秋葉原水曜日の会 07/11/21

秋葉原水曜日の会 07/11/21

 今年の夏、仲間と共同でドイツから中古ゲームの輸入を行った。12箱という大量のゲームが船便で日本にやってきて、自分たちで税関の手続き(ボードゲームは関税がかからないが消費税がある)や倉庫からの運び出しを行う。大型トラックが行き交う寒空の大井埠頭でまる1日。だが苦労もまた、趣味の楽しみの一環だ。
 こうして届いたゲームを早速水曜日の会に持ち込み。未知のゲームを相当入手したので、これからしばらく楽しめそうだ。

禁断の言葉シャンペンか、それとも水か骨折り損のくたびれ儲けカルカソンヌ+拡張1ヤギ戦争

禁断の言葉(Unspeakable Words / J.エルンスト、M.セリンカー / プレイルーム, 2007)

禁断の言葉長い単語を作って死ぬ

7枚のアルファベットカードで単語を作るワードゲーム。テーマはクトゥルフ神話で、ちょっとかわいいクトゥルフフィギュアがたくさん入っている。
 7枚のカードはA~Zのいずれかが入っている。これを組み合わせて英単語を作る。使ったカードに書いてある数字が得点で、合計100点を最初に超えた人の勝ち。
 単語を作って得点したら、20面ダイスを振ってライフポイントのチェック。得点以上の数字が出ればセーフ、未満はアウトでクトゥルフフィギュアを1つ捨てなければならない。つまり長い単語を作って高得点すればするほど、危険が高まるわけだ。ライフポイントは3つまで。全部なくなれば脱落である。
 それでは短い単語でコツコツ安全に稼げばいいかというと、そこにまた壁がある。それはゲーム中に出た単語は二度と出せないこと。”if”とか”or”とか”it”なんていう、誰でも考え付きそうなものはすぐなくなってしまう。それに2点や3点ばかりでは100点はほど遠い。
 とはいえ、日本人が遊べば1つ単語を見つけられればいいほうで、単語を選ぶ余裕は全くといっていいほどない。FRTSさんとサシで勝負したが、1単語もできずカードを全とっかえする場面も多かった(NHKなどの略号も不可なので、ほどほどに母音が入らないと単語ができない)。最後のクトゥルフまで行ったが、ぎりぎりで100点突破。
 驚くべきはこのゲームにホビージャパンの日本語訳がついて一般発売されているということだ。プレイ人口が限られる中、和訳付きで取り扱うのは大英断というべきだろう。

シャンペンか、それとも水か(Sekt oder Selters / F.J.ラミンガー / ザラゲームズ, 1992)

シャンペンか、それとも水かすべって転んで水かけられる

美味しいシャンペンを狙って酒場に飛び込むダイスゲーム。各自1~4番のコマを置いてスタート。酒場の奥のカウンターに今回のシャンペンカードがオープンされる。これを見て、どのコマから行くか決める。
 自分の番にはまずサイコロを1個振って、その数だけコマを進める。さらにもっと進めたいならばサイコロを2個振って進め、それでも足りなければ3個振って進める。それぞれの移動でカウンターに見事たどり着ければシャンペンをゲット。だが勢い余ってはみ出してしまうと水カードをもらわなければならない。水カードはもらうまで中身は分からないがたいていはマイナス。美味い酒に焦るあまり、店の外まで飛び出してしまった滑稽な姿が笑える。
 シャンペンカードもどれでもいいというわけではない。1000点台から10点台、さらには水カードを引かせるものもある。よくないカードがめくられると、場は一転して極力進まない競争に。「どうぞお先に。」「いえいえそちらこそ。」同じマスに入ると前に止まっていたコマを追い出せるというルールと、途中の黄色いコマに止まっているコマは次回必ず進めなければならないルールがあって、そのうち仕方なくシャンペンを受け取る人が出る。まずい酒を前にみんなが押しつけ合う光景もまたおかしい。
 獲得したシャンペンカードに自分のコマを置くとそれが得点。コマは1~4番があるから、最高で4000点、最低で10点という幅がある。ドイツゲームとは思えない貧富の差で、場合によってはゲーム中盤に勝敗がほぼ確定してしまうことも。でも1ゲームは10分くらいだから気楽に遊びたい。
 序盤に4000点と3000点をものにした私がぶっちぎり。カウンターぎりぎり前で3回目のダイスロールを決行するかが悩ましく楽しい。

骨折り損のくたびれ儲け(Das Hornberger Schießen / K.ツォッホ、A.ヴァーシュタイン / ツォッホ, 1993)

