしすぎて早めに後半のフェイズに移ると、得点化できるタイルが少なくなってしまう。ほかのプレイヤーの動向を見ながら、どこで後半のフェイズに移るかで、チキンレースの様相を呈する。
1回目はたいてい失敗するが、15分くらいで終わるので、2回目、3回目と続けて遊べる。プレイヤーによって性格が変わり、展開も変わるので飽きない。手札運がやや強いが、何度も遊んで総合得点を競えばそのあたりも緩和されるだろう。
独特な形のコンパクトなタイルの手触りもよく、デザインもスッキリしていて広くオススメしたい作品だ。
No Return: Es gibt kein Zurück!
ゲームデザイン・M.トイブナー/アートワーク・フィオーレ
モーゼス出版(2019年)
2~4人用/8歳以上/30分
このゲームは非常に興味深いですが、どこのインターネットサイトを探しても売っていません!どこで買えばいいのでしょうか?
現時点では国内未発売ですが、日本語版の制作を予定しているところがあるようです。あとは個人輸入という手がありますが、このご時世難しいかもしれません。
子供には一部分かりにくいところがあった。
特にフェーズ2(得点化)に移行するところだ。大人であれば、ある程度を見越してフェーズ2に移行できるが、子供にはそのタイミングを掴むのは難しい。
初心者や子供の場合は別な用紙に縦列の色を明記し、六つの列を分かりやすくした上で、置ける列は3列までに制限をかけた方がいいかもしれません。