キャロムは、りんさんの「あ・そ・ぼ」に時々出てくる彦根カロムで初めて知ったものの、日本では遊ぶ機会がなかった。インドに来てから、草場純さんがメールで「インドといえばキャロムでしょう」と仰っていたので近くの店を回ってみるとあっけなく発見。台が1000円ぐらい。コインと呼ばれるコマのセットが最高級で250円くらい、ストライカーと呼ばれるコマが25円。象牙のストライカーも売っていたが、日本に持ち帰れないのでやめた。
買ってからは一人で寂しく練習。AチームとBチームに分かれて「よーし、今度は負けないぞう」などと独り言をいいながら遊ぶのは虚しい。そこに不動産屋のドゥルゲーシュが来て、「誰と遊ぶの?」とまたキツイ質問をしてきた。「alone!」と答えると、次に来たときに一緒に遊んでくれた。ドゥルゲーシュ、いい奴。
キャロム(Carrom)
お弾きを使って自分の色のコマを相手よりも早く四隅のポケット(穴)に落とすゲーム。インドといえばキャロム、キャロムといえばインドというくらい、インドの代表的な遊びで、キャロムとクリケットを知らないインド人はまずいないそうです。
ビリヤードのナインボールと似て、自分のコマを落とせばもう1回、落とせなければ相手の番というふうに交互にやっていきますが、自分のサイドからしか打てません。そのため難しい角度にあるコマを落とすには、壁の反射をうまく使ったりするなど筋をより深く考えなければならなくなります。また、クイーンという赤いコマを途中で落とさなければなりません。これは落とした方が、最後にボーナスをもらえます。自分のコマだけでなく、クイーンの位置を常に把握し、チャンスがあれば落とすようにしなければなりません。どこで狙うかも考える要素です。
とはいえ頼みになるのは指先のテクニック。正しい角度と力加減が大事で、修練が必要です。ポケットの寸前にあるコマにあまり強く当ててしまうと、ポケットに落ちないで跳ね返ってしまったり、反対に弱すぎて届かなかったりと、一筋縄ではいきません。また、人差し指と中指を使って手前のポケットに落とす「シザースショット(ハサミ打ち)」という技も難しいです。
ドゥルゲーシュはさすが子供の頃からやっているだけあって、ばしばし決めていきます。壁の反射をうまく使ったり、微妙な力加減で落としたり、遠くにあるコマを見事に落としたり、シザースショットを決めたりして、その度に唸らせられました。私の方はというと、ひとつのコマを落とすのに2、3手もかかる始末で一時大差がついてしまいました。しかしやや油断したドゥルゲーシュは肝心のところで外します(接待プレイだったのかも)。最後はどちらも1個ずつという状況。最後はドゥルゲーシュが決めて勝ちました。
ビリヤードと違って指という原始的な戦いと、コマがスライドしてあっという間にポケットに落ちるスピード感がたまりません。ルールも適度にあって、これははまるなあと感じました。日本を含む世界中に連盟があり、競技人口は少なくないようです。