骨折り損のくたびれ儲け縦横無尽の駆け引き

カードを配置して自分の色で得点するゲーム。原題の「ホルンベルクの大砲」とは、領主が来る前に発射の練習をしすぎて大砲の弾がなくなったという故事から、「骨折り損のくたびれ儲け」という意味で用いられている。アラカルトカードゲーム賞(1994)の5位。
 ゲームは2種類あるが基本アイデアは同じ。手番に1枚ずつカードを出すが、まず大砲カードを置き、その上にビールカードを置いていく。この2枚1組で並んだ列ができたら得点。ゲーム終了時まで完成しなかった列はマイナスとなる。大砲カードに対応する色の樽を持っている人にプラス・マイナスの得点。
 1ゲーム目の「ドルンター・ドリューバー」は横に3列のうち、2列が完成したところで終了する。残る1列に置いてあるカードはマイナスだ。どの列が完成しそうかを見極めながら、協力・妨害しながらカードを置いていく。
 娯楽堂さんとしむしゅさんがあっさり2列を埋めて終了。残った3列目にたくさんカードを置いていた私はぶっちぎり最下位だった。
 2ゲーム目の「ジグザグ」は横の列だけでなく、縦の列も得点対象になる。2枚1組が一定数できた列に領主カードを置くと得点計算。完成した列を除去して続行する。ゲーム終了まで盤面に残ってしまったカードはマイナス。
 ビールカードでいっぱいになると領主カードが置けないので妨害も熱い。自分だけが得点できるような列はあっさり潰されてしまうだろう。縦も横も注意して得点になりそうな場所を探し、適度に協力しつつ差分を重ねていく駆け引きが面白い。
 自分の色を近くに揃えて一挙得点に成功し、その後は完成しそうな娯楽堂さんの列をどんどん潰してぶっちぎり1位。手札と相手の出方によって自分を伸ばすか相手を潰すかの戦術が変わり、短時間ながら燃えた。ゲームは骨折りに見合っただけの面白さが設けられる。

カルカソンヌ+拡張1(Carcasonne + Erweiterung 1 / K.J.ヴレーデ / ハンス・イム・グリュック, 2002)

カルカソンヌ+拡張1大聖堂が、ジャマ!

『カルカソンヌ』にしろ『アルハンブラ』にしろ『ボーナンザ』にしろ、なかなか拡張を遊ぶ機会がない。それは基本ルールが単体で十分面白いからだ。したがって拡張はさらに面白くするためというよりも、同じゲームを繰り返し遊んでいるメンバーが一味だけ変えて飽きずに遊べるようにするものだと思う。
 今回は拡張1から湖と大聖堂を導入。ほかにも変わったタイルがあって意外性もある。ゲームの基本を損なわないこれくらいの味付けがちょうどよい。
 大聖堂は街の得点を、湖は道路の得点を上げるが、終了時まで完成しないと無得点になるという博打もの。自分の街や道に置くのもいいが、大聖堂は混み入ったほかの人の街に置いて妨害するという使い方もある。写真下はこうして将来の見通しが立たずそのまま潰れた黄色と青の街と、その上を橋で越えて見事完成した緑の街。
 難しい街を鬼引きで完成させ、ほかにも修道院をたくさん引いたmizさんがダントツ1位。広いマップだったが、最後は草原が思わず広くつながってすごいことになっていた。何人で遊んでも面白いものである。

ヤギ戦争(Ziegen Kriegen / G.ブルクハルト / アミーゴ, 2007)

ヤギ戦争気づいたときにはもう手遅れ

ヤギの縄張り争いをテーマにしたトリックテイクゲーム。島の広さからはみ出さないようヤギを集めよう。変態トリックテイクといえばこの人、G.ブルクハルトである。前作『トランプ、トリック、ゲーム』からルールを簡単に、それでいてさらにエキサイティングにしている。
 カード8枚が配られ、8トリックを行う。最初の4トリックでは、一番数字が小さいカードを出した人が島の広さを1枚ずつ決めていく。8トリック終了後に獲得したトリックのカードにあるヤギの数を数え、島の広さに収まる範囲で一番多い人が勝ち。取りすぎてバーストした人は0点。
 島の広さを見ながらトリックを取るか取らせるか考えるわけだが、その島の大きさがゲーム中次第に分かっていくというのが非常に悩ましい。大きい数字が配られなかった人はあまりトリックを取れないと思って島を小さくしてくるだろうし、その逆で強気にどんどん島を大きくしようとする人もいる。積極的に小さい数字を出して島を自分で決めたいものだが、その分獲得トリック数は減るのでよしあし。待ちすぎても点数が取れないし、先に取り過ぎると後で押し付けられてバーストしてしまう。ゲームの行方は最後の1トリックまで分からない。ドキドキ!
 人数分ラウンドで勝負。最初は恐る恐るだったが、ゲームの勘所が飲み込めてきていやらしいカードを出すにつれ、ゲームがどんどん面白くなる。「どんどん取らせてバーストさせよう!」「その前にオレも少しほしいんだけど」「じゃあ、これどうぞ」「そんなにたくさんいらねぇよ!」……本日の興奮曲線は最高をマークした。『ゲシェンク(2004)』、『フェットナップ(2005)』、『ゼロの恐怖(2006)』、『ディアボロ(2006)』、『バンジー(2007)』といったルール簡単で熱い傑作カードゲームの列に連なる素晴らしい作品。このあたりのカードゲームは全部揃えておいて損はないだろう。

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