YBGCで恒例になりつつあるゲーム合宿は昨年から3回目。会場は長井あやめ温泉桜湯別館。今回は山形県内の参加者も増え、さらに仙台・遊友会、岩手からBugさん、そして関東からかゆかゆさんとカワサキさんという参加になった。夕食ではmuraさん特製のカレーを頂き、Bugさんの地ビールや参加者がもちよったお酒に舌鼓をうちつつ、ゲーム以外のことも充実してきたようだ。徹夜組が数名、チェックアウト直前まで遊んだ。
禅道|いろんなもの|卵のダンス|ニューヨーク五番街|プライバシー|イグルーイグルー|エバーグリーン|スーパーセンテンスゲーム|アップルトゥアップル|闇市|ワイルドラッシュ|イエローストーン
禅道(Zendo / K.Heath / Looney Labs, 2003)
喝! 仏性ありやなしや?
師匠が決めた「仏性」を直感と推理で見つけ出すゲーム。以前マスターマインドという配列と色を推理するゲームがありましたが、それよりもより複雑に、そして多人数向けになっています。
師匠(=親)ははじめに公案(=規則)を設定し、それに従ってコマを並べます。写真の例では「緑が使われていない」というのが公案で、左側が公案に合っているもの、つまり「仏性アリ」、右側がそうでないもの、つまり「仏性ナシ」となります。
公案の要素として使えるものはいろいろあります。マスターマインドは8色と4つの順序だけでしたが、禅道で使うピラミッドのコマには4色、大中小、わきに刻まれたポッチ(穴)、直立・横・どちらでもないという向き、他のコマを指しているか否か、接地しているか否かという選択があり、さらに「~でない」という否定的な規則や、奇数・偶数個あるなどの選択を入れていけば無限の可能性があります。実際に使われるのはそのうち1つか2つの要素の組み合わせで、それだけでも難易度は十分です。
弟子(=子)は1人1人、師匠の公案を予想しながらコマを並べます。そして師匠に仏性があるかないかを質問できます。仏性アリなら白い石、仏性ナシなら黒い石。しばらくこれを繰り返し、場にさまざまなオブジェが並ぶのを観察していると、次第に公案が分かってくるでしょう。
さて公案の予想がついてきたら、師匠にチャレンジします。当たっていればゲーム終了、外れていれば師匠は新しい反例を1つ作ってゲームを続行。したがって公案を見つけるのは早い者勝ちになるわけですが、チャレンジするためには、解答権を得なければなりません。それが「問答」です。
自分の番にコマを並べたら「問答」を宣言、そのオブジェに仏性があると思うならば白い石を、ないと思うならば黒い石を全員が握ります。一斉に公開してから、師匠が正解者全員に緑の石をプレゼント。これが解答権となります。他の人に解答権を取らせないようなうまいオブジェを作るのも腕の見せどころ。でもえてして、自分でもよくわかっていないのに見切り問答だったりするのですが……。
要素がたくさんあるため、いくつかの可能性を絞り込んでいくというよりは、直感的に思ったことを確かめていくという推理に近い感じがします。面白いことに、公案がまだまだはっきりしない状態でも、直感的に仏性があるかないか何となくわかります。これは言語化されていない前意識下で解答が形成されつつあるということかもしれません。「ありそう」「なさそう」という直感は解答を早く見つけだすために大切なのです。ただし、その直感が外れてしまうと、修正するのがたいへん。
相手を出し抜かなければならない焦りの中でじっくり推理をするという、静的かつ動的な頭の使い方が新鮮でした(相当疲れましたが)。アブストラクトな物体の中に隠された法則を探すというシステムが、参禅という雰囲気をよく出しています。ちなみに本物の禅問答では「片手で拍手する(仏性アリ)」に対して「花をかざしてニッコリする(仏性アリ)」が答えになるなど、仏性の有無は別の実例で答えることが多く、その論理は日常を超越しています。筆者も禅宗の僧侶として、禅問答の儀式をしたことがありますが、すべて台本通りでした(笑)。
