お盆をはさんで約1ヶ月ぶりとなった秋葉原。主にミクシィ経由のようだが、毎回のように初参加者がいるのがすごい。常連さんも男女問わず少なからずいるが、すぐ打ち解けて談笑しながら遊んでいる。
今日はコスモスが今年になっていつの間にか出していたカードゲームシリーズをプレイ。アミーゴサイズの小さい箱で、おそらくニュルンベルクで発売されたものだろう。どれも普段あまりゲームをしないような人を対象とした手軽なものばかりだった。
黄金の羅針盤カードゲーム|24|クイック|レーゲマックス|ガーガー店のおすし|恐怖の光
黄金の羅針盤カードゲーム(Der Goldene Kompass – Das Kartenspiel zum Film / M.シェルク / コスモス, 2008)
ライラがほしい
最近公開された映画『黄金の羅針盤』のショットを使ったカードゲーム。場札に自分のカードを出して、同じ数字か足して同じ数字になるカードがあれば、出したカードと一緒にゲットできる。場札をきれいになくせたらすぐ1チップもらえる。なければ場札に出すだけ。手札がなくなるたびに新しい手札を配って、全部使い切ったらラウンド終了。まず黄色の7(ライラ)をもっていれば1チップ、ついで黄色のカードが一番多い人が1チップ、最後に残り全部が一番多い人が1チップ。人数分のラウンドを繰り返してチップの多い人が勝ち。
深いことを考えず、絵合わせ感覚で遊ぶゲームである。先日映画を見たばかりだったので、登場人物の話なんかしながらのんびりと遊んだ。写真は左からシロクマのイオニク・バーニソン、気球乗りのリー・スコーズビー、ジプシャンの親方ジョン・ファー、同じくジプシャンの長老ファーダー・コーラム。黄色のカードには主人公の少女ライラのいろんなショットが入っている。
24(24 / S.ラップ / コスモス, 2008)
最強にして最弱の24
ドイツにはトリックテイキングゲームがごまんとあり、新作を出すとすればそれなりのひねりがなければならない。この作品では、ギャンブル性がテーマのようだ。
まず、手札を半分配ったところで親が切り札を決める。さらに全部配った後3枚まで手札を交換できる。ある程度は親の意向が反映できるが、切り札がたくさん来るかどうかは分からない。引きがよければ子にもチャンスはあるだろう。
次に、1を出すと強弱を反転できる。これによってたった1枚しかない「24」のカードが最強にも、最弱にもなる。同じトリック中に1が連続して出ると、さらに反転して元に戻したりもできるので先が読めない。
しかし何と言っても、4倍までレートを換えられるところがポイント。通常は1トリックにつき1点だが、切り札を黄色にすると2倍、さらに親がカードを配る前に黄色を切り札(ブラインド・イエロー)にすると4倍がつく。1トリックも取れないと大失点のペナルティがあるので、親は大逆転か破産かで悩む。
よたろーさんが無茶な倍付けで失点を重ねて沈没。1トリック1トリック終わりに近づくにつれて、トリックを取っていない焦りが高まっていくところがエキサイティングだった。
クイック(Quick / G.ブルクハルト / コスモス, 2008)
片手で並べ替え
カードを片手で並び替える早さを競う記憶アクションゲーム。こういう変態なゲームを作るのはブルクハルトしかいない。
配られたカードは裏にして重ねておく。そして今回の課題を決めたら一斉にスタート。課題ははじめ「数字を昇順」から始まり、「アルファベット順、アルファベットが同じものは昇順」、「カードに記された色の順、色が同じならアルファベット順」、「フレームの大きさ順、大きさが同じなら色の順」などと難しくなっていく。
並べ替えは片手で、1枚ずつしかめくってはいけない。そして最終的にまた山札に戻さないといけない。つまり前にめくったカードを覚えておいて、「KだったからDとNの間に入れよう」なんていうふうに処理しないといけないわけだ。
誰かができたと思ったらストップ。できた人から時計回りにカードを公開し、正しければチップをもらう。これを6枚集めれば勝利だが、もらったチップの数だけ配られるカードが増えていくので難易度が上昇し上がりにくくなるというわけだ。
