秋葉原のTRPGカフェ、Day Dreamでは定期的に創作ゲーム会が行われている。都内にいたときにこれにかゆかゆさん情報を得て急遽参加を決定。HammerWorksのHammerさん、グランペールの山上さん、カワサキファクトリーのカワサキさん、そしてカリスマテストプレイヤー(?)のかゆかゆさんと、豪華なメンバーが揃っていた。これにDayDreamの店員さんが適宜入って週末の夜を優雅に過ごした。
Three Dreams|トラウマ|グラグラカンパニー|R-ECO
Three Dreams(Hammer Woks)
Hammerさん作のダイスゲーム。今度のゲームマーケットで出展予定とのこと。6コのダイスを振って目を揃えます。得点表があり、確率が低いほど点数が高くなっています。また6コのダイスのうち1つはサイズの大きいダイスで、これと同じ目を多く揃えるほどたくさんボーナスがもらえます。
もちろん、1投でそんなにうまく揃うはずがありません。そこでこの出たサイコロからいくつかを取り除いて残りを振り直すことができます(振り直しは2回まで)。どのダイスを残して振り直すかが、一か八の中にも確率を考えなければいけないところです。
こうして点数を重ねていき、誰かが1,000点に達したところで劇的な最終ラウンドがあります。それは、通常の得点を倍率ダイスで何倍にもできるチャンスなのです。この倍率ダイスは何回振ってもいいのですが、高い確率で無得点にしてしまう目が出ます。そうなるとチャラ。でも、♪男だった~ら~というわけで最後の熱い戦いが繰り広げられました。しかし私は運も度胸もなく、ビリ。
トラウマ(Kayukayu)
かゆかゆさん制作中のカードゲーム。はじめにヒットポイントカードが配られます。このカードは自分だけ見えないように公開します(「ドメモ」「コヨーテ」のように)。手札を配ってスタート。手番には、中央の場に手札から1枚ずつ出し、カードを足し合わせていきます(「ノイ」「モレール」のように)。合計の1の位を0にできるとそれまでに出たカードを総取り。点数になります。しかし出したカードの数字が、公開されている自分のヒットポイントカードと同じだと、ヒットポイントをひとつ失ってしまいます。またその時に場のカードはほかのプレイヤーで分配されます。最後は獲得したカード枚数×残りヒットポイントで勝負。
ヒットポイントカードは数字が他の人とかぶらないようになっており、自分の数字をだいたい推理して回避できます。しかし常に安全策ではなかなか点数が取れません。ときには冒険してみたり、ほかのプレイヤーをワナに陥れたり、はたまたブラフを使ったりという戦略を楽しむことができます。
試作品はトランプを使ってやりましたが、簡潔で盛り上がるシステムになっています。これにどういうテーマが乗っかるのか楽しみなところです。
グラグラカンパニー(Kawasaki Factory)
企業を成長させるアクション+マネージメントゲーム。カワサキファクトリーが昨年のゲームパーティに出品した作品です。
テーブルには4つの企業ビルがあります。ビルはサイコロを積み上げてできており、各社3階建てからスタート。各自どれでも好きなビルのオーナーになります。目標は自分が経営するビルを積み上げてできるだけ高くすることです。
手番には、サイコロを振ってビルに積み上げます。サイコロには数字が振られており、これはビルに積んでいく順番を表します。数字が合わないと1つも積めないことがありますし、また数字の組み合わせをうまく使って積み上げるサイコロの数を調整することもできます。
振るサイコロの数は、それまでのビルの階数です。したがって最初は3コですが、ビルが高くなればなるほどサイコロの数はどんどん増え、ビルは急速に成長していきます。サイコロの数を調整するのは、このような急成長を抑える意味があります。
積んでいる最中に倒壊するとオーナーはマイナスポイントでまた3階から。2回倒壊が起こるか、振れるダイスの数が足りなくなったらラウンド終了です。
また手番にサイコロを積んだ後、グラグラして危なそうなビルから別のビルのオーナーに変わることもできます。誰かがオーナーになっているビルに第二オーナー、第三オーナーとして入ることもできます。第二、第三は利益は少ないけれども、オーナーさえ頑張ってくれれば労せずして儲かるという利点があります。
ラウンド終了時に、一番低いビルは一番高いビルに合併されます。一番高いビルのオーナーが一番低いビルを取って自分のビルに積み上げます。例えば8階建てが13階建てに合併されるなど、積み上げるのはかなりシビア。この合併が圧巻で、勝負どころとなります。合併が成功すれば一番高いビルのオーナーにすごい利益が入りますが、倒壊して失敗となれば一番高いビルは破産、一番低いビルに利益が入ります。
1ラウンド目は私が山上さんの低いビルを合併して1位。2ラウンド目には山上さんが私の中層ビルを合併しようとしましたが自身のビルがもともとかなりグラグラだったこともあって倒壊。危なっかしい経営でした。結局私が逃げ切って勝利となりました。ビルの状態を見ながらオーナーを転々とするHammerさん、僅差での勝利を目指して堅実な成長を心がけるかゆかゆさんなど、いろいろなスタイルでも勝つチャンスはありそうでした。
どのビルもぐんぐん成長してあっという間にラウンドが終わったかと思えば、みんな低成長をめざして牽制しあうという展開もあり、サイコロを積むというアクションと共に、駆け引きを楽しむことができます。これは傑作です。(写真は作者ホームページより)
R-ECO(Kawasaki Factory)
ゴミを回収・分別してリサイクルするカードゲーム。同じくカワサキファクトリーの作品で今年のゲームマーケットに出品される予定です。
場には4つのゴミ集積場があり、住民が分別しないでゴミを出してきます。手番には各集積場が指定する種類のゴミカードを出して、代わりに未分別のゴミカードを回収します。
指定されたゴミが溜まると、利益カードがもらえます。利益は後になるほど高くなっていく仕組みですが、途中に-2点の損失カードがあって、このときだけはゴミが溜まらないように我慢比べとなります。
しかし回収業者にもゴミを引き受ける限界というものがあります。手札が一定枚数以上になると、不法投棄しなければなりません。不法投棄されたゴミカードは最後にマイナスとなりますが、2枚目からはマイナスが小さくなるので1度やったら止まりません。
最後に集積場で得られた利益から不法投棄のマイナスを引いて、ポイントの多い人が勝ちになります。
不法投棄を厭わず利益をむさぼる業者、クリーンにするため薄利でいく業者、それぞれゴミの回収の仕方でだんだん路線が分かれていきます。私は一切不法投棄をしないという、よく言えば環境コンシャスの、悪く言えば度胸のないプレイで、あまり利益が上がらず。トップは不法投棄を最小にしながら利益をうまく上げたかゆかゆさん。途中からやけくそといえるほど不法投棄に走ったKさんは伸び悩みました。
利益は上げたい、でも不法投棄はしたくないというジレンマが手軽に楽しめ、また途中の損失カードで一転する盛り上がりどころもにくい演出で、これまたいいカードゲームだと思います。(写真はつくばゲーム会でのもの。提供:puppi氏)