いろんなもの(Viele Dinge / K.Adlung&B.Naegele / Adlung, 2003)
こじつけて、押し切る
指定されたアルファベットで始まるものを、場に並んだイラストのカードから取るカードゲーム。アドルング社のアドルング社長が自ら手がけたゲームとしてはカラフルクマさん以来2年ぶりとなります。この人は「早く見つける」が基調なのでしょうか。
さて、イラストには「果物」「工事」「サーカス」「森」などが描かれています。指定されたアルファベットで始まる単語は関連性があればOK。「果物」のカードはバナナとブドウとイチゴしか描かれていませんが、「A」でアップルと言うこともできます。連想力、想像力が試されますが、中には笑ってしまうようなこじつけも。
カードをめくってアルファベットを決めたら、一斉にスタート。誰かが6枚取るまで、黙々とカードを取り続けます。6枚取ったら発表会。順番に1枚ずつカードをみんなに見せて、当てはまる言葉を言っていきます。前の人が言ってしまったものはNG。「うまい!」と思わせるものから「え~?!」とブーイングが起こるものまで百出して楽しめます。認められなかったものや、何で取ったか忘れたものは除外し、一番多かった人にポイントが入ります。数ラウンド行い、一番ポイントの多い人が勝ち。
アイデア勝負でみんな納得のカードを取り続けたカワサキさんが1位。「電化製品」に「マツシタ」、「スーパーマーケット」に「モリナガ」、「パソコン」に「NEC」と答えたmuraさんが光っていました。「西洋の古城」に「安土桃山城」と答えたかゆかゆさんもヒット(NGでしたが)。この手のゲームは苦手な人もいたようですが、収支笑い通しでした。発想力の訓練に企業などで使ってみてはいかがでしょうか。
卵のダンス(Eiertanz / R.Fraga / Haba, 2003)
てけてけ てって たまごはにげる
卵を体のいろいろなところに挟んで落とさないようにするアクションゲーム。ドラゴンデルタ、スカッド・セブン、タイム・イズ・マネーなど異色のゲームで知られるフラーガの子どもゲームで、ムーン氏のゲーム会で好評だったり、ドイツ子どもゲーム賞にノミネートされたりするなど昨年の子どもゲームの中でも特筆に値します。
自分の番にはアクションサイコロを振ります。そこにはニワトリの鳴き真似をする、鳴き真似をしない、サイコロをいち早くつかむ、卵を50センチ上から落としていち早く拾う、テーブルを一周していち早く自分の席に着くなどのアクションが書いてあって、それを達成した人が卵をもらいます。もらった卵はもうひとつのサイコロで指定された箇所へ。首の下、首の横、わきの下、ひじ、足の間など。
これを繰り返したらどうなるか想像はつくでしょう。変な姿勢の人たちが走り回ったり、卵をうばいあったり。周囲は見ていて大笑いですが本人たちはいたって本気。卵を1個でも落としたら負けなのです。
私は観戦に回って高みの見物。楽しませてもらいました。
ニューヨーク五番街(Fifth Avenue / W.Manz / alea, 2004)
そんなとこにビル建てても客来ない
ニューヨークの目抜き通り、高級店が居並ぶそばに建物を建ててポイントを稼ぐボードゲーム。大人用ゲームで高名なアレアの大箱第9弾ですが、第7弾プエルトリコまでと比べ、第8弾氷河期と同じく、発売後の評判をとんと聞きません。メビウス頒布会もやっと今月末という遅さで、その謎に迫りました。
手番にできることは以下の4つのいずれかです。終わってから手札を補充して、コミッショナーを移動します。
- 建物の補充
ストックから手元へ。手元にないと建設できません。 - 店舗の建設
自分の建物に隣接するところに建てます。店舗が多ければ多いほど、得点が増えます。 - コミッショナーの移動
