公認心理師・臨床心理士であり『プレイセラピー入門』(2019年)で数々のボードゲームを取り上げた丹明彦氏(ほっとカウンセリングサポート)の新著。カウンセラーがプレイセラピー(遊びを通して行われる心理療法)の現場で実際に使っている遊具に注目し、さまざまな事例を通して治療的意義を探究する。
第1章「人形遊び」第2章「ボール遊び」第5章「将棋遊び」のほか、第3章ではプレイセラピーにおけるボードゲームを通した介入に関する論考。それぞれの特性や問題に合わせてどのような現代的なボードゲームをどのように用いるかについて考察する。第4章はグループセラピーにおけるボードゲームに関する論考で、どのボードゲームがどんなソーシャルスキルと関連しているか、運用での工夫などについて検討する。
第2部は実践事例編として、現場の公認心理師・臨床心理士たちがプレイセラピー・スクールカウンセリング・療育などで用いているおもちゃやボードゲームをたくさん紹介する。巻頭では当サイト管理人が「ボードゲームはなぜ人の心を癒すのか」というテーマで特別寄稿し、現代ボードゲームの最新事情を15000字にわたって紹介している。カウンセラーだけでなく、ボ育て中の親、保育士や教諭、キッズ向けのボードゲーム会主催者などにもおすすめの一冊だ。