課題はさらにアルファベット逆順などもある。だんだん慣れたものの、かなり難しいゲームであることに変わりはなく手も頭もヒートアップした。
レーゲマックス(Legemax / W.クラマー / ASS, 1974)
思惑絡みあうクラマーの原点
シーメンスの課長だったクラマーがはじめにゲームを出版したのは1974年、32才の時である。この年、2つのゲームがASS社から発売された。ひとつはビッドゲームの『テンポ』、もうひとつがこの『レーゲマックス』である。
予め配られた手札を見ながら、棒を1本ずつ置いていく。二股にすることはできないが、ループにしてもよい。ボードには番号のついたマスがあり、手札の数字と同じマスに棒が来ると捨てることができる。手札を全部捨てられるか、棒が全部ループになったら終わり。手札を最も多く捨てた人の勝ち。
実にシンプルなルールだが、いざゲームが始まるとものすごく熱い。みんな自分のカードが多くある方向に伸ばしたがる。それが一致すればよいが、同じ数字のカードがない以上、迷走するのが当然の帰結。右に行ったかと思えば左へ、上に行ったかと思えば下へ。これが23年後に年間ゲーム大賞にノミネートされる『エクスペディション』の原型であることがすぐ分かる。
1ゲームが15分程度で2連続で遊んだ。慣れるにつれて、自分の行きたいところを優先するだけでなく、ほかの人が行きたいようなところに行かせない置き方も出てきてさらに迷走し、ワイワイと楽しめた。
ガーガー店のおすし(Sushizock im Gockelwok / R.クニツィア / ツォッホ, 2008)
腐ったおすしも食べるよ
ツォッホ社ではひそかなシリーズになっている鳥のゲーム。D.マテウスのイラストで『ニワトリのしっぽ(1994)』『ニワトリの混乱(2001)』『キジのお嬢さん(2003)』『ニワトリの餌場(2003)』『ヘックメック(2005)』『栄光のピクトリア(2007)』がある。原題が日本語に直訳しにくいところも特徴だ。
『ガーガー店のおすし』はおそらく『ヘックメック』のヒットを受けて制作されたものだろう。R.クニツィアが手がけたこのダイスゲームは、2年連続でドイツ大会が開かれている。今度はイモ虫でなく魚がエサ。しかも一匹まんま巻き寿司になっている。
手番には5つのダイスを振る。1個は残して残りを振りなおすことができ、最終的に出た目に応じてタイルを手に入れる。青のお寿司マークは、その数だけ左から数えて青のお寿司(プラス点)を取る。赤のお寿司マークは赤のお寿司(マイナス点)。青い箸マークは3つ以上出ればほかの人の青いお寿司を奪え、赤い箸マークは赤のお寿司を奪う。
なぜマイナスの赤いお寿司も取らなければならないかというと、最後に得点になる青いお寿司が、赤いお寿司と同じ数だからである。青いお寿司ばかり集めても、その分だけ赤いお寿司を取らないと0点だ。
でもマイナス点の大きいタイルを取ってしまっては帳消しどころか赤字になってしまう。青いタイルはできるだけ得点が高いものを、赤いタイルは失点の低いものを狙う。
箸マークは確率が低いのでなかなかほかの人から奪うのが難しい。その分、激しい奪い合いも起こる『ヘックメック』と比べると収束しやすい。
今回は赤いタイルの列の手前に高い失点のタイルがあったため、はじめは青いタイルからとり始め、後半になって仕方なく赤いタイルを取り始める展開。帳尻を合わせるのがなかなか都合よくいかない。あと1枚というところで悲喜こもごも。
恐怖の光(Schrecklicht / G.ブルクハルト / コスモス, 2006)
一寸先は闇で
ゲーム内容はこちら。これもブルクハルトの意図だと思うが、コツが飲み込めないゲームである。ゲームが終わる頃には何となくやり方が分かったような気がするが、しばらくおくとまた分からなくなる。ほかの人も自分の場に出してくるので、心理戦の要素もあって深い。
今回は下手な戦略が裏目に出るばかりでいいところなし。みんなも暗中模索という感じでプレイしていたが、いい手は確かに存在しているので、研究の余地があるようだ。テキストがあるせいか、日本にはとうとう入らずじまいで絶版になり、ドイツで投売りされているゲーム。とても惜しいことである。