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ボードゲームにおける男女平等

ポッドキャスト「ほらボド!」第352夜(リンク)にて、「『男って…』『女って…』主語大きい人」という話を振らせて頂いた。収録は一昨年のものだが、ちょうど東京オリンピック組織委員会・森会長の女性蔑視発言がほうぼうで物議を醸しており、タイムリーな公開時期だったと思う。 「かわいいアートワークなので女性に…

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ステップアップ幻想

初めての人にはまずライトなボードゲームを遊んでもらって、そこから徐々にルール量が多いゲームを紹介していく……ボードゲームを広める手法としてポピュラーなこのやり方に疑問符が付された。 ボードゲームポッドキャスト「ほらボド!」第350回で、Youtubeで紹介されるボードゲームが『ボブジテン』などライト…

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山形新聞連載コラム(11):人生とボードゲーム

12月27日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。1年間の担当なので、連載はこれで終了。 新型コロナウィルスによる巣ごもり生活の影響で、今年は人生ゲームの売上が急伸したという。店舗では軒並み売り切れ、夏頃まで品薄状態が続いた。昭和43年に日本で発売されて以来50年以上、人生ゲームは日本におけるボードゲー…

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山形新聞連載コラム(10):家事のマルチタスクとボードゲーム

11月22日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。  来月から「おとう飯(はん)にチャレンジ!」という調理実習を行うことになった。普段ほとんど炊事をしていない父・祖父でも、とにかく一食分を作れるようになることを目指すという内閣府のキャンペーンで、県内では初めての開催となる。  我が家は十年前から妻が平日…

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山形新聞連載コラム(9):海外の視点で魅力を再発見

9月13日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。  今年7月、酒田にボードゲームカフェバー「シェ・ピエール」がオープンしたので足を運んでみた。「中通り商店街」というアーケード街の一角で、以前は靴屋だったというが、まるで昔からあったように周囲に溶け込んでいる。『オセロ』や昭和時代のボードゲームが陳列されて…

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勝利点とは何か?

ボードゲームでは、しばしば「勝利点(英・victory point、独・Siegpunkt)」というものが用いられる。『カタン』では10勝利点を先に獲得すれば勝利となるし、『ドミニオン』ではゲーム中に役に立たない屋敷・公領・属州が終了時に勝利点になり、『アグリコラ』では農場の出来栄えを勝利点に換算す…

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山形新聞連載コラム(8):結婚という協力ゲーム

9月13日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。  宗派を問わず長井市内の寺院27ヶ寺で構成される「長井市仏教会」で、「寺コン」という婚活イベントを始めて6年になる(今年は新型コロナで中止)。お寺の本堂を会場に、落ち着いた雰囲気の中で結婚相手を探すというもので、毎回20人ほどの男女が集まり、自己紹介、ミ…

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山形新聞連載コラム(7):遊戯三昧

8月9日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。  東京深川の臨済宗寺院・陽岳寺では、四年前から「お寺ボードゲーム」を発表している。釈迦三尊(釈迦、文殊、普賢)や阿弥陀三尊(阿弥陀、勢至、聖観音)などの「役」を作る『御朱印あつめ』、お寺の住職となって檀家さんを増やす『檀家―Danka―』、人間界から極楽に…

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日本語版ボードゲームで誤訳が減らない理由

海外ボードゲームの日本語版はたいてい、ドイツなり、アメリカなり、オリジナル版の出版社が一元的に印刷を管理している。各国の取引先に英語のデータを送って翻訳してもらい、そのデータを使って一括で印刷し、製品を各国に発送する。そのためどの言語版であろうと、ルールブックやカードのテキスト以外、紙質もコマの材質…

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山形新聞連載コラム(6):ファシリテーションスキル

7月5日の日曜随想掲載分。前回はこちら 。  檀家さんがある住職さんからとてもいい話を聴いたという。「とってもいいお話でした」「どんなお話だったんですか?」「ええと、あれ何だっけ、とってもいい話だったんだけどなあ(笑)」  こういうことは別に認知症でもなく誰にでもある話だ。「ラーニング・ピラミッド」…