1位はP-A-Tで29社。アレア、クイーンゲームズ、2Fなどドイツ出版社だけでなく、デイズ・オブ・ワンダー、ルポ・プロドゥクシオン、チェコゲームズ出版、ダビンチ、ストンマイヤー、CMONなど幅広い国々で採用されている。日本でもOkazu Brandやダイソーが採用している。ドイツのボードゲームデータベースサイトLudingの順序もこれだ。
2位がA-P-Tで20社。ドイツ出版社に限って言えばシュミット、ツォッホ、フッフ、ハバなどが採用しており、P-A-Tよりも多い。ほかにブルーオレンジ、プランBゲームズ、ギガミック、リベルーなどフランス出版社も採用しているが、日本も含め国際的な広がりは少ない。
そして3位がP-T-Aで14社。PD、dlp、NSV、エッガートなどドイツ出版社と、スイッチゲームズなど日本の出版社で占めている。Boadgamegeek、play:game、ボドゲーマのデータベースはこの順序だ。日本でこのパターンが多いのは、昔「テーブルゲームフェスタ」というイベントで同人制作者向けに無料配布されたアイコン(下記ツイート参照)がこの順序だったのに由来するらしい。
4位がT-P-AでオインクゲームズやAEGなど6社。5位はA-T-Pでゲームライトやペガサスなど5社。6位はT-A-Pで2社。アミーゴ社にはP-A-TとP-T-A、ハンス・イム・グリュック社やルックアウト社にはP-A-TとA-P-Tというように、2パターンある出版社も見られた。
この順序に法則や哲学はあるのか、ドイツ年間ゲーム大賞審査員のU.バルチ氏に尋ねたところ、「決まったルールはないが、慣例としてはあるのかもしれない。プレイヤー人数と対象年齢は口頭でいうとき『für 2 bis 4 Spieler ab 10 Jahren(2~4人用、10歳以上)』というように連続しやすい」という回答だった。確かにPとAはプレイヤーについての情報であり、Tはゲームについての情報なので、P-AかA-Pの順序はともかく、連続しているほうがわかりやすいのかもしれない。
上記のランキングをPとAが連続しているかどうかで分類すると、連続している(4通り)のが57社、連続していない(2通り)のが19社。完全にランダムならば2:1になるところが3:1となっているところから見ても、プレイヤー情報はまとめておくという意識があるのかもしれない。
なお当サイトではP-A-Tで紹介している。ドイツのボードゲームサイトの表記がそうだったためだが、多くのゲームでは「2~4人用、8歳以上、45分」というように数字が昇順になるので、情報を転記するときに覚えやすいというメリットもある。
ラベンスバーガーやハバ社、日本では『人生ゲーム』などでTのない表示を行っているところがある(P-AまたはA-P)。所要時間は初プレイかどうか、プレイヤー人数は何人かなどによって大きく変わるものではあるが、標準的なものを記載してほしい。
プレイ人数、プレイ時間、 対象年齢の表示のことをズバリ指す言葉ってありますかね?
人数時間年齢アイコンとか、箱横のあれとか、3つ並んでる情報とかその時々で、いろいろ言ってたけどずっと不便だな〜と思ってる。 pic.twitter.com/5EugD1dFB6— タンサンあさと (@tansanasa) March 11, 2021