『GameLink』11号、本日発売
今号の特集は10月に開かれたエッセン国際ゲーム祭「シュピール’11」。大量の写真と会場図で臨場感たっぷりにレポートする。また昨年に引き続き、スペシャル企画として安田均による「エッセン極秘日誌」も掲載。ドミニオン世界選手権を制したルネ氏の特別寄稿や、カルカソンヌ世界選手権で準優勝者に輝いた小向真之介氏のインタビューもある。
連載はシャッツキステのレイラ氏による「ボードゲームに恋して」 、フーゴハル氏の「等身大のゲーム」ほか、新作紹介やリプレイも盛りだくさん。当サイトの管理人も、「最新ゲーム事情」としてシーアシュピーレの倒産などについて書いています。
付録ゲームは鈴木銀一郎氏のオリジナルゲーム『ビンゴダイス』と『スキップライン』。また『アセンション』『電力会社』『Mottoたんとくおーれ』『ククカード』のプロモーションカード、明日発売予定の『ビッグ・アイデア 完全日本語版』のバリアントルールが付属する。
アークライトに移行してから隔月刊・年6回発行だった本誌は、今号から季刊・年4回発行に変わる。価格は200円ほど上がったが、ページ数も1割増でますます充実してきた。次号は3月の予定。
・アークライト:GameLink
怪盗ジュエル(Phantom Thief Jewel)
『ハゲタカのえじき』に代表されるバッティングゲームは、ほかの人とかぶらないように裏をかく心理戦である。これに、ひねりを加えることで戦略的な要素を加えた。今年の春のゲームマーケットで発売された国産ゲームである。
プレイヤーは宝石専門の怪盗で、盗む前に必ず予告状を出すことにしている。いろいろな宝石が入荷する5つの宝石店から1つを選んで予告状を出し、一斉に公開、ほかの怪盗とバッティングして(かぶって)いなければ宝石を取れる。
誰も取れなかった宝石店には宝石が累積する。宝石が増えれば増えるほど、そこを狙う怪盗が増えてバッティングが起こりやすい。ほかの人が諦めてくれるのを期待して狙うか、安全にほかを狙うか、宝石が増えれば増えるほど心ヒートアップ。
このゲームのひねりは3つあって、まず1つ目は、同じ宝石店には2回続けて入れないこと。前のラウンドに出した予告状はわきによけておく。このため、1つの宝石店に多数の怪盗がつめかけてバッティングすると、次のラウンドはそこに行かなかった怪盗が悠々と盗めるわけである。
2つ目は、宝石は同じ数字を3枚集めないと得点にならないこと。高得点の宝石は枚数が少ないのでチャンスはあまりない。また、誰がどの宝石を狙っているか分かるので、予告状選びは戦略的になる。「−4」というカードも3枚集めないと失点にならないから、2枚までは取れるという計算ができる。
3つ目は予告状カードと一緒になっている「ゲット」カード。ほかにこのカードを出した人がいなければ、残り物(このラウンドに盗まれなかった宝石店)を選んで取れる。しかしこれまた人気のカードなので、バッティングしてなかなか取れないものである。
写真の「D」宝石店は、バッティングを繰り返しているうちに溜まりに溜まったところである。みんなが遠慮したところで突っ張った私が獲得した。しかし、このゲームは突っ張れば勝てるわけではない。ときに人気がなさそうな宝石店を狙い、ほかの人がバッティングした直後を狙う抜け目のなさが必要である。うまく7点のセットを完成させたくさのまさんの勝利。
怪盗ジュエル
土屋つかさ/染井吉野ゲームズ(2011年)
3〜5人用/8歳以上/15分
染井吉野ゲームズ:怪盗ジュエル
ボードゲーム・カードゲームの販売所:怪盗ジュエル