先週に引き続き秋葉原。水曜日の会のあり方について問題提起と議論が始まってから、心なしか参加者が親密になった気がする。初参加者も緊張しないで楽しんでもらえるような会話やゲーム選択も、意識している人が多いように感じた。対応の仕方に関するノウハウの蓄積はこれからだとしても、主催者に任せておくのではなく、参加者がよりよいゲーム環境を作ろうとしているのは学ぶところ大で、とてもよいことだと思った。
海賊王コルザリ(Corsari / L.コロヴィーニ / ピアトニク, 2003)
出航前に、揃うか乗組員?
乗組員カードを揃えて出航するカードゲーム。余分なカードは「密航者」として失点になり、この失点を減らすのが目標である。
はじめに配られる色も数字もばらばらな12枚のカード。手番には山札・場札・捨て札から1枚を引き、代わりに1枚を捨てる。こうして、できるだけ2色で連番になるように揃えよう。麻雀のような楽しさがある。
でも、目的は揃えることではなく、カス札を減らすこと。だいたい揃ったと思えば出航宣言しよう。ここで全員カードを公開し、2色・連番に収まらなかったカス札が失点だ。ただし、場札と同じ色、出航宣言した人が持っていなかったカードは失点を免れる。失点を少なくするためには、場札とほかの人が集めている色をよく考えながら手札を揃えなくてはならない。
出航宣言して一番失点が少ないと、失点を捨てることができる。だがほかの人のほうが失点が少ないとそれを全部受け取る破目に。リスクがあるが、やりがいもある。
ここでさらにひとひねり。失点が累積し、全員35点以上になったところでゲーム終了。最後は、失点になったカードの枚数が少ない人が勝つ。数字の大きいカードで失点を重ねておけば、勝つチャンスはあるということだ。
つなきさんが3連続出航したが、失点は必ずしも一番少なくなかった。しかし、これ以上続行してもカス札が増えるばかりならば、さっさと出航してしまったほうがほかの人の失点を増やせるという読みがあったという。運任せのようでいて、読みどころは確かにある。またやりたくなる魅力を持った作品だった。
ヤヌス(Janus / L.ハンナッペル / アミーゴ, 1997)
カードの裏はどうなってるの?
両面に印刷されたカードを取ったり取られたりしながら、3枚1組のセットを作るゲーム。
手札は、自分の面しか見ることができない。裏にはまた別のマークが描いてあるかもしれないし、同じマークかもしれない。手番には、2枚まで山札かほかの人から取って、2枚まで捨てることができる。上限は4枚だけで、4枚になるとパスしなければならないから2、3枚くらいで揃うのを待つのがよいだろう。
カードの裏面を見ることができるのは、Aさんに取られて、AさんがBさんに取られたとき。人数が少なければ、どのマークがどこに行ったかをきっちり覚えて狙って取りにいくということもできる。
今回は多人数だったのでパーティゲーム風。集まりかけたら誰かが持っていってしまう。そんな中、なぜか「H」のカードばかり揃う私。「Hばっかりですねー。」3セット集めたところで、「もう、おのさんの勝ちでいいです」と終了。はめられたか?
悪魔城への馬車(Die Kutschfahrt zur Teufelsburg / M.パルム、L.ツァッハ / アドルング, 2006)
正体が分かってからが勝負
10人までできる正体隠蔽カードゲーム。悪魔城に向かう馬車に乗り合わせたプレイヤーは、実は2つの組織のうちどちらかに所属している。仲間を見つけ、必要なアイテムを揃えよう。
手番にできることは、誰かを指名して攻撃するか、またはアイテムを交換するかのいずれか(何もしたくなければパス、アイテムが揃ったと思えば勝利宣言もできる)。攻撃には全員がどちらに味方するか、あるいはどちらにも味方しないかを明らかにし、その人数で勝敗を決める。勝者は、敗者のの正体を見たりアイテムを奪ったりできる。引き分けなら、攻撃した人がアイテムを1枚引く。
序盤は攻撃によって互いに正体が分かってくる。正体を見ていない人でも、正体が分かった人が味方につくかどうかによって、「敵の敵は味方」の理屈で推理することが可能だ。しかしこれはあくまでの前哨戦に過ぎない。
ゲームの勝利は、自分の所属する組織に必要なアイテムを3つ集め、それを仲間の誰が持っているか言い当てることによって成し遂げられる。いい加減な予想で間違えると、即座に相手チームの勝利になってしまう。そのためにアイテム交換がある。できるだけ自分で集めつつ、味方だと分かっている人にパスしたりして、アイテムの動きを明るみにしよう。でもあまりあからさまにやると、相手チームに奪われるかもしれないから注意が必要だ。
アイテムの中にはさまざまな特殊効果があり、また各プレイヤーの特殊能力も絡んでゲームは最後まで息が抜けない。
さて今回の展開だが、序盤はもちろん敵味方が分からないから適当に攻撃する。どうみても出鱈目に味方しているような人がいて混乱したが、中盤、ほとんどの味方が急に見えてくる。そうなるとアイテム揃えの競争になるが、先に味方が結束した(視線でそんな感じがする)我々「公然の秘密結社」が、ちろるさんに鍵をパスして勝利。
「バン!」や「シャドウハンターズ」などと同系列のゲームだが、第3陣営がなく、個人勝利条件も達成しにくいため協力プレイの要素が高い。攻撃・防御への味方も一定の論理に基づいて行うのが仲間に自分の存在を知らせる方法になるなど、運の要素を絞ってロジカルに遊べるようにしてある点がとてもよい。ニヤニヤしながらじっくり遊びたい方に。