得点計算は、コミッショナーの通った街区で発生します。自分の建物がある街区を通ってもらいましょう。コミッショナーはこの手番で2回移動することになります。 - 街区の得点計算
コミッショナーがいる街区で直ちに得点計算を起こします。コミッショナーは下家の有利にならないように移動しているので、おいしい思いは滅多にできません。
そしてコミッショナーが1周するごとに、建物を建てる権利をめぐって競りを行います。コミッショナーが通った4つの街区について、街区ごとにそれまでためた手札を出して競ります。全部の街区を競り落とすことはまずできません。どの街区につぎ込めば儲かるのか、他の人の建物や手札状況から考えましょう。街区ごとに、出せる手札の色に制限もあります。
得点計算は最後。隣接するお店の種類×自分の建物の数で点数が入ります。お店と建物を街区の片隅に集めれば効率がいいわけですが、おいしい区画は他の人も狙っているのでなかなかそうはいきません。同じお店を共有するようにして協力しながら、総合で抜けていく強かさが必要なようでした。
セントラルパークにつぎ込みつつ、他の街区では建物を分散させたBugさんが1位になるかと思われましたが、かゆかゆさんがお店4種類のエリアに建物をたくさんたてて追い抜き1位。
アレアは、何か新しい方向性を模索しているのかもしれません。システムでガチガチに縛られた従来のドイツゲームから自由度の高いシステムへ。氷河期でも思ったことですが、やれることがあまりに多くてゲームの展開がプレイヤーの裁量に任されます。全員を敵に回すプレイではゲームが成り立ちません。利害が一致するところではなるべく協力していく機会を増やすことで、やっとゲームのバランスが取れるように感じました(つまり、今回は協力プレイがなかったためボロボロだったということ)。そういう意味で難易度の高いゲームだと思います。
プライバシー(Privacy / R.Staupe / Amigo, 2004)
恥ずかしー、でも聞いてみたい
とても面と向かって聞けないような恥ずかしい質問にこっそりと答え、Yesの数を予想するゲーム。近年子どもゲームばかりで売り出しているシュタウペ氏が、突如として発表した大人向けパーティーゲームです。対象年齢16才以上。でも奥ゆかしい日本人なら20才以上?
はじめにカードをめくって質問を読みます。ドイツ語なのがネックですがどれもこれもぶっとんんだ質問ばかり。「過去6ヶ月間にポルノを見たことがある」「家族に政党員がいる」「恋人に自殺を迫られたことがある」「初体験は21歳以上だ」「100万円もらったら新聞で脱いでもいい」「性病に罹ったことがある」……ほとんど下ネタ。これって、シュタウペ氏が全部自分で考えたんでしょうか?
こんな質問に一人一人答えられるはずがありません。覆いの陰でこっそりと、回ってきた黒い袋の中に自分の答え(Yes=黄/No=黒)を入れ、「笑っていいとも」の客席アンケートのような感じでみんながひそかに質問に答えます。ひそかに答える代わり、正直に答えなければなりません。
さて、開票作業をする前に、全員のうち何人がYesと答えたかを円盤を回して予想します。参加者の顔ぶれを見渡してプロファイリング。袋をざざーっと開けて黄色のコマの数を数えます。ちょうどの数を予想したら3点、前後賞は1点。その分コマを進めて、ボード上を早く1周した人の勝ち。
ちなみにYes回答者が1人のときと、全員-1人のときは前後賞だけ調べます。これは回答者が特定される可能性をなくすためで、こうした細かい配慮はさすがドイツ。とにかく質問の内容が過激で、そのリアクションだけでも十分に盛り上がりました。12人まで遊ぶことができます。
(謝辞:ゲーム提供 メビウス店長・能勢様)
イグルーイグルー(Iglu Iglu / B.Faidutti&B.Cathala / Goldsieber, 2004)
逆カルカソンヌって、本当?
