ピクテル(Pictell)
発想の転換
標識などで使われている絵文字(ピクトグラム)を組み合わせてお題を当ててもらう日本のコミュニケーションゲーム。ゲームマーケット2015春に発表され、伊集院光氏が「そこそこ面白かった」とコメントしている。おなじみの絵文字も、発想次第でいろいろなものを表せるという再発見がある。
出題者は今回のテーマ(映画、スポーツ、楽しいこと)を発表し、そのテーマに沿ったお題を作成者に伝える。作成者は場に並んだピクトグラムカードを自由に組み合わせて、そのお題を表現する。回答者は自由に思いついたことを言い、お題を当てたら得点。
ピクトグラムカードは透明になっており、自由に重ねることができるのが特徴。このため『スクイント』と比べて表現の幅が広がっている。ただし、それぞれのピクトグラムは「自転車」「森」「女性」「転倒」など具体的なイメージを伝えるものなので、線を組み合わせて表現することができない。柔軟な発想で別なものを表すものとして使うことが必要だ。
ピクテルで法事。#pictell pic.twitter.com/1aRwOpC0yB
— や べ こ (@yabecom) 2015, 6月 6
3人プレイで30分ほど。私の最初のお題「ゲームマーケット」は、東京ビッグサイトを表現しようとしたが、三角形を逆にしてしまって撃沈。カードやボードを脇に付けたが迷宮入りするばかりだった。一方、2回目は「キャラクター」というテーマで「ドラえもん」で瞬殺。2枚目ぐらいで当てられてしまった。ルールブックの「リオのカーニバル」(下記リンク参照)のようなうまいカードの使い方をするには、熟練が必要だ。
出題者としてはカードを見ながらいいお題を考えるのが楽しい。回答者としては絵を見るだけでなく、出題者の性格や趣味、回答者の関係からお題を予想することも大事そうだ。マニアックなお題を当ててもらえるとすごく嬉しい。
ピクテル
ボドゲイム/ボドゲイム(2015年)
3~6人用/6歳以上/30分
ボドゲイム:ピクテル
『コルセア~海賊~』日本語版発売
オリジナルは1992年にアミーゴ社(ドイツ)から発売された『海賊(Pirat)』。同年、アラカルト・カードゲーム賞を受賞した。その後も何度かリメイクが行われ、『コルセア(Korsar)』『ルート(Loot)』などタイトルを変えてドイツ、アメリカ、フランス、イタリア、中国で発売されている。輸入版は国内流通があったが、日本語版になるのは初めて。ルールも改変が加えられているが、この日本版では新旧どちらのルールも入っている。
時は、海賊たちが猛威を振るう大航海時代。プレイヤーたちは、大陸をまたにかける商人となり、海賊たちに襲われないよう、うまく商船を運用しての大儲けを目指す。……というのはあくまで表の顔。実は、その裏では海賊とつながり、大海原をゆく商船を襲わせてはその利益を横取りしていくのがこのゲームの特徴だ。
手番にやることは商船・海賊船のカードを1枚引くか1枚出すかのどちらかだけ。商船を出して、1周の間に海賊船に襲われなければ得点になる。海賊船が出ればまた1周。その間により強い海賊船が出なければ商船が奪われる。危険を承知で商船カードを出港させるか、航海中の商船を海賊船カードで襲わせるか、将来のために手札を補充するかの選択が悩ましい。
プレイヤー同士の様々な思惑や利害が入り乱れて複雑、かつ奥深い駆け引きが展開する傑作カードゲームだ。