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東京・神保町のゲームカフェバー「アソビCafe」

今週末の4月16日(土)、東京・神保町にボードゲームカフェバー「アソビCafe」がオープンする(TGiWニュース)。設備を整えるために開始したクラウドファンディングは1日で目標額(50万円)を達成し、14日現在で226万円に達している。
開店前からここまで注目されている「アソビCafe」。その人気の秘密を探って、(オープン日は混みそうなので)開店準備中のだてあずみ。さんにお話を伺った。

だてあずみ。さん(「アソビCafe」提供)
だてさんの現在の活動は多彩だ。リアル脱出ゲームのSCRAPがプロデュースした「Labガールズ」(旧・パズルガールズ)に所属してイベントや動画制作などに携わる一方、「Goccoゲームズ」というサークルでゲームマーケットに出展し、同人ゲームの制作もしている。ボードゲームイベントでは渋谷で「ゆるーく楽しむボードゲーム会(ゆるボド)」、秋葉原で「大人の部活!アキバ☆ボードゲーム部(アキボド)」を定期開催しており、漫画家の中道裕大氏らと「アソビアソート」というグループを結成し、カフェやレストランでボードゲームを紹介するイベントを開いている。いずれも参加者がさらに知り合いを誘い、毎回新しい参加者があるという。抜群の知名度である。
もっともっとボードゲームを遊ぶ人を増やしたい、と半年探して決めたのは神保町だった。ご存知の通り、神保町は古本屋街。裏手にはレトロなカフェが点在する落ち着く街だ。昼には古本屋巡りができるが、夜はあまり娯楽がない。そこにボードゲームという過ごし方を提案する。
地下鉄の神保町駅から徒歩2分という絶好の立地は、前もカフェだったという。厨房が中にあるのが特徴で、これなら料理を用意しながら接客もできる。「ボードゲームしてるのを見るだけで幸せ」とだてさん。

座り心地の良いソファ(「アソビCafe」提供)
定員は24席。クラウドファンディングのおかげで心地よいソファ、畳敷きの座敷(!)、さらにこたつ(!!)まで用意できた。だてさんがセレクトした200タイトルのボードゲームも、さらに追加中だ。5月には店内レイアウトを変えて、最大で30人まで遊べるようにしたいという。
だてさんが力を入れたいというのが、定食。軽食はあっても、きちんと食べられるボードゲームカフェは少ない。「ゲーマーに野菜を!」をスローガンに、平日には多品目な料理を準備する(土日はケーキやカレーなどをすぐ出せる料理を予定)。飲み物もソフトドリンク、カクテル、果実酒、日本酒、ワイン、輸入ビールなど各種取り揃える。
また、来客同士の交流を促すため、「ほかの人と一緒でもOK」の立札を用意し、だてさん自身も呼びかける。確かにカップルで来ても、2人きりで遊びたいのか、ほかの人と一緒に遊びたいのか分からない。このあたりは数多くのイベントを開いてきた経験が生きそうだ。「アキボド」も今後、「アソビCafe」で開かれることになる。
だてさんの人気からすると当面は混み合いそうだが、予約卓は2テーブルに限定し、いつでも立ち寄れるようにする。混んでいたら(空き状況はツイッターで随時知らせる予定)、道向かいにある奥野かるた店(平日18時、土日17時まで)、水道橋のメビウスゲームズ(平日19時まで、土曜17時まで、日月祝休)、ボードゲームフロアのある書泉グランデ(20時まで、無休)に足を延ばすのもいい。平日の仕事帰りや土日の昼下がり、食事がてら立ち寄って、ボードゲームとおしゃべりを楽しもう。
ゲームカフェバー「アソビCafe」
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目32−42
平日17:00~24:00、土日祝12:00~22:00、火曜休
平日:来店チャージ500円+以降1時間ごとに300円か1オーダー
土日祝:半日2,000円(1ドリンク付)、全日4,000円(3ドリンク付)
http://asobicafe.com/
Twitterにて「おともだち(フォロー)3000人できるかな?」キャンペーン実施中

落ち着きのある店がまえ(「アソビCafe」提供)

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ロイヤルグッズ(Royal Goods)

資源を加工して、さらにまた加工して

建物を作り、資源を加工し、それを売ってより高い建物を作っていく拡大再生産系のカードゲーム。『ポートロイヤル』のA.プフィスターの作品で、1枚のカードが建物にも、資源にも、加工品にもなる一枚三役の作品だ。
はじめ各プレイヤーがもっているのは、炭鉱1つと石炭7つに、労働者が1人。石炭は1つ1金の価値があるので、7金が使えることになる。
新たな石炭を算出するには、カードに指示された資源が必要となる。この資源は毎ラウンド、山札を何枚かめくって出現する。太陽のマークがあるカードが2枚出たらめくるのをやめるため、資源がいくつ出るかは分からない。
めくられた資源を見て、どの建物を動かし、どれだけ製品を作り、いくら収入がありそうかを考えて、このラウンドで建設予定の建物を手札から出す。そうしたらもう一度、山札から資源をめくる。見込み違いだった分は手札から支払えばOK。
炭鉱は例えば麦2つと木1つで石炭1つを作る。1つ作ることができれば、追加でもう1つ資源を出してもう1つ作ることもできる(生産チェーン)。こうして生産されたものを支払って、建設予定だった建物を作るのだ。
建物はそれだけで最後の得点になるが、より高価な製品を作ることができるようになる。風車は麦2つと塩2つで小麦粉1つ(2金)を、パン屋は麦2つと塩3つでパン1つ(4金)を作る。こうしてより高い建物を作れるようになっていく。
ほかにも特定の資源を常時増やしたり、手札を増やしたりする建物もある。また、建物の組み合わせによって助手が雇えるようになり、複数の建物を同時に動かせるようにもなる。こうして成長を競い、誰かが8軒目の建物を建てたらもう1ラウンド行い、建物と助手の得点の合計が最も多い人が勝ち。
3人で30分ほど。1ゲーム目はガラス工房でコンスタントにガラスを生産した鴉さん、2ゲーム目は資源を生み出す建物を集め、やはりガラス工房でcarlさんの勝利。ガラス工房に対抗すべく、加工品をさらに加工する建物を作ってみたが生産まで行きつかなかった。
インタラクションは薄めだが、時間が短いのに遊びごたえがあり、建物の種類も豊富なので繰り返し遊びたくなる作品である。2版で運の要素を減らすルール改訂が行われたのでそのルールでまた遊んでみたい。
Oh My Goods!
A.プフィスター/オーストリアボードゲーム博物館(2015年)
2~4人用/10歳以上/30分
テンデイズゲームズ:ロイヤルグッズ
[第2版のルール改訂](参考
・フェイズ1で手札の全交換ができる
・フェイズ4で建設できなかった建物は手札に戻す
・フェイズ4で建物の建設と助手の雇用はどちらかだけできる
・最終ラウンドでは、労働者や助手を置いていない建物でも生産チェーンを使える
・市場係で1枚もらえるのは手札が3枚以下の場合のみ