どんどんなくなっていく氷上で、狩猟をしながら陣取りをするボードゲーム。キャラものが得意なフェドゥッティ(操り人形、ドラゴンストーン)にしては珍しく、運と戦略のバランスや陣取りの雰囲気ドイツゲームらしい仕上がりです。
手番にはまず、氷タイルをひとつ溶かします。タイルには流氷、魚、シロクマ、キツネ、特殊能力などのイベントが描かれており、氷タイルを動かしたり、獲物を盤上に配置したりします。
次に自分のイヌイットを移動して狩猟を行います。アクションポイント制なので、限られたアクションポインをうまく使えるよう、3人のイヌイットを効率よく使いましょう。どこにどんな獲物が出現するかは運次第なので、早い者勝ちでワイワイと競争できます。
そうこうしているうちに氷タイルがだんだん少なくなってきます。最後は残った島で陣取りです。イグルーを建設して、それぞれの島の最大多数をとりましょう。広い島でも、どんどん氷が溶けていって最後は1マスだけになってしまったり、隣の島から氷が流れてきて陣容が変わってしまったりするで油断できません。コマが乗っているタイルは原則として溶けないので、終盤は自分の島を確保するためのアブストラクト風な戦いになります。
シロクマをがんがん射止めた上野さんが1位。神尾さんはイグルーまでつぎ込んだ島がどんどん溶けてなくなり1マスしか残らないという結果になりました。作者は逆カルカソンヌという意図で作ったと言っていますが、タイルがだんだん減っていくというだけでプレイ感は全く異なります。陣取りは終盤に起こりますが、その布石は前半からつながっており、目先の獲物ばかりに目を奪われないで自分のイヌイットを適切な位置につけておくという戦略も必要。近年落ち目のゴルトジーバー社ということもあってか、あまり注目されていませんが、このゲームはアフリカ、ゴールドランド、ニューイングランドの3作以上におすすめです。
(謝辞:ルール和訳提供 ずーあーさん)
エバーグリーン(Evergreen / W.Kramer&M.Kiesling /Goldsieber, 1999)
あーやってこーやって…あれ?時間終了
時間内にカードを出して人気レーベルを確保するゲーム。ティカル、トーレスと大賞を受賞したコンビが同じ時期に発表していた軽いゲームです。
はじめ、手札から3枚を自分の前に出します。色別に一番大きい数字を出している人が、対応するレコードを持ちます。そしてゲームスタート。手番にはカードを出して、できるだけ多くレコードを集めていきます。
カードは、はじめに出した3枚の上に乗せて上書きしていきます。数字の大きいカードを自分の前に出してもかまいませんし、数字の小さいカードを他の人に出してもかまいません。結果として自分の前にあるカードの数字が一番大きくなったら、レコードを奪取できます。
この作業、ゆっくりやれば最適解が見つかるのかもしれませんが、砂時計で時間が制限されています。砂時計が落ちたら手番終了。したがってどこにどのカードを置けばレコードが取れるか、瞬時の判断力が要求されることになります。慌てて自分がレコードを確保しているカードを上書きしてしまい、レコードは他の人に渡ったりなんてことも。
レコードは他の人に移るたびに価値が上がっていきます。そしてゲーム中1人につき3回、頃合を見計らってコンサートを開きます。手番の最後にコンサート宣言をして、そのとき持っているレコードの価値で得点を得ます。このとき指定レーベルは2倍、さらに3回のうち1回はスペシャルコンサートにでき、点数2倍。指定レーベルの操作やコンサート宣言も砂時計が落ちきる前にしなければいけないので、欲張りすぎずレコードがある程度たまったタイミングをつかまなければなりません。なかなか忙しいゲームです。
序盤はみんな要領を得ず、レコードがたまっても宣言できなかったり、無用なカードを使ってしまったり。後半になってコンサートをばしばし成功させたBugさんがダントツ1位。1ゲーム30分以内で終わるので、何ゲームか行ってスキルを磨くのがよいかもしれません。全体を瞬時に把握する能力、最適の手札を判断する能力が問われます。
スーパーセンテンスゲーム(Super Sentence Game / Anonymous / India)
英単語が書かれたたくさんのダイスを一度に振って、砂時計が落ちる前にクロスワードのように縦横に並べて文を作っていくインドのゲーム。はなまる作文ゲームをダイスにしたら、面白いゲームになるかもしれません。
アップルトゥアップル(Apples to Apples / M.Kirby & M-A. Osterhaus /Bivery, 2003)
ポイントをもらったカードの組み合わせを赤リンゴと一緒に自分の前にさらしておきました。最後に品評会ができて面白かったです。「ひょうきん者」という緑カード(形容詞)や「歯医者に行く」という赤カード(名詞)はどうなんでしょう?
闇市(Schwarzmarkt / S.Dorra / Amigo,1996)
一粒万倍日って、今日?
