「ボードゲームフリーマーケット11 in なかもず」、9月18日開催
2012年から大阪と三宮で行われてきた中古ボードゲーム販売イベント。昨年12月の「Re10 in 住之江」に続いて開かれる。遊ばなくなった中古ボードゲームのほか、創作ゲーム、関連グッズ、輸入ゲームを販売。ボードゲームショップ、創作ゲームサークルなど68団体が出展する。
前回からの変更点として入場料が有料になり、12:00から整理券が配布されることになった。フリーマーケット前の10:00~13:00に、創作ボードゲームの試遊イベントが計画されているが、開催できない可能性あり。入場時に大阪コロナ追跡システムのQR読み込みまたは、名前と電話番号の記入が必要となる。その他、来場者の注意点は下記リンク参照。
ロビンフッドの冒険(Die Abenteuer des Robin Hood)
移動して窓を空けると……
中世イングランドの英雄伝説をテーマにした協力ゲーム。『アンドールの伝説』のメンツェルがデザインとイラストを共に手掛けた作品で、今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。ボード上を自由に動き回れる移動テンプレートメカニクスと、アドベントカレンダーのようにボード上の窓を開けていくメカニクス、そして200ページ以上のゲームブックとの掛け合わせが新しいプレイ感を生み出している。
プレイヤーは4人の登場人物(ロビンフッド、恋人のマリアン、怪力の大男リトルジョン、甥のスカーレット)を担当する。10のシナリオから1つを選び、スタート地点やボード上のセッティングを行う。シナリオ1「逃亡」は、お城で処刑されそうになっているリトルジョンがみんなの協力を得て脱出するというシナリオである。
袋にディスクを入れ、そこから1枚引いて、緑ならロビンフッド、黄色ならマリアンの手番となる。赤のチップはプレイヤーに不利になるイベントで、ディスクがなくなったらラウンド終了なので、ターンオーダーとイベントの順番が運で決まるようになっている。終盤は、この順番がゲームの成否を左右するという緊迫した場面もある。
手番には、①移動、②体力の温存、③調べる/攻撃/アイテム交換を行う。①移動は3つある移動テンプレートを接するように並べて、その先に自分のコマを置く(写真の水色)。山や城などの障害物の上を通ることはできない。②体力の温存は、3つの移動テンプレートのうち長いもの(走る)を使わなかったときに、白いキューブを1個袋に入れられるというもの。③調べる/攻撃/アイテム交換は、移動先の窓を開いたり、敵と戦ったり、味方とアイテムを交換したりする。
移動先の窓を調べる場合は、隣のプレイヤーがボード上に書かれた数字と同じページを開いて読み上げる。同じ番号の窓でも、シナリオによって出来事が変わり、中には選択肢が提示され、どれを選んだかによってもらえるアイテムが変わったりするというゲームブック仕様。
敵との戦闘は袋から3回までキューブを引き、白いキューブが出れば敵を倒せる。袋にはイベントのたびに紫のキューブがどんどん入るので、体力温存などで白いキューブを追加しておかないとなかなか勝てなくなる。
悪いイベントが累積すると時間切れなどでゲームオーバーになってしまう。その前にシナリオで指示された勝利条件を満たせば全員の勝利となる。
第1章はチュートリアルで、ゲームブックが1ラウンドが終わるごとに次に何をするべきか丁寧に指示してくれる。そのため、ルール説明なしでゲームを始められる。要素が出揃って本格的なゲームになるのは第2章の隠れ家探しからだ。
多くの日本人にとってロビンフッドの冒険はなじみがないため、感情移入しづらいところがあるが、シナリオ同士がつながっており、次に何をすればよいのかわかるにつれて物語に感情移入できる。また窓を開けるまで何が起こるかわからず、どこかに隠された勝利条件を探し当てるところが、協力ゲームにありがちな奉行問題を解消すると共に、謎解きの楽しみを生み出している。
Die Abenteuer des Robin Hood
ゲームデザイン&イラスト・M.メンツェル
コスモス(2021年)
2~4人用/10歳以上/60分
国内未発売(日本語版がジーピーから発売予定)