自宅ゲーム会0201126

自宅ゲーム会02/01/26

Kさんの実家にて大学時代のサークルの友人たちを招いて半日.久しぶりの再会を懐かしむ時間も惜しんでゲーム,ゲーム,ゲーム.つくばでも埼玉でもアクセスのよい常連で,結構博打が好きなN君.横浜からはるばる来てくれた,精密な思考を展開するT君.オーケストラの練習の合間を縫って来てくれた,大貧民マニアのUc君,そして市川から来てくれた,原始スープ2連荘もOKのUe君.あとはKさんと私とで合計6名でしたが入れ替わり立ち代わりで3~5人でのゲーム会となりました.

キリマンジャロの麓ドラコカンパニーバルバロッサカタンの開拓者ロボラリーフォーセール

キリマンジャロの麓(Am Fuss des Kilimandscharo/R.Knizia/Hans im Glueck, 1995)

 キリマンジャロの麓を目指す探検隊のすごろく.クニツィーアの幻の一作で,ハンス・イム・グリュック・ジュニアという謎のシリーズ(?)から出ています.対象年齢は7歳以上(中途半端!).
 コマは手元の3枚組カードによって進みます.3枚とも同じ種類ならその合計,2枚が同じ種類ならその合計,3枚とも違う種類なら一番大きい数だけ進みます.手札から3枚組の上にカードを出しながらできるだけ種類を揃えてたくさん進むことをめざします.
 また,手札のカードは他プレイヤー(自分の後ろにいる人を除く)の3枚組に出して種類をバラバラにすることもできます.
 ボード上には予めチップが何枚か置かれてます.チップにはバナナ(さらに進める),ライオン(村に戻る),チェンジ(他プレイヤーと場所を交換する)があって,各プレイヤーはゲームの前にチップをボード上に仕込みます.自分で仕込んだチップは場所と中身を覚えておいてうまく利用するようにし,他のプレイヤーが置いたチップは一か八か取ってみたりします.うまくいけばどんどんバナナが出て進めるかもしれません.また,チェンジによって一発逆転もありえます.
 N君が勘と記憶をはたらかせてバナナを連続させ,ダントツトップ.最後チェンジのチップを狙い続けた私とKさんはカードが合わなくて取れず.意外と,狙ったチップのマスに止まるのは難しかったです.ヘキセンレンネンのアイデアはここから取られたのだろうかと思ったりしました.

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ドラコ・カンパニー(Draco & Co/B. Faidutti,M. Schacht/Eurogames Descartes, 2001)

 ドラコという盗賊の王様が主催する酒盛りでドラコの隣にうまく座って分け前に預かるゲーム.昨年のエッセンで出たばかりの新作で,フェドゥッティとシャハトの共作というゲームです.当サイトで翻訳を公開していますが,テキストの多いアクションカードが多かったのでラベル印刷して貼り付けました.
 ゲームは基本的にカードを1枚プレイして場所を替えていきます.途中乾杯になるとドラコが盃を持っている側にいるキャラクターはお金をもらい,逆側にいるキャラクターはお金を取られます.何十枚もあるアクションカードを駆使して,いい席を確保して,お金をたくさんもらおうとします.
 アクションカードの種類は千差万別で,「サイコロを振ってその数だけ誰かを戻す」というようなものから,「机の上からお金を落としてカードの上にのったらもらえる」なんていうものまであります.状況に応じて効果の高いカードをプレイするべきです.また,キャラクターの中にはどのプレイヤーにも属さない「ゾーク」,「ジョン兄さん」,「サラおばさん」というのがおり,彼らの払うお金を肩代わりしたり,逆にお金を分けてもらえたりと,カード戦略を複雑にします.
 引き運の要素も強いですが,だんだん手札が増えてくる中で,よく吟味して適切なカードを出していくことがポイントです.また,トップだと「ゾーク」の借金を肩代わりをするという重荷が科せられるので2位くらいにつけておくのも手です.序盤リードしていたT君がUe君にカードを抜き取られてから萎みだし,代わって私がトップに.お金は結構取られる割に入ってこないので,1銀貨でも大切にする慎重さが必要でした.

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バルバロッサ(Barbarossa/K. Teuber/Kosmos(ASS),1989)