闇の物資をころがしてぜいたく品を集めるゲーム。シンプルで楽しいドーラの作品です。
闇の物資はどんどん値段が上がっていきますが、上がりきったらラウンド終了で売ることができなくなります。どの値段で手を打つか、他の人の動向も見ながら見定めるチキンレースです。
はじめ闇市カードで、どの物資をいくつまで売れるかが指示されます。自分の番になったら物資を売るか、売らずに価格を吊り上げるかを選びます。なお売っても価格はちょっとだけ上がるので、価格は上がりっぱなしです。売るとぜいたく品がもらえ、最後はぜいたく品の数で勝敗を決めます。
はじめは1品1だった価格が最後は50まで跳ね上がるという闇市らしさ。誰しも他の人より高く売りたいわけですが、自分の番が終わるたびに価格が上がっていくので、1周して自分の番まで回ってくるか、ドキドキしながら待つことになります。無謀に価値を上げたり、待ちすぎているとあっという間にラウンド終了。他の人ががっぽがっぽ儲けているのを指をくわえてみていなければなりません。
ゲームには不思議な場の流れがあり、なぜか同じ人が儲け続ける展開に。その流れを変えようとしましたがうまくいきません。手札の品揃えは運に任されますが、それをどうマネージしていくかは戦略があるように見えました。
ワイルドラッシュ(Wild Rush / Kawasaki / Kawasaki Factory, 2004)
脳波エキサイト100%(意味不明)
ナンバーカードを正しい順序でカゴに投げ込むスピーディーなゲーム。カワサキファクトリーから、R-ECOと共に今年のゲームマーケットで発売された作品です。
各自手札を裏向きにしてシャッフルし、親がNGカードを出したら手札を見て一斉にスタート。早い者勝ちでカードをカゴに投げ込みます。最初に投げ込まれたカードが1なら1,2,3,4…と昇順、10なら10,9,8,7…と降順。1人1枚だけ出します。NGカードを出したり、タッチの差で先に同じカードを出されたり、最後までカードが出せなかったりしたらマイナスポイントになります。1ゲーム5秒未満。何ゲームかやってマイナスポイントの少ない人が勝ち。
はじめに手札をシャッフルするので、どのカードがどこにあるかすぐに把握できません。1が一番手前にあればすぐ出せるでしょうが、後ろの方だと他の人に先を越されるでしょう。1枚だけ出せばよいので、慌てず5か6あたりを待ってさっと出すという戦略もあります。ただ早ければよいのではなく、臨機応変に判断できる冷静さも大事。ただ、同じことを考えている人がいるとこれまたたいへん。NGカードにも気をつけて。たった5秒の間、頭はフル回転しまくりです。
みかけはワードバスケットと似ていますが、バッティングしなければ早くなくてもよい、むしろ落ち着いていた方が強いというのが新機軸です。喩えれば居合い抜きのような感じでしょうか。とても楽しめました。
イエローストーン(Yellow Stone Park / U.Rosenberg / Amigo, 2004)
ザ・ガマン(古っ)
動物を同じエリアからはみ出ないようにするゲーム。カードゲームの帝王ローゼンベルクの新作で、分かりやすさ・手軽さが受けています。
手番には色と数字が並ぶようにしてカードを出していきます。このときできるだけ3×3のエリア(3色、3連番)に収まるように出しましょう。ここは監視が行き届いており安全です。
そのうちどうしてもこのエリアをはみ出す動物が出てきてしまいます。逃亡だー! 動物がはみ出して置かれると、3×3のエリアがその動物にあわせて移ります。前のエリアにいた動物は逃げ出してしまい、マイナスポイントに。
マイナスポイントが大きくならないよう、同じはみ出すにしてもできるだけ前のエリアに近いところにしましょう。前のエリアと重なっていればその分だけ、マイナスポイントを食らわないですみます。いかにはみ出さないか、はみ出したとしてもいかに少ないダメージで済ませるか。ここに手札のガマン比べが始まります。「うわー、もうダメだー!」
2枚出せれば、山札から補充できます。もちろん、補充すればするほど出せる選択肢が広がるわけですから補充しない手はありません。ところが手札を全部なくすと、マイナスポイントとして食らったカードを手札に戻せるのです。しかし補充しなければさらにマイナスを食らうリスクが増大していき……手札を補充しないというのも、もうひとつのガマンです。
カードのカウンティングをうまくすれば、ガマンのしどころが少し分かるかもしれませんが、基本的には引き運に大きく左右されるので、その場その場の状況を楽しみながら遊ぶのが吉といえそうです。今回は私が1人だけめぐり合わせがよく、ほとんどマイナスを食らいませんでした。