イベントのレポートはこちらへ。今回はデモプレイ卓でいくつか遊ぶことができた。たった1日だけのイベントなので、遊べるとしても実質半日。もちろんエッセンだって4日間で750ものブースを全部見て回ることなど不可能だが、ゲームマーケットも今年100ブースを超えた。近い将来、2日間、3日間のイベントになってくれるといいな。
Bandits!(Bandits! / 柳川一隆 / GOTTA2, 2008)
みんなが裏をかいた
手下のカードでお宝を集めるカードゲーム。はじめに4つのエリアに宝箱カードを並べる。この数値を見ながら手札を1枚、一斉にオープン。エリアの色に対応するカードを出した人が宝箱を取る。
バッティングしたときは、カードの数字によってどの宝を取るか交渉できる。前に取った宝からお釣りを出してもよい。交渉が決裂したら戦争。手札からカードを追加して数値の大きい人が宝を独り占めしてしまう。
だから手札を多く持っていると有利になるわけだが、手札の補充は手番をパスするか手に入れた宝を売るかしないとできない。手番をパスすればほかの人がやすやすと宝箱を取ってしまうかもしれない。でも補充しなければジリ貧になっていく。どこで補充するかのタイミングが重要だ。
またナイトはほかのカードを蹴散らして独り占めできるがバッティングしたら無効になるし、ゴーレムは無敵で何度も使いまわせるが購入に大金を要したりと強いカードにもリスクがある。ゲームを盛り上げる数々の仕掛けもよく作りこまれている。
誰も出さなかった色のエリアは宝が累積して競争率も高い。誰が制するか、とんでもないどんでん返しが待っている。極力宝を使って補充しなかったケチな私が、最後まで取っておいたナイトで高得点を挙げて勝利。
Dig it! (Dig it! / 柳川一隆 / GOTTA2, 2008)
めくってめくりまくれ
ダイヤ発掘をテーマにした超シンプルなバーストゲーム。はじめに投入する人員を宣言してから山札をめくり始める。何枚めくってもいいが、落盤事故のカードが出ると人員が引かれていき、0になったらバースト。その前に適当なところで発掘をやめて、それまで出てきたダイヤモンドを確保しよう。
ツルハシのカードは効果なし。これが結構入っていて、さらに掘りたい気持ちを煽る。もちろんほかのプレイヤーだって煽る。いい気になってめくり続けた私は人員を全て失った挙句に獲得ダイヤ0でした。
メーカーサイト:GOTTA2
Genji(源氏 / D.キーク / ズィーマンゲームズ, 2008)
うちの女房に!
源氏物語に登場する女性たちを経巡りながら、和歌をプレゼントしていくという風雅なゲーム。『R-ECO』や『カルタゴの貿易商』などカワサキ氏の作品を手がけるズィーマンゲームズが『ワサビ』と共に試作品をバネストに送った模様である。
場に並んだ桐壺など12人の女性。好きな人を女房にしてゲームをスタートする。時計回りか反時計回りに1~3マス進み、移動先で和歌のカードを出す。カードには春夏秋冬や喜怒哀楽のさまざまなマークがついており、女性の好みとそのシーズンのトレンドによってポイントを決める。
後からその女性に入った人は、前の人より高いポイントのカードを出せば奪うことができる。こうして誰かが1周して自分の女房に帰ってきたときに得点計算。他人の女房や、最多ポイント賞などで得点を入れる。これを4シーズン繰り返して歌の上手い男の勝利。
カードは和歌が上の句、下の句に分かれて書かれており、自由に組み合わせることができる。英訳が横についているが、和歌は草書で書かれているので百人一首に慣れ親しんでいないとこのあたりのテイストは楽しめないだろう。そうでなくとも、歌で女性を虜にするという戦いは燃えるものである。私は下手な歌ばかりでぜんぜん冴えなかったが……。