 粘土細工を作って皆であてっこするゲーム.1989年の年間ゲーム大賞受賞作で,トイバーの名をドイツゲーム界に轟かせた一品です.はじめASSから出ていましたが,トイバーの移籍などの都合で,現在はコスモス社から出ています.
 はじめに全プレイヤーが自分の色の粘土で何かを作ります(何を作ってもかまいません).何を作ったかはメモ用紙に記しておきます.以降,ボード上をコマで回りながら,止まったマスに従って粘土細工について質問をしたり,解答をしたりしていきます.
 Yes/No形式で答えられるような質問(これは他の皆も聞いている)ができるマスと,解答の何文字目かを教えてもらうマス(これは止まった人のみ教えてもらう)があり,これらから粘土細工を推理して解答します.解答は紙に書いて出題者に見てもらい,当たっていたら点数をもらえます.当てられた方は,序盤ではマイナス,中盤ではプラス,終盤は再びマイナスになります.つまり,簡単にわかられてしまうもの,逆に全然わからないものを作ると損なのです.ここが粘土細工のつくりを微妙な難しさにします.なお,解答ができるマスでなくとも,魔法の石を使って3回(5~6人時は6回)まで,割り込んで解答できます.後半はみんなあてずっぽうでも割り込みまくって解答していました.
 終始笑い通しでした.粘土細工を並べるところからもうおかしくてたまりません.「何これ?!」「こんなものはこの世に存在しない!」.ゲーム中は「ここの部分はだいたい1メートル以内ですか?」などといった謎の質問にまた笑ったり,誰かがいきなり当てて慌てたりと,大興奮のるつぼです.ゲームが終了してからの答えあわせでも,「うっそーこれが?!」「あっそうだったのかー!!」というように盛り上がったまま終わります.確かにミューラー(トイバーの同僚)が「このゲームは最初にみたときに大賞をとることがわかった」のは頷けます.
 トップのUe君(紫)は「三面鏡」「くらげ」,2位のT君(黄)は「画鋲」「たくあん」,3位のUc君(緑)は「鼓」「メトロノーム」,4位の私(茶)は「ダンベル」「プラナリア」,5位のN君(青)は「千葉」「ノートパソコン」でした.最初に「鼓」がいきなり当てられ,「くらげ」「たくあん」と続きましたが「ダンベル」「メトロノーム」が超難解(「プラナリア」があっさりいったのは意外).矢が17本しかないので,最後まで当てられないと(5人の場合20-17で3本分)がマイナスにならないというのは欠点だという指摘がありました.推理というよりも直感が大切で,質問はそれを確認するというあり方が望ましく,その分だけ不得意な人(つまり私とN君)も出るように思えました.得意不得意はあると思いますが,皆口をそろえて「今回のゲームの中で一番面白かった」と言っていましたし,「どこで買えるの」と聞いていましたので,超大うけしたことは確かなようです.

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カタンの開拓者(Die Siedler von Catan/K.Teuber/Kosmos, 1995)

 Ue君,Uc君が所要で帰った後,未プレイだったT君のリクエストで3人カタン.「カタンは4人がベスト」という持論を持っていた私は3人は初めてでした.T君とN君の街道が交差している間に漁夫の利で最初から次々と都市化した私があっさり逃げ切り.1回しかやっていないので何とも言えませんが,2:1の構図になりやすいと思います.
 ところで今回は「出目は本当に偏るのか」ということを調査しました.合計49回の総計ですが,これだけの回数では期待値から大きく外れるということがわかりました.今回出なかった5,9に張っていたT君は3で取り戻しましたが振るわず.

出目 期待値(%) 実際値(%) 差引 2 2.8 4.1 1.3 3 5.6 14.3 8.7 4 8.3 14.3 6.0 5 11.1 6.1 -5.0 6 13.9 12.2 -1.6 7 16.7 18.4 1.7 8 13.9 16.3 2.4 9 11.1 4.1 -7.0 10 8.3 6.1 -2.2 11 5.6 4.1 -1.5 12 2.8 0.0 -2.8


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ロボラリー(Roborally/R. Garfield/Wizardsof the Coast, 1994)

 ロボットをプログラムして目的地にたどり着かせるゲーム.詳細は前回参照.今回はウィザーズ・オブ・コースト版でプレイ.ボードの組み合わせ例が出ているのが助かります.ロボットもメタルでなかなかいい感じ.3人だと意外な展開が少なくなりますが,ミスのない緻密なプログラムで本業のT君が勝利.しかし1手差でひしめきあうという僅差となりました.
 こういったゲームは確かにコンピュータで再現できるでしょうが,実際にロボットをベルトコンベアの上でにゅうと動かしてみる感覚や,穴からひゅうと落ちていく感覚はアナログゲームならではといえるでしょう.

フォーセール(For Sale/S. Dorra/Ravensburger1994)

 不動産を購入して高く売るカードゲーム.非常にお手軽で,15分くらいで遊べます.最初は不動産を購入するフェイズ.これは競りです.プレイヤーの人数分不動産カードをめくり,競りを行って,競り負けた人から安いカードをもらっていきます.ただし途中で抜けると半額払い(切り上げ)で済みますが最後まで残ると全額払いになるところがひとつのミソです.同様に不動産カードがなくなるまで競りを行います(ただし全員お金を使い果たしてしまったらそこで終了).
 次にそこで競った不動産カードを出して証券カードを取り合うフェイズ.またプレイヤーの人数分証券カードをめくり,今度は一斉に1枚ずつ不動産カードを出して不動産の価値の高い順に高い証券をとっていきます.同様に証券カードがなくなるまでビッドを続け,なくなったらゲーム終了です.証券の額と手持ちのお金を足して合計の多いプレイヤーが価値です.
 まず,カードのカウンティングは基本です.不動産カードは100万~2000万マルクなのに対し,証券カードは0~2000万マルクです.100万と200万の証券はありません.この点はよく覚えておくべきでしょう.
 あとは競りで熱くなりすぎないようにタイミングをはかることと,ビッディングで他プレイヤーが何を持っているかある程度予想しながら裏をうまくかいていくことがポイントです.時間が短いながらも,ドイツゲームの要素がしっかりつまったいいゲームです.1回目はN君,2回目は私が1位.T君は「何で勝てないのかわからない」と苦手のようです.


今回は人の入れ替わりが比較的あり,人数調整と時間調整も考えなければならず,長いゲームはできませんでしたが,その分いろいろなゲームができてよかったと思います.

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